一貫性のない長い睡眠時間(9時間以上)は乳がん患者の死亡率を高める:研究報告

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多くの乳がんの患者さんには、寝付けない、眠りが維持できない、朝早く目が覚めてしまう、などの睡眠に関する問題がみられるという報告があります。

これらの問題は睡眠時間の変化をもたらし、体の代謝や免疫機能などに影響を与えることより、ひいては乳がんの予後(生存期間)に影響を与える可能性があります。

多くの疫学研究により、一般の人々においては、長い睡眠時間および短い睡眠時間はともに死亡率の増加につながることが示されています。

一方、診断後の睡眠時間(およびその変化)が、乳がん患者の生存期間に与える影響についてはよく分かっていません。

今回、3000人以上の乳がん患者を対象とした前向き研究により、睡眠時間と予後との関係を調べた結果が報告されました。

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乳がん患者における睡眠時間と生存期間との関係

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米国の研究者らは、Women’s Healthy Eating and Living Study(女性の健康的な食事と生活の研究)に登録されている早期の乳がんサバイバー3047人を対象として、睡眠時間と生存期間との関係を解析しました。

乳がんの診断時および、1、2、3、4年後に、アンケート調査(過去4週間の典型的な睡眠時間は何時間でしたか?)によって睡眠時間を調査しました。

睡眠時間は、短時間(6時間以下)、長時間(9時間以上)、および中間の睡眠時間(7~8時間)に分類しました。

Sleep duration and breast cancer prognosis: perspectives from the Women’s Healthy Eating and Living Study. Breast Cancer Res Treat. 2017 Feb 11. doi: 10.1007/s10549-017-4140-9. [Epub ahead of print]

結果を示します。

■ 診断時の中間の睡眠時間(7~8時間)の女性に比べ、長時間睡眠(9時間以上)の女性では、48%の乳がん再発率の増加、52%の乳がんによる死亡率増加、および43%の全ての原因による死亡率増加がみられた。

■ 時間変化モデルによる解析では、これらの死亡リスクの増加は、一貫して長時間睡眠(9時間以上)であった女性グループではみられず、中間(7~8時間)から長時間睡眠(9時間以上)へ変化した(あるいはその逆)女性でみられました。

すなわち今回の研究では、乳がんの診断後、一貫した短時間睡眠や長時間睡眠は(おそらく人によって必要な睡眠時間が異なることを反映しており)、乳がんの予後(生存期間)への影響はないと考えられます。

一方、一貫性のない長時間睡眠(中間から長時間睡眠への変化、あるいはその逆)の女性グループでは、乳がんによる死亡率、および全死因死亡率のリスクが高くなっていたとの結論です。

この理由は不明ですが、いくつかの可能性が考えられます。

例えば、がんの予後を悪化させる原因のひとつに炎症がありますが、炎症によって不眠や睡眠時間の増加といった変化がもたらされることが報告されています。今回の乳がんサバイバーにおける睡眠時間の増加は、死亡リスクを高める全身の炎症を反映している可能性があります。

あるいは、乳がん患者では、うつが予後を悪化させる因子の1つとして知られていますが、うつ状態の変化が睡眠時間の変化をもたらした可能性もあります。

まとめ

乳がんサバイバーでは、一貫して短時間睡眠および長時間睡眠の女性では、死亡率の増加はないようですが、乳がん診断後の睡眠時間の変化(中間から長時間睡眠あるいは長時間から中間の睡眠時間)は死亡率増加につながる可能性があります

さらなる研究が必要ですが、乳がん患者さんでは、生活習慣として、もともとの睡眠時間を変えない(あるいは変らない状況を保つ)ことが重要なようです


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