【医師が解説】覚えておきたい!乳がんの再発を防ぐための食べ物7種

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乳がんは全世界において、女性における最も一般的な悪性腫瘍です。

一部の乳がん患者さんは、手術や抗がん剤による治療後も再発の危険にさらされるため、長期にわたってがん再発を防ぐ治療や生活が必要となります。

これまでの多くの研究により、様々な食品が乳がんの発症や進行を防ぐことがわかってきました。しかし、実際には、乳がんの再発を防ぐためのエビデンスに基づいた食事(栄養)に関するガイドラインはいまだありません。

今回、海外の栄養学の雑誌から、乳がんの再発を防ぐための食事療法について紹介します。

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乳がんの再発を防ぐために有効な成分とは?

乳がんの再発を防ぐために食事から摂取すべき3つの成分は、ポリフェノール(フェノール酸)フラボノイド(フラボノール)、およびイソフラボンです。

1.ポリフェノール(フェノール酸)

ポリフェノールとは、2個以上のフェノール性水酸基(ヒドロキシ基)を持つ化合物の総称(多価フェノール)であり、ほとんどの植物に含まれています。ポリフェノールは、色素でできている「フラボノイド系」と色素以外の「フェノール酸系」と大きく2種類に分類されます。

ポリフェノールには抗酸化作用があり、心血管病の予防やがんの予防や再発防止に効果があるといわれています。赤ワインに含まれるポリフェノールと、心臓病による死亡率低下との関係は有名です。

またポリフェノールの一種であるフェノール酸はオリーブ油に多く含まれており、がんの予防に最も適した食事法と考えられている「地中海式ダイエット」の代表的な抗がん成分と考えられています。

コーヒーにも多くのポリフェノールが含まれており、大腸がんや脳腫瘍などを予防するという報告もあります(こちらの記事もどうぞ「コーヒー1日3杯以上で脳腫瘍(グリオーマ)のリスク低下:日本発の最新研究報告より」)。

2.フラボノイド(フラボノール)

フラボノイドとは、さまざまな植物(果物および野菜)に含まれている色素や苦味、辛味成分のことで、ポリフェノールの一種です。

フラボノールは、フラボノイドの代表的なグループで、緑茶、タマネギ、ブロッコリー、および一般的な果物などに豊富に含まれています。

実験的には、フラボノールは抗酸化作用、抗エストロゲン作用、細胞シグナルの阻害、およびミトコンドリア毒性などを介して乳がんの発癌を抑制することがわかっています。

また最近のメタ解析(複数の研究の結果を統合し、より高い見地から分析する解析法)では、食事によるフラボノールの摂取は、乳がんのリスクを低下させることが示されています。

3.イソフラボン

イソフラボンとは、おもに大豆に含まれているポリフェノールの一種で、女性ホルモンのエストロゲンと似た働きをすることで知られています。

イソフラボンには様々ながんを予防する効果が報告されていますが、2014年に発表されたメタ解析では、(日本をふくむ)アジア諸国では、大豆イソフラボンの摂取が、閉経前および閉経後の女性の乳がん発症率を、ともに40%低下させることが明らかとなりました。

乳がんの再発を防ぐための食べ物

では、具体的には乳がんの再発を防ぐためには何を食べたら良いのでしょうか?

最近、栄養学の医学雑誌「Nutrients」から報告された論文から紹介します。

Reducing Breast Cancer Recurrence: The Role of Dietary Polyphenolics. Nutrients. 2016 Sep 6;8(9). pii: E547. doi: 10.3390/nu8090547.

1.オリーブオイル

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オリーブオイルにはがんの予防効果があることは古くから知られていましたが、最近ではエキストラバージンオリーブオイルから抽出された「オレオカンタール」という成分が、がん細胞だけを選択的に細胞死に導くという報告があり、その抗がん効果についても注目されています。

また、2015年に発表されたスペインからのランダム化比較試験では、エキストラバージンオリーブオイルを補った地中海式ダイエットは、およそ70%も乳がんの発症率を低下させたという結果でした(JAMA Intern Med. 2015 Nov;175(11):1752-60)。

ということで、乳がんの再発予防には(エクストラバージン)オリーブオイルが欠かせませんので、いろいろな料理につかいましょう!

2.タマネギ

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タマネギにはケルセチン(フラボノール)が豊富に含まれており、がんの予防・治療効果が期待できます。またタマネギの成分である硫化アリルイソチオシアネートにも強力な抗がん作用があると言われています。

さらに最近、日本の研究者らが、タマネギから分離した天然化合物Onion A (ONA)に、おもにマクロファージによる免疫応答を変化させることにより、がんを抑制する作用があることを発見し、注目を集めています(Sci Rep. 2016 Jul 12;6:29588. doi: 10.1038/srep29588)。

詳しくはこちらの記事をどうぞ。

タマネギに驚きの抗がん成分:オニオンA(ONA)は卵巣がんの発育を抑制する

3.ブロッコリー

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ブロッコリーにはフラボノールが含まれており、がんの予防効果が期待できます。

またブロッコリーやブロッコリースプラウトに含まれるスルフォラファンには強力な抗酸化作用があり、がんの成長を抑制する効果が報告されています(こちらの記事もどうぞ「ブロッコリーを食べましょう!強力な抗がん効果をもつスルフォラファンが肺癌の成長を阻害」)。

さらに、ブロッコリーには、免疫力を高める成分が含まれており、がんと戦う免疫細胞であるNK細胞(ナチュラルキラー細胞)の活性を高める効果が期待できます。

ブロッコリーから世界で初めて発見された、自然免疫を活性化する成分ブロリコに関する詳しい資料のご請求はこちらから

4.リンゴ

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フルーツを多く摂る人では乳がんのリスクが低下することが証明されていますが、なかでもリンゴと柑橘系フルーツにはフラボノイドが豊富に含まれており、がん予防効果が期待できます。

最近の報告では、フルーツの中でも特にリンゴ、バナナ、ブドウを摂取することが乳がん発症のリスク低下につながるという研究報告があります(BMJ. 2016 May 11;353:i2343. doi: 10.1136/bmj.i2343)。

5.柑橘系フルーツ

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柑橘系フルーツにはフラボノイドが豊富に含まれるため、抗がん効果が期待できます。また柑橘系フルーツには抗酸化作用の高いビタミンCやカロテノイドも含まれるため、がん患者さんにとって理想的な食品です。

2013年に行われたメタ解析では、柑橘系フルーツを多く食べるこによって、乳がんのリスクが10%低するという結果が報告されています(J Breast Cancer. 2013 Mar;16(1):72-6. doi: 10.4048/jbc.2013.16.1.72. Epub 2013 Mar 31.)。

6.緑茶

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緑茶の摂取が乳がんに与える影響については、発症率の減少がみられたとする研究と、関連を認めなかったとする研究があり、結論はでていません。しかし、緑茶に含まれるカテキン等のポリフェノールには抗酸化作用があり、特にエピガロカテキンガレート(EGCG)には、乳がんを含む様々ながんに対する抗腫瘍効果が報告されています。

7.大豆食品(豆乳や豆腐)

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適量のイソフラボンには乳がんの予防効果があることより、中等量(1日5~10g程度)の発酵していない大豆食品(豆乳や豆腐)の摂取は、乳がんの再発リスクを低下させることが期待されます。

実際に、乳がんの診断後の大豆イソフラボンの摂取は、再発率および死亡率を低下させるとする研究報告が多数あります(J Fam Pract. 2015 Oct;64(10):660-2)。

以上の食べ物には、乳がんに対して抗がん効果を期待できるフェノール酸、フラボノール、あるいはイソフラボンが豊富に含まれています。

これらの食べ物を毎日の食事にできるだけ取り入れるようにしましょう!


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