要注意!がん患者さんが腸閉塞(イレウス)になりやすい理由

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みなさんは、腸閉塞(ちょうへいそく)という病名を聞いたことがありますか?時々、芸能人が腸閉塞になったというニュースが報道されますね。

つい先日も、チューリップの財津和夫さん(69歳)が当初、腸閉塞と診断されていたところ、大腸がん(下行結腸がん)が発見されたとのニュースがありました

腸閉塞とは、文字通り「腸がつまること」で、別名をイレウスともいいます。腸閉塞の原因はさまざまですが、実はがん患者さんは腸閉塞を発症するリスクが高いため、注意が必要です。

今回は、とくにがんと関連して発症する腸閉塞の原因、症状、および治療法について解説します。

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腸閉塞とは?

腸閉塞とは、いろいろな原因によって、小腸や大腸で内容物(食べた物)の通過が悪くなったり、完全に遮断されることによって、腸管内容物が肛門方向に運ばれなくなるために生ずる病気です。

簡単にいうと、「腸が動かなくなったり、つまったりして、腸の内容物が先にすすまない状態」のことです。

腸閉塞は、機能的閉塞(腸の動きが悪くなる状態)と機械的閉塞(腸がねじれたり、腸に腫瘍などができたりして塞がれてしまう状態)の2種類にわけられます。

1)機能的腸閉塞

  • 腸を支配している神経が障害され、腸管運動が低下するために腸の内容物が停滞して蓄積する。麻痺(まひ)性腸閉塞とも呼ばれています。
  • 原因として薬の副作用、腹膜炎、あるいは開腹手術の比較的早期の術後合併症などがあります。

2)機械的腸閉塞

  • 腸どうしが重なり合うか、ねじれ合って、腸の内容物が通らなくなったり、腸管内の異物(かたい便、腸石、食物のかたまりなど)や腫瘍(がんや巨大ポリープなど)が消化管を塞ぎ、腸の内容物が通らなくなるためにおこります。
  • おもな原因として、癒着(ゆちゃく=腸同士や腸とお腹の壁などが引っ付くこと)、ヘルニアの嵌頓(かんとん=腸が狭いところにはまってしまうこと)、がんなどの腫瘍、消化に悪い食べ物の摂取など、様々なものがあります。

がん患者さんにみられる腸閉塞の原因

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1.薬の副作用

ある種の薬は、腸の運動を弱める作用があります。例えば、進行がん患者さんに処方されることがある麻薬性の鎮痛剤(痛み止め)は腸の動きを抑制し、便秘になることが多いですが、これが重症化した場合には腸閉塞となることがあります。

痛み止めなどの薬の副作用で便秘になった場合には、早めに主治医に相談し、便を軟らかくする薬や便秘薬を処方してもらいましょう。

2.腹部手術の術後合併症

がんに対して開腹(あるいは腹腔鏡)手術をおこなった場合、合併症として腸閉塞をおこすことがあります。

術後早期(特に数日~1週間)には腸管の動きが悪くなり、麻痺性(機能的)腸閉塞をおこす場合があります。

また、手術の影響で癒着(ゆちゃく)がおこり、この癒着が原因で腸閉塞(この場合は機械的腸閉塞)になることもあります。この場合、術後すぐにおこることもありますが、何年もたってから発症することもあります。

3.腫瘍(がん)による消化管閉塞

大腸(やまれに小腸)に腫瘍(がん)ができて大きくなり、これによって腸の内腔が狭くなったり、塞がれた場合、腸閉塞となることがあります。

また、腸以外の臓器のがん(例えば膵臓がんなど)が、近くの腸に広がって腸閉塞をひきおこすこともあります。

多くの場合、腸閉塞になる前に何らかの別の症状がでるためにがんと診断されますが、なかには腸閉塞になってはじめてがんが発見される方もいます

腸閉塞を伴う大腸がんの生存率(余命)については、こちらの記事をどうぞ↓

4.がん性腹膜炎(腹膜播種)

がんが進行して腹膜に散らばった場合(腹膜播種(はしゅ)といいます)、腹膜炎(がん性腹膜炎)を合併しますが、これによって腸が締めつけられたり動きが悪くなり、腸閉塞をおこすことがあります。

腹膜播種はおなか全体に広がるため、腸の数カ所が閉塞することもあります。

腸閉塞の症状

排便、排ガス(おなら)が減ったり、全くなくなり、お腹がはってきます。同時に食欲が低下したり、腹痛、吐き気や嘔吐を伴い、徐々に悪化していきます。

重症例(腸がしめつけられて血液の流れが途絶えたりした場合など)では、はげしい腹痛(腹膜炎症状)、急激な嘔吐などがみられます。

このような症状があった場合、すぐに病院を受診してください。

一方で、患者さんによっては症状が軽い場合もあり、とくに高齢者のなかには腸閉塞を発症しているにもかかわらず全く症状を訴えない場合もあります。

腸閉塞の診断・治療

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腸閉塞の診断

腸閉塞の診断は、くわしい問診(便秘などの排便状況、薬の内服歴やお腹の手術を受けたことがあるかどうかなど)、腹部所見(腸の音やお腹を押さえたときの痛みなど)、およびX線検査やCTなどによる画像診断を組み合わせて行います。

腸閉塞の治療

腸閉塞の治療法は原因によっても異なりますが、多くの場合、まずは保存的治療(食事と水をストップし、点滴による補液)を行います

また、鼻から胃や腸の中にチューブを挿入し、消化管の内容物を外に出して腸の圧を下げる処置を行うこともあります。このような保存的な治療でも改善しない場合、手術を行います。

重症の腸閉塞では腸管がしめつけられ、血流が途絶えた状態(絞扼:こうやく)になったり、腸の内圧が高まって腸の壁に穴が空いたり、破裂することもあります。この場合、緊急手術の適応となります。

手術では、状況に応じて腸管の癒着を剥離(はくり=はがすこと)したり、つまった部分や腐ってしまった腸を切除したりします。

腫瘍や狭くなった腸が切除できない場合には、バイパス術(塞がれた部分の前後で腸をつなぎなおす手術)が行われることもあります。

多くの場合、腸閉塞は適切な治療によって改善しますが、重症例や全身の状態が悪い例では腹膜炎や敗血症(血液のなかに細菌が入り込んだ状態)が悪化し、多臓器不全などで命を落とすようなケースもあります。

また腸閉塞の原因が腹膜播種の場合、治療が難しいことが多く、一般的には余命は短いと考えられます。

がん患者さんが気を付けること

がん患者さんは、腸閉塞になる原因を理解し、できるだけ腸閉塞を防ぐ、あるいは早期に気づくことが大切です。特にお腹の手術を受けたことがある患者さんでは、時間(場合によっては数年)がたってからでも癒着による腸閉塞がおこる可能性があります。

以下のことに気を付ける必要があります。

・便の性状(かたさなど)、回数をチェックし、急に変化した場合には医師に相談する。
・なるべく消化に悪いものを避ける(海藻やキノコ類、糸こんにゃくなどが腸閉塞の原因となることがあります)。よく噛んでゆっくり食べる。
・水分を多めにとる。
・適度の運動をする。
・薬の副作用の便秘に対しては緩下剤、便秘薬を使って排便をうながす。
便秘が長引く場合、お腹が張ってくる場合、吐き気が続く、あるいは急に腹痛や嘔吐が出現した場合には、早めに病院(主治医)を受診する

以上です。


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