大腸がん肝転移へのNK細胞およびTリンパ球の浸潤は予後を改善する:免疫力の重要性

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人間のからだには、がん細胞を攻撃して排除する免疫監視システムがそなわっています。

このがんに対する免疫の状態が、治療の結果や生存率に影響をおよぼすことは以前から知られてました。一般的に、免疫の機能が活性化されている患者さんでは、がんが治りやすいと言われています。

実際に、がん組織の中に入り込んでいる免疫細胞(これを免疫細胞の浸潤(しんじゅん)といいます)の割合が高い患者では、予後(生存率)が良いという研究報告があります。つまり、最前線でがんと戦っている免疫細胞が多ければ多いほど、治療成績がよいということです。

今回、大腸がんの肝転移(ステージ4)における、がんへの免疫細胞浸潤と生存率との関係を調査した結果が報告されました。

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がんを排除する免疫監視システムとは?

がんを見つけて排除する免疫の働きについて簡単に説明します。

まず最初にがんに攻撃を仕掛けるのは、細胞傷害性リンパ球の一種であるナチュラル・キラー細胞(NK細胞)です。このNK細胞が血液にのって全身をパトロールし、がん細胞を見つけては除去しています。

次に、弱ったがん細胞のまわりを抗原提示細胞(こうげんていじさいぼう)と呼ばれる樹状細胞(じゅじょうさいぼう)が取り囲み、がんの断片を捕獲するのです。

樹状細胞は、がん細胞の特徴(抗原)を他のリンパ球(ヘルパーT細胞)に知らせる役目をもっています。

がんの存在を知ったヘルパーT細胞は、活性化して増殖を始めます。そして、B細胞に攻撃の指示を出し、武器である抗体をつくらせます。一方、ヘルパーT細胞はキラーT細胞(細胞傷害性T細胞)にも命令し、がんを直接攻撃させます。

大腸がん肝転移における腫瘍内への免疫細胞浸潤と生存期間との関係

Increased Infiltration of Natural Killer and T Cells in Colorectal Liver Metastases Improves Patient Overall Survival. J Gastrointest Surg. 2017 Aug;21(8):1226-1236. doi: 10.1007/s11605-017-3446-6. Epub 2017 May 23.

この研究は、術前の抗がん剤治療後に切除手術(肝臓切除)を行なった、大腸がん肝転移の患者さん121人を対象とした後ろ向きの臨床研究です。

手術によって切除した肝臓の標本について、特殊な染色法を用いて、腫瘍内に入り込んだ(浸潤した)NK細胞(NKp46+)およびT細胞(CD3+)の割合を調査しました。

この腫瘍内に浸潤したNK細胞およびT細胞の割合と生存期間との関係について解析しました。

結果を示します

■ 腫瘍内に浸潤するNK細胞およびT細胞の割合は患者によって大幅に異なっていた(下図)。

大腸がん肝転移内浸潤免疫細胞

■ 腫瘍内に浸潤するNK細胞およびT細胞の割合で2つのグループに分けると、NK細胞およびT細胞の浸潤割合が低いグループでは5年生存率28%であったのに対し、NK細胞またはT細胞の浸潤割合が高いグループでは5年生存率72%と有意に長かった(下図)。

腫瘍内免疫細胞と生存期間

■ 多変量解析では、腫瘍に浸潤するNK細胞の割合が高いことと、腫瘍に浸潤するT細胞の割合が高いことが、予後良好の因子として同定された。

以上の結果より、「大腸がん肝転移の患者において、抗がん剤治療後に、腫瘍内にNK細胞またはT細胞が多く入り込んでいる患者では、切除手術後の生存期間が延長する」という結果でした。

やはり、がんの治療成績を決定する重要な因子は、がんを攻撃する免疫細胞の働きのようです日頃から免疫力を高めましょう!


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