がんの手術は1週間のうちいつ受けるべきか?曜日による生存率(余命)への影響

LINEで送る
Pocket

353436e6b3338b32975bda123ef22607_s

一般的に、手術が決まったがん患者さんは、「できるだけ早く手術を受けたい」と思ったり、「家族の都合にあわせて手術日を調整したい」と希望することはあるかもしれませんが、「がんの手術は1週間のうち何曜日に受けるべきか?」について考えることはあまりないでしょう。

しかし、じつは「がんの手術は何曜日に受けるか」も重要であるという研究結果があります。

以前から、週の後半(金曜日など)に大きな手術をうけた患者では、術後の合併症が増えたり、手術による死亡率が高くなるといった報告はありました。

最近、食道がんをはじめ、がんの長期の治療成績(生存率)は、手術を行う曜日によって差が出るというショッキングな研究結果が海外から報告されました。

今回は、手術をおこなう曜日とがんの生存率(予後)との関係について、最新の研究結果を交えて解説します。

スポンサーリンク

食道がんの手術における曜日と予後の関係

Weekday of Esophageal Cancer Surgery and Its Relation to Prognosis. Ann Surg. 2016 Jun;263(6):1133-7. doi: 10.1097/SLA.0000000000001324.

スウェーデンにおける大規模なコホート研究です。

1987年~2010年までに食道がんに対して手術を行った患者さん1748人について、手術の曜日と5年以内に死亡する確率(すべての原因による死亡と食道がんによる死亡)との関係を調べました。

結果を示します。

■ 週の前半(月曜~火曜日)に手術を受けた患者(1083人)に比べ、週の後半(水曜~金曜日)に手術を受けた患者(665人)の5年以内に死亡する確率(すべての原因)は、13%増加していた(下図)。

食道がん手術日曜日と予後

■ この週の後半の手術と死亡率増加の関係は、早期のステージ(0-I)で強く(59%の死亡率増加、進行したステージ(III-IV)では認められなかった。
■ すべてのステージの患者において、手術日が週の後半になればなるほど死亡率が増加した
■ 月曜日の手術に比べ、火曜日が3%、水曜日が7%、木曜日が12%、金曜日が46%の死亡率増加を伴っていた。
■ 食道がんによる死亡率も、すべての原因による死亡率と同様の結果であり、週の後半になればなるほど死亡率が増加した。

以上より、食道がんに対する手術は、週の後半にした場合には死亡率が高まるという結果であり、とくに早期のがんで関係が強くみられたとしています。

他のがんの手術における曜日と予後の関係

81fd1e7d3184035bd3473abf9dd509f8_s

同様の研究結果が他の様々ながんについても報告されました。

Weekday of cancer surgery in relation to prognosis. Br J Surg. 2017 Aug 31. doi: 10.1002/bjs.10612. [Epub ahead of print]

食道がん手術における前回の研究と同様、スウェーデンにおけるコホート研究です。

228,927人のがん患者を対象とし、手術の曜日と5年以内に死亡する確率(すべての原因による死亡と食道がんによる死亡)との関係を調べました。

調査対象は、以下の10の主要ながんです。

①乳がん、②頭頸部がん、③肺がん、④甲状腺がん、⑤食道・胃がん、⑥肝臓・膵臓・胆道がん、⑦大腸がん、⑧腎臓・膀胱がん、⑨前立腺がん、⑩卵巣・子宮がん

結果を示します。

■ 週の後半に(木曜日、金曜日ではさらに)手術を受けた消化器がん患者の死亡率は増加していた。
■ 月曜日の手術に比べ、金曜日の手術のがんによる死亡率の増加は、以下の通りだった。
  • 食道・胃がん:57%の増加
  • 肝臓・膵臓・胆道がん:49%の増加
  • 大腸がん:53%の増加
■ 一方で、頭頸部がん、肺がん、甲状腺がん、乳がん、腎臓・膀胱がん、前立腺がん、あるいは卵巣・子宮がん患者では、このような死亡率の増加はみられなかった。

以上の結果より、消化器系のがんでは、週の後半(木曜日または金曜日)の手術が死亡率の増加につながるという結果でした。

まとめ

食道がんをはじめとして消化器系のがんでは、1週間のうち後半に手術を受けると予後が悪くなるというデータでした。

したがって、これらの手術に関しては週の前半に行うべきであると結論づけています。

もちろん欧米と日本では医療のシステムも違いますので、単純にあてはめることはできません。また、手術の成績(予後)は、外科医の腕や手術例数にも左右される可能性があります。

しかしながら、少なくとも消化器系の大きな手術(食道亜全摘術、胃全摘術、肝切除術、膵臓切除術など)の場合は、可能なら週の後半よりも前半にしてもらった方がよいかもしれません


応援よろしくおねがいします!

いつも応援ありがとうございます。 更新のはげみになりますので、「読んでよかった」と思われたら クリックをお願いします_(._.)_!  

↓ ↓ ↓  ↓ ↓ ↓  

にほんブログ村 病気ブログ がん情報(患者以外)へ 

LINEで送る
Pocket

あなたへのおすすめ記事
あなたへのおすすめ記事
スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク