癌の臭いの原因物質?尿中の揮発性有機化合物(VOC)検出による膵臓がんの早期診断

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膵臓がんは、進行したステージで診断されることが多く、およそ70~80%は切除手術ができない段階(局所進行または転移性膵臓癌)で発見されます。

したがって、一刻も早く、膵臓がんを発見するスクリーニング検査を確立する必要があるといわれています。

これまでに、膵臓がんの遺伝子異常やエピジェネティックな異常、あるいは代謝異常などを利用したさまざまな診断法が報告されてきました。しかしながら、簡便でかつ感度の高いものは実用化されていません。

最近、がんから放出される揮発性有機化合物(Volatile Organic Compounds: VOC)を患者さんの息(呼気)などから検出する新たながん診断法が研究されています。

また、この揮発性有機化合物(VOC)によるがん患者さんの特有の”におい”をかぎ分ける「がん探知犬」も話題になりました。

今回、海外より尿中の揮発性有機化合物(VOC)の測定が膵臓がんの診断に有用であると報告されました。今後のさらなる研究と臨床応用が待たれます。

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揮発性有機化合物(VOC)の測定による膵臓がんの非侵襲性診断法

Non-invasive Diagnosis of Pancreatic Cancer Through Detection of Volatile Organic Compounds in Urine. Gastroenterology. 2017 Nov 9. pii: S0016-5085(17)36347-3. doi: 10.1053/j.gastro.2017.09.054. [Epub ahead of print]

イギリスの研究者らは、早期のステージをふくむ膵臓がん患者81人と健常人81人から採取した尿を用いて、イオン移動度分光法(IMS)という方法で、揮発性有機化合物(VOC)を測定しました。結果を示します。

■このIMS法による解析の結果、尿中揮発性有機化合物(VOC)のイオン移動プロファイルは膵臓がん患者と健常人では異なっていました(下図)。

VOC膵臓癌診断プロファイリング

■この尿中の特徴的なVOCパターン認識を用いると、膵臓がん患者と健常人を、感度91%特異度83%で鑑別することが可能でした(ROC曲線下の面積(area under the curve: AUC)は0.92)(下図)。

尿中VOC測定膵臓癌ROCカーブ

■この揮発性有機化合物(VOC)検出による診断法によって、早期のステージ(ステージI/II)の膵臓がんの尿でも感度91%特異度78%AUC 0.89で健常人の尿と鑑別が可能でした。
■さらに、早期のステージ(ステージI/II)の膵臓がんと、進行期(ステージIII/IV)の膵臓がん患者を感度82%特異度89%AUC 0.92で鑑別が可能でした。

以上の結果より、IMS法による尿中の揮発性有機化合物(VOC)検出はわずか5mlの尿があれば可能であり、膵臓がんの非侵襲性診断法として大変有望であると結論づけています。

今後、大規模な臨床試験などでのデータの検証が必要ですが、膵臓がんを早期に診断するスクリーニング検査として期待されます。


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