膵臓がんを生き抜くために!現時点でベストの治療法は?

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膵臓がんは進行した状態で診断されることが多く、治療成績はがんの中でも最悪といわれています。

がんの治療では、まずは5年生存を目指すわけですが、日本における最新の統計データでも、5年生存率は10%以下でした。

しかし、色々な治療法を組み合わせる集学的治療の導入などにより、少しずつではありますが、膵臓がんの治療成績は良くなりつつあります。

現時点で考えられる、膵臓がんに対するベストの治療法について解説します。

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膵臓がんに対するベストの治療法とは?

まず、膵臓がんが切除可能かどうかを判断します。残念ながら、切除不能である場合、長期生存の可能性は低くなります。

切除可能な膵臓がんの場合、次のベストの治療法が適応できます。

外科切除+術後補助化学療法(抗がん剤治療)

切除可能な膵臓がんに対する、現時点での最も予後(生存期間)が期待できる治療法は、外科切除+S-1(ティーエスワン)による術後補助化学療法です

切除可能な膵臓がんとは、遠隔転移(遠くの臓器への転移)がなく、また上腸間膜動脈および腹腔動脈に浸潤を認めない膵臓がん(膵癌取り扱い規約分類ではステージ1~3および4aの一部)です。

膵臓がんの場合、たとえ切除手術ができたとしても、術後に再発や転移することが多いため、ほぼ全例で術後に補助化学療法(抗がん剤治療)が行われます。

術後の抗がん剤治療は、これまではゲムシタビン(ジェムザール)という薬が使われていました。しかし最近、日本における大規模な臨床試験の結果、この標準治療が変わる驚くべき結果が報告されました。

膵臓がんに対する術後抗がん剤治療として、ゲムシタビンとS-1(ティーエスワン)という飲み薬の効果を比較した臨床試験(JASPAC-01試験)の結果が、このほどLancet誌オンライン版に掲載されました。

この試験では、切除手術を受けた膵臓がん患者385例を対象とし、術後にゲムシタビンを投与するグループ(190例)とS-1を投与するグループ(187例)に無作為(ランダム)に分けて治療成績(予後)を比較しました。

その結果、生存期間の中央値はゲムシタビン群で25.5ヶ月であったのに対し、S-1群ではなんと46.5ヶ月およそ4年ちかく生存したとの結果でした。

また、5年生存率はゲムシタビン群で24.4%であったの対し、S-1群は44.1%と非常に高く、死亡ハザード比は0.57(ゲムシタビンと比べ、死亡リスクが43%も減少)でした。(下図)。

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つまり、S-1単独による治療が、これまで標準治療であったゲムシタビン単独による治療の効果をはるかに上まわったという驚くべき結果でした。

この結果を受け、現在では膵がんの術後補助療法の標準治療は、S-1単独治療となりました。

膵臓がんでは、たとえ切除できた患者さんでも、これまでは平均で1~2年程度しか生きることができませんでした。しかし、術後にS-1を使うことにより、平均4年の生存も期待できるようになりました。

膵臓がんに対するベストの治療戦略:今後の展望

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術前抗がん剤治療の導入

最近、膵臓がんに対して、手術の前に抗がん剤治療をする術前抗がん剤治療の有効性が報告されるようになってきました。

国内の多施設で行われた臨床試験では、一定期間の抗がん剤治療の後に切除を行った症例の2年生存率は、45.7%(いきなり手術した場合の予測される2年生存率は30~40%)と良好な成績であったと報告されています。

また海外で行われた臨床試験の調査(メタ解析)では、切除可能な膵臓がんに対し、術前に抗がん剤+放射線治療を行ってから切除を行った181症例の中央生存期間は30.6ヶ月であり、いきなり切除した症例の生存率の約24ヶ月よりも良好であったとしています。

現在、ゲムシタビン(ジェムザール)とS-1(ティーエスワン)を組み合わせたGS(ジーエス)療法による術前抗がん剤療法の安全性と有効性を調べるため、日本の多くの専門施設によって臨床試験が行われています。

さらに、GS療法の他にも、最近ではFOLFIRINOX療法(大腸がんで使われる抗がん剤の組み合わせ)やゲムシタビン+ナブパクリタキセル(アブラキサン)の併用療法なども術前抗がん剤治療の候補として期待されています。

これらの結果で、術前抗がん剤治療の有効性が証明された場合、最も期待される膵臓がんに対する治療の組み合わせは、術前抗がん剤治療+外科切除+S-1(ティーエスワン)による術後補助化学療法になると考えられます。

もちろん膵臓がんの患者さん全員がこの治療の適応になるわけではありませんが、ベストの治療の組み合わせによって、平均5年(もちろんそれ以上)の生存期間も夢ではなくなる日がくると思います


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