免疫チェックポイント阻害剤(ニボルマブ、ペンブロリズマブ)が効きやすいがんとは?

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がん治療の新しい流れとして、免疫チェックポイント阻害剤の開発、臨床研究、および実用化が加速しています。

現時点では、ヤーボイ(抗CTLA-4抗体)とキイトルーダ(抗PD-1抗体)がメラノーマ(皮膚がん)に、オプジーボ(抗PD-1抗体)がメラノーマ、非小細胞肺がん、および腎細胞がんに承認を受けています。

さらに、国内外で現在進行中の臨床試験において、多くのがんに対して免疫チェックポイント阻害剤の効果が示されつつあります。

このような状況において、免疫チェックポイント阻害剤が効くがんと効かないがんがあることが明らかとなってきました。

免疫チェックポイント阻害剤の効果が事前に予測できれば、より効率の良い治療ができます。このような効果を予測するバイオマーカーはあるのでしょうか?

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免疫チェックポイント阻害剤の効果を予測するバイオマーカー

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一般的に、免疫チェックポイント阻害剤がよく効くのは、全体の症例の10~30%(およそ20%)といわれています。病気が進行しない状態までをふくむと、約70%に効果があるとされ、残りの約30%には全く効果がないことが分っています。

どのようながんに免疫チェックポイント阻害剤が効くのでしょうか?免疫チェックポイント阻害剤の効果を予測するいくつかのバイオマーカーが報告されています。

1.PD-L1発現

免疫チェックポイントとは、免疫細胞にブレーキをかけるシステムであり、その一つにPD-1とPD-L1があります。

免疫細胞にはPD-1というカギ穴があり、このカギ穴にPD-L1というカギが差し込まれると、免疫細胞のはたらきにブレーキがかかります。

一部のがん細胞はこのカギであるPD-L1(あるいはPD-L2)を持っており、免疫細胞にブレーキをかけて攻撃から逃れていることが分っています。免疫チェックポイント阻害剤の抗PD-1抗体は、このカギ穴をふさいでしまい、免疫細胞のブレーキを解除します。

したがって、PD-L1をたくさん発現している(持っている)がんでは、しっかりと免疫のブレーキがかかっており、抗PD-1抗体によるブレーキの解除がより効果的であると予想されます。

実際、これまでの臨床試験で、PD-L1を発現しているがん(PD-L1陽性がん)では、抗PD-1抗体であるニボルマブやペンブロリズマブの効果が高いことが示されています

したがって、がんにおけるPD-L1の発現は、免疫チェックポイント阻害剤の効果を予測するバイオマーカーとして臨床的に役に立つ可能性があります。しかし一方で、PD-L1の検査方法や陽性・陰性の判定基準などについてはさらなる検証が必要だといわれています。

2.マイクロサテライト不安定性(ミスマッチ修復機構欠陥)

マイクロサテライト不安定性とは、DNAがコピーされる時に塩基配列の間違い(ミスマッチ)を修復する機能の低下により、マイクロサテライト反復配列というくり返しの配列が腫瘍組織において非腫瘍(正常)組織と異なる反復回数を示す現象のことです。

簡単に言うと、細胞が分裂するときにDNAが複製されますが、ときどき間違いが起こります。通常ですと、この間違いを見つけて修復するシステム(ミスマッチ修復機構)がありますが、マイクロサテライト不安定性のがんでは、このシステムに欠陥があり、DNAの間違い(変異)が修復されないままどんどん増えていくことになります

このマイクロサテライト不安定性(ミスマッチ修復機構の欠陥)と抗PD-1抗体ペンブロリズマブの治療効果との関係が、2015年の「The New England Journal of Medicine」に報告されました。

この臨床試験では、ミスマッチ修復機構の欠陥がある大腸がんと、ミスマッチ修復機構の欠陥があるその他のがん(胆道がん、子宮内膜がん、小腸がん、胃がん)のグループについて解析していますが、どちらのグループでもペンブロリズマブの治療が有効であったとしています。

要するに、マイクロサテライト不安定性の頻度が高いがんに、免疫チェックポイント阻害剤がより効果的ということです。

マイクロサテライト不安定性は、例えば大腸がんではリンチ症候群(HNPCC)の患者では80~90%と高頻度に見られ、リンチ症候群以外の散発性大腸がんでも10~20%程度に認められます。

したがって、治療の前にマイクロサテライト不安定性を調べ、これらの患者さんに限定すれば、より効果の高い免疫チェックポイント阻害剤の治療が可能になると期待されています。

他のバイオマーカーと将来の展望

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この他にも、遺伝子変異(異常)数が多いがんでは、少ないがんに比べて免疫チェックポイント阻害剤の効果が高いという報告もあります。

また現在、次世代シークエンサーによる遺伝子解析などにより、免疫チェックポイント阻害剤の効果が高い、あるいは低いがんに認められる遺伝子変異(異常)が徐々に明らかとなっています。

将来、免疫チェックポイント阻害剤の効果を予測するより簡単で正確なバイオマーカーが開発され、臨床応用されることが期待されます。


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