糖質制限のすすめ:高糖質(炭水化物)食によって頭頸部がんの死亡リスクが増加

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最近、糖質制限食やケトン食(ケトジェニック・ダイエット)ががんの食事療法として注目されるようになりました

これは、がん細胞がブドウ糖をエサとして増殖することより、糖質ががんの進行を早めるという仮説に基づいています。

しかし、これまでに、食事の糖質量とがん患者の予後(生存率)についての研究はほとんどありませんでした。

今回、頭頸部がん患者を対象とした糖質の摂取と再発、死亡率についての研究結果が報告されました。

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頭頸部がんとは?

頭頸部(とうけいぶ)がんは、顔面から頸部にかけての部位に発生する癌のことで、主なものには、舌がん、喉頭(こうとう)がん、咽頭(いんとう)がん、上顎がん、などがあります。

頭頸部がんの原因は完全には解明されていませんが、喫煙、飲酒、食生活、ウイルス感染症などがあります。とくに、約80%に喫煙と飲酒が関与しているといわれています。

頭頸部がんに対しては、手術、放射線治療、抗がん剤などを組み合わせて治療することが多いのですが、進行がんでは再発・転移することが多く、いまだに予後不良のがんです。

その5年生存率は部位によっても異なりますが、およそ40~70%といわれています。

音楽プロデューサーのつんく♂さんが喉頭がんで手術を受け、声帯を摘出しました。また、ミュージシャンの坂本龍一さんが中咽頭がんであることを発表しています。

この他にも大橋巨泉さんが中咽頭がんで亡くなっており、また落語家の立川談志さん、ロック歌手の忌野清志郎さんがそれぞれ喉頭がんで亡くなっています。

頭頸部がん患者における食事からの糖質摂取と死亡率との関係(前向きコホート研究)

Higher carbohydrate intake is associated with increased risk of all-cause and disease-specific mortality in head and neck cancer patients: results from a prospective cohort study. Int J Cancer. 2018 Mar 31. doi: 10.1002/ijc.31413. [Epub ahead of print] 

【対象と方法】

414人の新たに診断された頭頸部がん患者を対象としました。

治療前および治療後の食事の内容について、詳細なアンケート調査が行われました。

食事中の全糖質(炭水化物)量、血糖インデックス(GI)、全糖、加糖、天然糖、および単炭水化物量などを算出しました。

これらの患者を前向きに観察し、再発、全死亡率(すべての原因による死亡)、疾患特異的死亡率(頭頸部がんによる死亡)との関係を解析しました。

【結果】

■ 観察期間中に、72人(17.4%)が再発し、70人(16.9%)が死亡していました(うち42人が頭頸部がんによる腫瘍死)。
■ 治療前の解析では、全糖質量(2.3倍)、全糖(3倍)、血糖負荷(2.1倍)、および単炭水化物(2.3倍)の大量摂取は、少量摂取にくらべて有意に全死亡率の増加をともなっていました
■ 同様に、糖質量(2.5倍)および全糖(3倍)の大量摂取は、少量摂取にくらべて有意に頭頸部がんによる死亡率の増加をともなっていました
■ 治療後の解析では、中程度の脂質の摂取は、有意な再発率および全死亡率の低下(73%の低下)を伴っていました。

【結論】

頭頸部がん患者では、治療前の糖質(とくに糖)摂取は予後不良(2~3倍の死亡率の増加)と相関していました

やはり、糖質を多く摂取することは、がんの進行につながることが、この前向き研究からも明らかとなりました。

今後、ランダム化比較試験など大規模な臨床試験によって、糖質制限食あるいはケトジェニック・ダイエットががんの食事療法として有効かどうかを証明する必要があります。

楽しくゆるい糖質制限食のすすめ

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私は、がん患者さんに「楽しくゆるい糖質制限食」をおすすめしています。

糖質制限食とは、米飯・めん類・パンなどの米・麦製品や芋類など糖質が主成分のものを抜くか控えめにし、その分、肉や魚などを多く摂取する食事法です。

糖質制限食の第一人者である高雄病院の江部康二先生をはじめ、最近では多くの医師が、がんの予防や治療において糖質制限食が有望であると論じています。

江部先生によると、3食のうち夕食だけ主食を抜くプチ糖質制限食から、朝食・昼食・夕食の3食ともごはん(主食)を抜くスーパー糖質制限食まであります。

1.プチ糖質制限:3食のうち、1食は主食を食べない。1日の糖質摂取量の目安:120g~170g
2.スタンダード糖質制限:3食のうち、食は主食を食べない。1日の糖質摂取量の目安:80g~120g
3.スーパー糖質制限:1日の3食とも、主食を食べない。1日の糖質摂取量の目安:30g~60g

最初はプチ糖質制限からはじめ、可能なら徐々にスーパー糖質制限食に近づけていければ理想的です。

ただし、主食を抜くことがストレスになり、食事が楽しくなくなるようなら意味がないと思います。

がん患者さんは、まず生活の質を保つことが大切ですので、無理せず「ゆるい糖質制限食」を楽しみましょう!


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佐藤 典宏

医師、医学博士、メディカル・サプリメント・アドバイザー。 消化器外科医として診療のかたわら癌の基礎的な研究もしています。 ☞ くわしいプロフィールはこちら ☞ 標準治療、代替医療、最新のがん情報についてエビデンスをまじえて紹介します。がん患者さんやご家族のかたに少しでもお役に立てれば幸いです。☞ 当ブログが本になりました!「ガンとわかったら読む本」マキノ出版 ☞ 
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