がんを早期発見するために!「かかりつけ医(ホームドクター)」の重要性

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みなさんは、「かかりつけ医(ホームドクターあるいはファミリードクター)」を持っていますか?

あるいは、近くに何科のどんな病院(または診療所やクリニック)があるか知っていますか?

もちろん持病がある人は、定期的に「かかりつけ医」に通っているでしょう。しかし、多くの人(とくに若い人)は「かかりつけ医」を持っていないのではないでしょうか?

医師の私自身がそうなのですが、人は健康なときには病院に行きたくありませんし、興味がありません(笑)。ですので、普段、近くにどんな病院(クリニック)があるのか詳しくは知らないでしょうし、調べることもあまりないと思います。

そして、「なにか病気が確実にありそうな場合に、はじめて病院を受診する」ことが多いのではないでしょうか?

ところが、たとえ40歳代や50歳代の健康な人でも、がんの早期発見(あるいは、治療後の経過観察)には、この「かかりつけ医」を持つことが非常に大切なのです

今回は、がん診療における「かかりつけ医」の重要性について、私の意見を交えて解説します。

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そもそも「かかりつけ医」って何?

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かかりつけ医とは健康に関することを何でも相談でき、必要な時は専門の医療機関を紹介してくれる身近にいて頼りになる医師のことです(日本医師会による)。

簡単に言うと、「近くの頼れる町医者」です。

古くは、山本周五郎の時代小説「赤ひげ診療譚」に出てくる「赤ひげ先生」が有名ですね。

アメリカでは、どのような症状でもまず「かかりつけ医(ファミリードクター)」に相談することが一般的で、緊急の場合をのぞき、いきなり大きな病院を受診することはありません。

日本では、まだ「かかりつけ医」の考え方が浸透していません。是非一度、「かかりつけ医」について、家族で話し合ってもらいたいと思います。

「かかりつけ医」の詳細については、日本医師会のホームページが参考になります。

がんと「かかりつけ医」との関係

軽い症状でも「かかりつけ医」なら受診しやすい

がんの初期のサインとして、ごくわずかな体の異変があります。

たとえば、軽い胸やけがつづいている。胃のあたりが気持ち悪い。便の具合が変わった。このような「なんとなく気になる症状」が、がんの初期のサインのことがあります

このように軽い症状で病院を受診した人に、血液検査や内視鏡、超音波検査などをすることで、がんが発見されることがあります。

つまり、がんの初期のサインを見落とさないためには、気になる症状がでた時点で病院を受診することが大切なのです

ところが多くの人は、症状が軽いうちは「仕事の疲れだろう」、「最近、無理したから」、「年だから」、「どうせたいしたことないだろう」、「面倒臭い」などといった理由で、病院を受診しません。

とくに、軽い症状で最初から大きな総合病院を受診することにためらいを感じる人がほとんどでしょう。

そこで、何か気になる症状があるときに、気軽に受診できる「かかりつけ医」を持つことをおすすめします。

「かかりつけ医」を受診し、診察・検査をすることで、早期のがんが見つかることがあるのです。

「かかりつけ医」受診でがんが発見された例

私の患者さんにも、「かかりつけ医」の受診がきっかけでがんが見つかった人がいます。

Aさんは、軽い胸やけで受診した「かかりつけ医」の内視鏡検査で、早期の胃がんが発見されました。彼女は胃の切除手術を受け、その後5年以上、再発なく元気に外来に通ってこられています。
Bさんは、胃のあたりの不快感のため「かかりつけ医」を受診しました。血液検査でアミラーゼ値(膵臓の酵素のひとつ)が高かったことより、総合病院で膵臓のくわしい検査をおこなったところ、早期の膵臓がんが発見されました。 

このように、軽い症状でも、かかりつけ医を受診して検査を受けることにより、がんの早期診断につながることがあるのです

「かかりつけ医」はがん治療後も役に立つ

また、「かかりつけ医」を持つことは、がんの治療後にも役立ちます。

たとえば大学病院やがんセンターなど、大きな病院でがんの治療を受けたとしても、その後の定期的なチェックやくすりの処方は「かかりつけ医」で受けることが多いのです。

また、がんの治療中や治療後は、体調が不安定になりがちです。

発熱などちょっとした体調の変化でも、すぐに受診できる「かかりつけ医」を持つことは重要なのです。

よい「かかりつけ医」の条件

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では、がんを視野に入れた場合、どういった「かかりつけ医」を持つべきなのでしょうか?

私が考える、よい「かかりつけ医」の条件を箇条書きにしてみます。

  • 通いやすいこと
  • なんでも相談しやすい(話をよく聞いてくれる)
  • できれば呼吸器科、消化器科(消化器内科)を専門としてかかげている
  • ある程度の検査(血液検査、レントゲン検査、超音波検査、内視鏡検査)ができる 

まず、かかりつけ医の条件として、「通いやすい」ということがあげられます。

できれば歩いて行ける範囲がベストですが、なかなかそうはいかないこともあります。車や公共の交通機関を使って30分以内で通えるクリニックが理想的でしょう。遠い病院になると、受診したくなくなります。

また、よい「かかりつけ医」の条件として、気軽に相談できるということがあります。ちょっとした症状でも患者さんの訴えをきちんと聞いてくれる医師がよいでしょう。

逆に、軽い症状を「たいしたことない」と取り合わない医師や、すぐに薬をだして診察や検査もしてくれない医師は避けましょう。

次に、専門性についてです。

「かかりつけ医」には、全身のいろいろな病気を診ることができる、いわゆる「総合内科」が最も適しています。

ただ「かかりつけ医」にも専門があり、1つ、あるいは複数の診療科(例、循環器科、呼吸器科、胃腸科など)を看板にかかげています(標榜(ひょうぼう)と言います)。

日本では肺がんや消化器(胃や大腸)のがんが多いことより、可能ならば呼吸器科消化器科(胃腸科)を専門としてかかげているクリニックがいいでしょう。

また、かかりつけ医は一人だけでなく、必要に応じて複数持つことも可能です。たとえば、咳がでるといった呼吸器系の症状の場合、呼吸器科の「かかりつけ医」を受診し、腹痛などの消化器系の症状の場合、胃腸科の「かかりつけ医」を受診するといった使い分けもよいでしょう。

女性の場合は、比較的若くても乳がんや子宮頸がんのリスクがありますので、婦人科やウィメンズクリニックなどに「かかりつけ医」を持つことをおすすめします。

さらに、「かかりつけ医」には、ある程度の検査(血液検査、レントゲン検査、超音波検査、内視鏡検査)ができることが望ましいと考えられます。

「かかりつけ医」の検査でがんを疑う所見があり、より専門的な病院の受診が必要であれば、紹介状(情報診療提供書)を書いてくれます。

以上、理想的な「かかりつけ医」でした。ぜひ参考にされてください。

まとめ

がんの早期発見のためにも、近所に頼りになる「かかりつけ医」を探しましょう!

理想的な「かかりつけ医」の条件は、通いやすいこと、しっかり話をきいてくれること、総合内科(+呼吸器科、消化器内科)を専門にしている、そして、ある程度の検査ができることです。


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佐藤 典宏

医師、医学博士、メディカル・サプリメント・アドバイザー。 消化器外科医として診療のかたわら癌の基礎的な研究もしています。 ☞ くわしいプロフィールはこちら ☞ 標準治療、代替医療、最新のがん情報についてエビデンスをまじえて紹介します。がん患者さんやご家族のかたに少しでもお役に立てれば幸いです。☞ 当ブログが本になりました!「ガンとわかったら読む本」マキノ出版 ☞ 
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