海洋性オメガ3脂肪酸(DHA/EPA/DPA)が大腸がんの生存期間を延長する:研究報告
オメガ3不飽和脂肪酸(PUFAs)には、がんの予防効果があることがわかっています。
例えば、細胞や動物実験レベルでは、オメガ3脂肪酸はがんの進行を抑制し、また血管新生(がんに必要な血管を活発につくる)を阻害することが報告されています。
また、オメガ3脂肪酸は抗がん剤の治療効果を高めたり、がん患者にみられる栄養失調(カヘキシア)を改善することもわかっています(詳しくは下の記事をご参照ください)。
したがって、オメガ3脂肪酸の摂取は、がんの予防にとどまらず、がん患者の生存率の改善にも役に立つ可能性があります。しかし実際には人での研究はあまり報告されていません。
今回は、「がんの診断後に海洋性オメガ3脂肪酸を多く摂取することは、大腸がんによる死亡リスクを低下させる」という報告を紹介します。
海洋性オメガ3脂肪酸の抗がん効果
海洋性オメガ3脂肪酸とは、魚やオキアミ(クリル)などの海洋生物に含まれるオメガ3脂肪酸のことであり、 EPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)、およびDPA(ドコサペンタエン酸)からなります。
オメガ3脂肪酸は、がんの予防効果があるといわれており、実際に魚介類(海洋性オメガ3脂肪酸)をたくさん食べる人ではがんの発症率が低いことが分かっています。
また動物実験レベルでは、オメガ3脂肪酸が大腸がんの成長や肝臓への転移を抑制することが報告されています。
海洋性オメガ3と大腸がんの生存率との関係
米国の研究者らは、1659人の大腸がん患者について、診断されてからの食事による海洋性オメガ3脂肪酸の摂取量について調査しました。
そして追跡調査を行い、大腸がんによる死亡率との関係を調べました。
結果です。
以上の結果より、がん診断後の海洋性オメガ3脂肪酸摂取は、大腸がんの死亡リスクをさげることが示されました。
大腸がん患者さんには、積極的に海洋性オメガ3脂肪酸をとることをおすすめします。
特に、がんの診断前にはあまり摂取してなかった人も、診断後に摂取量を増やすことで死亡のリスクを減らすことができる可能性があります。
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