ゴーヤ(ニガウリ、ツルレイシ)の驚くべき抗がん効果:医師による研究報告のまとめ
夏野菜の代表として食卓に登場するゴーヤ(別名、ゴーヤー、ニガウリ、ツルレイシ)ですが、最近がんを抑制する食べ物として注目を集めています。
ゴーヤはウリ科の植物で、ビタミン(特に抗酸化作用が強いビタミンC)、ミネラル(カリウム、カルシウム、マグネシウム)、食物繊維を豊富に含んでいます。このため、老化や動脈硬化を防ぐ健康食品として知られています。沖縄の人が長寿なのは、ゴーヤをいつも食べているからとも言われています。
また、ゴーヤの苦み成分であるモモルデシンやチャランチンには血糖値を安定させ、コレステロールを低下させる作用があることより、糖尿病などの生活習慣病の予防にも効果があるといわれています。
さらに、ゴーヤにはがんを抑制する作用があるのです。まさにスーパーフードですね!そこで、今回はゴーヤの抗がん作用についての報告を調査し、まとめてみました。
ゴーヤ(Momordica charantia)の抗がん作用の報告
ゴーヤの成分BG-4によって大腸がん細胞が死滅
BG-4, a novel anticancer peptide from bitter gourd (Momordica charantia), promotes apoptosis in human colon cancer cells. Sci Rep. 2016 Sep 15;6:33532. doi: 10.1038/srep33532.
この実験では、代表的な大腸がん細胞を2種類(HCT-116とHT-29)使い、ゴーヤから抽出された新たな生物活性ペプチドであるBG-4の抗がん作用を調べています。
BG-4は、大腸がん細胞(とくにHCT-116)の増殖(コロニー形成)を抑制しました(下図)。
さらに、このBG-4ががんの増殖を抑制するメカニズムには、がん細胞をアポトーシス(プログラムされた能動的な細胞死)に誘導して死滅させる作用が関与していることが分かりました。
ゴーヤの成分TCDが乳がん細胞の増殖を抑制
A triterpenoid from wild bitter gourd inhibits breast cancer cells. Sci Rep. 2016 Mar 1;6:22419. doi: 10.1038/srep22419.
この研究では、3β,7β,25-trihydroxycucurbita-5,23(E)-dien-19-al (TCD)というゴーヤから単離された成分が、2種類の代表的な乳がん細胞(MCF-7とMDA-MB-231)の増殖を抑制することを示しています。
さらに、このTCDという成分も、先ほどと同様に乳がん細胞をアポトーシスに導くことが示されました。
ゴーヤ抽出物が卵巣がんの成長を阻害し、抗がん剤の効果を高める
Bitter Melon (Momordica charantia) Extract Inhibits Tumorigenicity and Overcomes Cisplatin-Resistance in Ovarian Cancer Cells Through Targeting AMPK Signaling Cascade. Integr Cancer Ther. 2016 Sep;15(3):376-89. doi: 10.1177/1534735415611747. Epub 2015 Oct 19.
この研究では、以下のことを証明しています。
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ゴーヤの抽出物が卵巣がん細胞の増殖を抑制し、アポトーシスに導入した。
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ゴーヤ抽出物は、卵巣がん細胞の遊走(運動性)および浸潤(周りの組織などに広がること)を阻害した。
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ゴーヤ抽出物は、マウスに移植した卵巣がんの成長を阻害した。
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卵巣がん治療に使われる代表的な抗がん剤であるシスプラチンとゴーヤ抽出物を併用することで、卵巣がん細胞の増殖およびマウスに移植した卵巣がんの成長を著明に抑制した。
以上の結果より、ゴーヤ抽出物は卵巣がんに対して強力な抗腫瘍効果を持ち、さらにシスプラチンの感受性(腫瘍への効果)を高める可能性があると結論づけています。
ゴーヤの絞り汁(ジュース)が膵臓がんの抗がん剤耐性を克服し、治療効果を高める
Bitter melon juice targets molecular mechanisms underlying gemcitabine resistance in pancreatic cancer cells. Int J Oncol. 2015 Apr;46(4):1849-57. doi: 10.3892/ijo.2015.2885. Epub 2015 Feb 9.
研究者らは、膵臓がんが抗がん剤のゲムシタビン(ジェムザール)に効かなくなるメカニズムの1つとして、AktとERK1/2のリン酸化が亢進していることを示しました。
そして、ゴーヤのジュースが、このゲムシタビンが無効の膵臓がん細胞のAktとERK1/2のリン酸化を阻害し、増殖を抑制することを発見しました。
このことより、ゴーヤを併用することによって、膵臓がんに対する抗がん剤治療の効果が高まる可能性があると結論づけています。
ゴーヤの絞り汁(ジュース)がマウスにおける膵臓がんの成長を抑制する
Bitter melon juice-intake modulates glucose metabolism and lactate efflux in tumors in its efficacy against pancreatic cancer. Carcinogenesis. 2019 Jun 13;bgz114. doi: 10.1093/carcin/bgz114.
ゴーヤの抽出液(ゴーヤジュース)が、マウスに移植した、膵臓がんの増殖を抑えるということが報告されています。
この実験では、腫瘍を移植する前からゴーヤジュースを投与する「予防的な投与」でも、腫瘍を移植した後からゴーヤジュースを投与する「治療的な投与」でも、どちらも、腫瘍が成長するのをほぼ完全に抑えることができています(下図)。
さらに、この研究では、ゴーヤジュースがすい臓癌を抑制するメカニズムについてもくわしく調べていますが、ゴーヤジュースが、がん細胞がグルコース(ブドウ糖)を栄養として取り込むのを減らして、さらに、乳酸の排出を阻害することで、がん細胞の増殖を抑制していることが示されました。
その他の研究報告
上記の他にも、ゴーヤの抽出成分が肺がん、肝臓がん、前立腺がん、あるいは咽頭がんなどの増殖を抑制したという研究報告があります。
なかでも、ゴーヤの成分であるMAP30というタンパクが、抗がん作用を発揮しているようです。
このように、多くの細胞および動物実験において、ゴーヤの強力な抗がん作用が報告されています。今後のさらなる研究を期待したいですね。
ゴーヤをとりましょう!
さて、こんなに強力な抗がん作用をもつゴーヤですので、できれば夏は毎日でも摂りたいものです。
ゴーヤをつかった料理としては、やっぱり定番はゴーヤチャンプルーでしょうか!その他、ゴーヤの和え物、佃煮、天ぷら、サラダなどもいいですね。
ちなみに、私は最近お酒のつまみとして、ゴーヤチップスにハマっています!
でも最も効果的なのは、おそらく生のゴーヤ・ジュースだと思います。
ちなみにゴーヤだけをミキサーにかけても苦くてまず飲めません(笑)!
ちょっとした工夫が必要です。苦くないゴーヤジュースのレシピがこちら↓です(クックパッドより)。
私も試してみましたが、たしかに美味しくて飲みやすくなります(若干、青臭いのですが・・・)!
ゴーヤをミキサーにかける手間がめんどくさい方(私も含め)は、ネットでゴーヤの原液も手に入りますよ▼
原液は期待通り(?)苦いですが、こちらを使うとより簡単にゴーヤジュースができます!
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