ホエイプロテイン(乳清タンパク質)によってがん患者の栄養状態と免疫力が改善
がん患者さんでは、様々な理由によって栄養障害(栄養失調)をきたすことが多くなります。なかでも、代謝や免疫の維持に大切なタンパク質が足りなくなります。
体内のタンパク質(アルブミンなど)が減ると、筋肉やせ・筋力低下(サルコペニア)や悪液質(カヘキシア)の原因となり、免疫力および生存率の低下にもつながります。
したがって、がん患者さんは、低栄養状態を克服するためには、良質のタンパク質(とくに必須アミノ酸)をしっかりと摂取する必要があります。
一部の研究によると、がん患者さんの栄養状態を改善するために、サプリメントとしてホエイプロテイン(乳清タンパク質)の摂取が有効と報告されています。
しかしながら、これまで臨床試験でのエビデンスはほとんどありませんでした。
今回、ホエイプロテインが、がん患者さんの栄養および免疫力を改善するという新たなエビデンスを紹介します。
ホエイプロテインの摂取によって、がん患者の栄養状態と免疫能が改善:ランダム化比較試験
Whey Protein Supplementation Improves Nutritional Status, Glutathione Levels, and Immune Function in Cancer Patients: A Randomized, Double-Blind Controlled Trial. J Med Food. 2018 Mar 12. doi: 10.1089/jmf.2017.4080. [Epub ahead of print]
この臨床試験(ランダム化二重盲検対照試験)では、抗がん剤治療中の42人のがん患者(年齢41~63歳)を、ホエイプロテイン群(23人)とコントロール群(19人)に、ランダムに割り付けました。
ホエイプロテイン群では、12週間にわたり、日中に計40グラムのホエイプロテイン(+亜鉛、セレニウム)を摂取しました。一方、コントロール群では、同量のマルトデキストリンを摂取しました。
6週目および12週目に血液を採取し、栄養状態、グルタチオン濃度、免疫能(免疫グロブリン濃度など)などを評価しました。
結果を示します。
■ ホエイプロテイン群では、コントロール群に比べて、12週目のアルブミンおよび免疫グロブリンG(血液中のおもな抗体)の濃度が有意に増加していました。
■ コントロール群では、栄養状態の指標となるグルタチオン(グルタミン酸、システイン、グリシンという3つのアミノ酸が連なった化合物)の濃度が減少していましたが、ホエイプロテイン群では時間とともに増加していました。
■ ホエイプロテイン群では、コントロール群に比べて栄養状態スコアが改善していました。
以上の結果より、ホエイプロテインの摂取は、抗がん剤治療中のがん患者における栄養障害を防ぎ、また免疫力を維持するために有効であると結論づけています。
これまでにも、がん患者さんのサルコペニアやカヘキシアを予防・治療するために、ホエイプロテインが有効であるという報告はありました。
今回、ランダム化比較試験によってホエイプロテインの有効性が示されたのは意義があると思います。
おすすめのホエイプロテイン
ホエイプロテインは色々なメーカーから販売されており、たとえばザバス、ウイダー、あるいはグリコなどが有名です。
私もザバスなど、ひととおり試してみたのですが、現在は、筋肉の合成や維持に必要なグルタミンやHMB(必須アミノ酸の1つロイシンの代謝物)が入ったDNSのホエイプロテインを飲んでいます。
こちらです!
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1食(34g)あたりタンパク質が27g(+HMB 1,500mg)も摂れます。
フレイバーも、ヨーグルト風味にくわえて、フルーツミックスとチョコレート風味があります。
わたしの場合、毎朝ヨーグルト風味を飲んでます。
このスプーン1杯で34g(タンパク質が27g)です!
普通にコップで牛乳に溶かしても大丈夫ですが、わたしはブレンダーボトルでよくかき混ぜてから飲んでいます。
ちなみに、豆乳がよく合います。
ホエイプロテインを毎日摂取することで、栄養状態を改善し、免疫力を高める効果が期待できます。
食事のときに、あるいは、運動直後に飲むとよいでしょう。
とくに抗がん剤の副作用で食欲がない患者さんや、体重が減ってきたがん患者さんにお勧めします。
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