ステージ4咽頭がんを克服したサバイバーによる体験記「がんの手術をする前に」から学ぶべきこと
がんサバイバーの体験記には、多くの学ぶべきことがあります。
進行がんを克服した春名伸司さんと、日本ホリスティック医学協会会長である帯津良一先生の共著「がんの手術をする前に」を読みました。
がんについてその根本的原因に立ち返り、生活習慣の改善や気功などの代替療法を積極的に取り入れる見事なまでの戦略が、患者さんと医師の両方の立場から具体的に描かれています。
本書は、がんの治療について悩んでいる人、特に手術を控えたがん患者さんのお手本になると思います。
がん克服記:「がんの手術をする前に:患者にはこんなにできることがある」
がんの手術をする前に:患者にはこんなにできることがある( )
春名伸司さんは、15年前の42歳の時、ステージ4の中咽頭がんと告知されました。14時間にわたる大手術と、1週間の植物状態を経験されました。その後郭林新気功と出会い、自己の免疫力を上げながらそれまでの生き方を改めて、見事にがんを克服したサバイバーです。
帯津良一先生は、もともと外科医でしたが、現在は川越市に開業されて西洋医学と中国医学を組み合わせてがん治療にあたっておられます。日本におけるホリスティック医学やホメオパシー医学の権威でもあります。
本書は、春名さんの「私のがん克服記」(第1部)と帯津先生による「守りの養生から攻めの養生へ」(第2部)、および郭林新気功入門(第3部)からなります。
がんを克服するために大切な3つのポイント
本書の中で、私が思う「がんを克服するために重要な3つのポイント」をあげてみます。
1.治療方針についてしっかりと自分で考える
まず、春名さんはステージ4のがんであることを主治医から告げられ、手術について説明を受けますが、一旦は手術を断ります。
「たった二週間後に、あごの骨を切られ、筋肉やリンパ腺を取られる。おまけに手術が失敗すると、廃人になるかもしれないのか・・・・・」
手術をするという現実を、「はい、そうですか」と即座に受け入れる勇気は、そのとき到底湧いてこなかった。
・・・・・・
私はどうしてもその厳しい手術が受け入れられず、告知を受けたその日のうちに、手術を断った。
その後「必ず生きるぞ」と決心し、がんに関する情報を集めます。伊丹仁朗先生の生きがい療法の会に参加し、約2ヶ月間、「がんの自然退縮」をめざして自分でできるさまざまな養生(食事、気功などの代替医療)を行います。
最終的には短期間の抗がん剤治療の後に手術を受けることになるのですが、それまでの間に試行錯誤しながらがんと向き合い、自分の納得のいく治療を選択します。
春名さんのように、がんの治療では「自分が主治医」になって、自分自身で治療方針を決定することが大切です。医師が言うことをそのまま受け入れるのではなく、自分でも情報を集め、しっかりと考え、その上で自分の直感にしたがって最適の治療法を選択すべきでしょう。
2.術前から積極的に自分でできることをする。
ひとたび手術を受けることを決心した春名さんは、手術直前まで体力と免疫力を高めるために自分でできることを続けます。
手術は患者と医師の共同作業である。医師がよい手術をしてくれても、患者が体調を整えておかないと、合併症や感染症を引き起こす可能性が高くなる。
としています。
では具体的にどのようなことをしていたのでしょうか?手術に臨むまでの春名さんの1日のスケジュールを紹介します。
5時 起床。医大グラウンドで朝日を拝み、深呼吸。早朝の気功。野球やテニスの早朝練習を見ながら、自分も負けずに元気をもらうイメージで気功をする。
6時半 誰もいない面会室に入り込み、テレビをつけてラジオ体操をする。その後、ストレッチをしてからだを柔軟にする。
7時 ベッドにもどり、三井式のハンディ式温熱療法器でからだを温め、血行をよくする。がんは熱に弱いと聞いていたので、背中の肝臓、腎臓のあるあたりから始めて全身を温め、最後に患部を、がんが消えるように願いながら温める。
8時 朝食。早朝からしっかりと運動しているのでおいしくいただく。
9時 回診
10時 病院の階段を登り降り、踊り場でストレッチ、呼吸法などをする。天候がよいときはグラウンドで郭林新気功や樹林気功をする。
12時 昼食
13時 散歩、昼寝。
15時 読書。主に帯津先生、伊丹先生の本をよく読んだ。読まないのは悲劇で終わる本。
17時 夕食。
18時 散歩。今日一日が無事に過ぎたことに感謝。一日一日得をした気分だった。
20時 温熱療法。
21時 就寝。心の中で、からだの部分一つ一つに「ありがとう」と言い、「明日も必ず生きるぞ」と細胞に言い聞かせて眠りにつく。
・・・・・・
毎日運動していたことが功を奏して、入院中にもかかわらず、体力が付いてきた。それどころか、筋肉質になり、体調もすこぶるよくなった。
このように、春名さんは規則正しい生活、運動、イメージ療法、呼吸訓練、温熱療法、栄養管理された病院食など、入院中にもかかわらずできることを全てやってから手術に臨んだのです。
はからずも以前このブログで紹介したプレハビリテーションの要素をパーフェクトに満たしています。
がんの手術を受けるみなさんへ、プレハビリテーション(予防的リハビリテーション)のすすめ!
この努力のおかげで、大手術と術後1週間の植物状態を無事に乗り切り、大きな合併症なく退院できるまで回復するのです。
3.手術後もがん根治をめざし”攻めの養生”を続ける
がんは生活習慣病と言われています。たとえ手術で一時的にがん細胞が消え去ってたとしても、以前と同じような生活を送っていれば、いずれがんが再発するか、あるいは新たながんが発症する可能性が高いと考えられます。
春名さんも、がんになった原因として、子供の頃からのトラウマ、仕事や人間関係のストレス、および生活習慣の乱れを挙げています。
がんになる前は、ストレスから、食べ物は普通の刺激では物足りなくなっていた。
次第に「超」がつくほど甘いもの、辛いもの、とにかく頭にガツンとクルほどの刺激物を好むようになった。
毎夜、ケーキを食べ、激辛のあてで酒を痛飲する。
いまから考えると「早くがんになってください」と願っているようなものだった。
そして、がんを克服するためには生活習慣の改善が必要だと気づき、以下の「がんを治す十か条」を実践します。
がんを治す十か条
1.がんは生活習慣病なので生活を正す。
2.ストレスをためない。
3.どんな出来事も笑いに変えて楽しむ。
4.からだに良い食べ物を腹八分。
5.早寝早起きと適度な運動。
6.快食、快眠、快便。
7.からだを温める。
8.無理にでも笑う。
9.何事もあるがままに受け入れて生きる努力する。
10.健康食品は戦略を立てて使う。
春名さんは術後も休むことなくがん根治に向けた生活習慣の改善、いわゆる”攻めの養生”を続け、10年以上も再発なく、見事にがんを克服されました。
現在は「もう一度命をいただけたら、困っているガン患者さんのためにお役に立ちます。」という神様との約束を果たすべく、講演会などで体験を語り、話を聞く毎日を過ごされています。春名さんのブログがこちらです。
この春名さんのがんに向き合う姿勢、治療の判断、そして不屈の意志をもって自らがん治療を遂行する姿は、がん治療の理想像として非常に参考になると思いました。
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