夜食はがん再発の原因となる?夜間の絶食時間と乳がん再発率との関係
毎日の生活のなかで、夕食の時間が遅くなったり、夕食が早かったら小腹が空いて、寝る前に間食(夜食)を食べることってありますよね。
夜食は肥満や糖尿病の原因になることはよく知られています。
しかし、夜食とがんとの関係についてはご存じない方が多いと思います。
じつは、最近の報告によると、夜間に食事をとることは、がんの再発リスクを高める可能性があるらしいのです。
今回は夜食とがんとの関係について解説します。
夜間の絶食時間と乳がん再発率との関係
このほど、夜間の絶食時間と乳がん患者の予後(再発率)との関係を調べた大規模な研究結果が、有名な腫瘍学の医学雑誌、JAMA Oncology(ジャマ・オンコロジー)に報告されました。
米国カリフォルニア大学サンディエゴ校の研究チームは、1995年から2007年までの約12年間に、早期乳がん患者2413名(平均年齢52.4歳)について食事調査を行い、夜間の絶食の長さと乳がん再発率との関係を調べました。
その結果、「夜間の絶食時間が13時間未満であった女性では、13時間以上であった女性に比べ、再発率が36%高かった」とのことです。
また乳がんによる死亡率に関しては、13時間未満であった女性では21%高かったが、統計学的な有意差は認められませんでした。
この研究ではがんの再発だけではなく、糖尿病についても調査していますが、夜間の絶食時間が増えるごとに、血糖値(糖尿病)のマーカーであるHbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)が低下していたとのことです。
最後に、夜間の絶食時間が長い女性では、睡眠時間が長かったとのことです。
つまり、夜間の絶食が長い女性の方が、血糖値のコントロールが良好で、夜間の睡眠時間が長く、乳がんの再発率が低いという結果でした。
夜食(短い夜間絶食時間)ががんを悪化させる理由
まだ明確な原因はあきらかにはされていませんが、夜食を食べること(短い夜間絶食時間)ががんの進行や再発につながる理由として、次のことが考えられています。
など、いろいろな理由が考えられています。
すすめられる夜間絶食のスケジュール
では、がん再発のリスクを減らすためには、具体的にはどうすればいいのでしょうか?
基本的には、「夜8時以降は何も食べない、そして朝は9時以降に朝食をとる」というスタイルがいいでしょう。ちなみに、夕食がおそい方は「夜10時以降は食べない、朝は11時以降にとる」といった具合にずらしてみましょう。
これにより、先ほどの研究でも使われている基準値である、夜間13時間の絶食時間を保つことができます。
どうしても夜間にお腹がすいた場合には、血糖値が上昇しにくく、かつ消化のよいものを少量だけ食べましょう。
たとえば、
ヨーグルト(無糖)
チーズ
ナッツ
アボカド
ただし、食べ過ぎには注意してください。
まとめ
まとめると、夜間の絶食を長くすることは、血糖値の上昇を抑え、乳がんだけではなく、他のがんでも再発リスク軽減につながる可能性があると考えられます。
がん患者さんには、食べるものだけではなく、食べる時間にもこだわっていただきたいですね。
キーワードは、「夜8時以降は食べない!」と「朝食はおそめに!」ですね。比較的簡単にできることですので、ぜひ習慣にしてください。
参考文献
1. Marinac C. R., Nelson S. H., Breen C. I., Hartman S. J., Natarajan L., Pierce J. P., Flatt S. W., Sears D. D., Patterson R. E. Prolonged Nightly Fasting and Breast Cancer Prognosis. JAMA Oncol. 2016.
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