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クラウドファンディング「手術待ちを準備期間へ」ご支援のお願い

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このたび、2月3日より「手術待ちを、準備期間へ」というタイトルのプロジェクトで、クラウドファンディングに挑戦します。

このプロジェクトは、がんの手術を控えた患者さんへの「手術前から自分で始められる準備」について知っていただくことを目的としています。

具体的には、ご支援いただいたお金で、無料のガイドブックと動画を作成して、手術前の過ごし方についての情報を、がん患者さんに利用していただくことを計画しております。

新型コロナウイルス感染拡大によるがん手術(治療)の遅れ

現在、全国の多くのがん患者さんが、不安を抱えたまま手術などの治療を待っていただいている状況だと思います。当院でも、入院や手術症例数を制限せざるを得ない状況が続いており、がん患者さんの手術までの待ち時間が長くなっております。

手術が延期となった患者さんは、おそらく、がっかりされたり、心配なまま、毎日をすごされていることだと思います。

そこで、今回「新型コロナウイルスの影響でがんの手術が延期となった患者さんを励ましたい」という気持ちでこのプロジェクトを立ち上げることにしました。

クラウドファンディング事業の内容

今回のプロジェクトのテーマとなるのが、プレハビリテーションです。

手術は、もちろん外科医がするのですが、じつは、患者さんとの共同作業なんです。
つまり、患者さんにとって術後の回復をより早く、より安全なものにするためには、術前からの準備が必要なんです。

この、術前からの準備を「プレハビリテーション(手術前のリハビリ)」といいます。

プレハビリテーションは、おもに運動、食事の工夫と栄養サポート、そして、心のケアから構成されます

これまでの研究によると、例え短期間でもプレハビリテーションを行うと、術後の回復が早くなって入院期間が短くなるというデータや、合併症が減るというメリットも報告されています。

最近の、大腸の手術を受けるリスクの高い患者さんを対象としたランダム化比較試験では、プレハビリテーションによって、術後の合併症が、72.4%から42.9%まで減っていたとのことです。

ただ、がん患者さんは、こういった情報をご存じないと思います。

そこで、全国のすべてのがん患者さんに、プレハビリテーションの重要性と、具体的なプレハビリテーションの方法について知っていただくために、今回のプロジェクトを立ち上げました。

がん患者さんが、このガイドブックや動画を参考にすれば、自宅で待機されている間に、プレハビリテーション、および、手術前にしておいたほうが良いことを実践できるようにします。

がんの手術や治療が延期になったとしても、準備期間ができたとポジティブに、「ピンチをチャンスに変えられる」と考えています。

皆様のあたたかいご支援のほどよろしく御願い申し上げます

手術や治療を待っておられる全国のがん患者さんに、少しでも希望を与えることができるプロジェクトだと考えております。

ぜひ、皆さんに応援いただきたいと思います。

何卒よろしくお願い申し上げます。

  • この記事を書いた人

佐藤 典宏

医師(産業医科大学 第1外科 講師)、医学博士。消化器外科医として診療のかたわら癌の基礎的な研究もしています。 標準治療だけでなく、代替医療や最新のがん情報についてエビデンスをまじえて紹介します。がん患者さんやご家族のかたに少しでもお役に立てれば幸いです。

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