がん患者さんのための食事療法:しょうが(生姜)のすすめ
古くからショウガ(しょうが、生姜)は生薬(漢方薬)の原料として使われてきました。
風邪をひいた時にのむ葛根湯(かっこんとう)などが代表的ですね!
またショウガは基礎代謝を亢進し、ダイエットに効果があるといわれていますね。
実は、ショウガはがん患者さんにとっても役に立つ食べ物なんです。
ショウガの効能
基礎代謝の亢進、体温の上昇
ショウガに含まれるジンゲロール(Gingerol, ギンゲロール)は、基礎代謝をアップし、血行をよくして発汗をうながしたり、体温を上げる効果があります。
たしかにショウガを食べるとからだがポカポカしてきますね。
発汗によってからだにたまった老廃物(活性酸素など)が排出され(デトックス効果)、また体温の上昇によって免疫力も高まる可能性があるため、がんの予防や治療に効果が期待できます。
消化管機能の改善、食欲改善
ショウガは胃腸をととのえ、いろいろな消化管の症状(腹痛、ガス、鼓腸、胸焼け、下痢、食欲不振、食後の不快感)を改善することより、以前より漢方薬として使われてきました。
がん患者さんでは、食欲不振や、抗がん剤治療などに伴う吐き気など消化管の症状がでることがありますが、ショウガはこれらの症状に対して効果があると期待されます。
抗がん作用(抗腫瘍効果)
これまでに、ショウガのがんに対する効果について多くの研究が報告されています。
例えばがん細胞をつかった実験では、ショウガ(あるいはその抽出液や成分)は、肝臓がん、膵臓がん、胃がん、大腸がん、胆管がん細胞を直接殺したり、増殖を抑制したりすることが報告されています。
さらに、マウスやラットなどの動物を用いた実験においても、ショウガは肝臓がん、膵臓がん、大腸がん、胃がんなどの成長をおさえたり、転移を食い止める効果があったと報告されています。
ショウガによるこれらの抗がん効果は、抗酸化作用、がん細胞のアポトーシス(プログラムされた自殺死)誘導や、抗炎症作用(NF-κBなどの炎症性のマーカーの阻害作用)と関連していたとのことです。
以上より、細胞や動物実験レベルでは、ショウガにはがんの発生を抑制する作用や、がんの進行を阻止する効果があるようです。
ただし、現在までのところ実際に人を対象としたショウガの抗がん作用についての研究(臨床試験)はほとんど見当たりませんでした。今後のさらなる研究が待たれるところです。
抗がん剤の副作用(吐き気、嘔吐)を軽くする効果
最後に、ショウガの抗がん剤による副作用を軽くする効果についてです。
抗がん剤治療中の乳がんの患者さんを対象とした比較試験があります。
60名の乳がん患者のうち、抗がん剤治療サイクルの最初の3日間、ショウガを摂取するグループ(30名)としないグループ(30名)に分け、副作用について調べました。
その結果、ショウガは抗がん剤による吐き気および嘔吐の症状をあきらかに改善したとのことです。
さらに最近の報告では、抗がん剤治療の前にがん患者さんにショウガ抽出液を投与したところ、プラセボ群と比べて血液中の抗酸化活性が高まり、逆に酸化ストレスのマーカーは減少したということです。要するにショウガの抗酸化作用が抗がん剤の副作用を軽減している可能性があります。
このように抗がん剤の副作用を軽くすることは、がんの治療でとても重要です。というのも、副作用をできるだけ抑えて治療が長く継続できれば、がんに対する治療効果も高まるからです。
ショウガの効能まとめ
以上より、ショウガは基礎代謝の亢進、発汗によるデトックス効果、体温上昇による免疫力を高める作用、抗がん作用、抗がん剤副作用の軽減などさまざまな効果が期待でき、がんの予防また治療において役に立つ食物であると考えられます。
ぜひ毎日の食事やサプリメントからとりいれたいですね!
ショウガのとりかた
さて、ショウガをおいしくいただく食べ方を紹介します!
ホットジンジャー(しょうが湯)
しょうが紅茶
しょうが入りグリーンスムージー
冷や奴にのせて
かつおのたたきや刺身の薬味として
うどんの薬味として
豚の生姜焼き
美味しそうですね!生姜をつかったレシピ、いろいろと試してみてください。
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