トマトを食べましょう!リコピンが卵巣がんの増殖と転移を抑制
昔からトマトはからだにいい食べ物と言われてきました。
トマトには強い抗酸化作用をもつリコピンというカロテノイド(自然に存在する色素)が含まれており、美肌効果、老化防止(アンチエイジング)にくわえ、様々な生活習慣病の予防に効果があることがわかっています。
トマトを大量に消費するイタリアは長寿国として知られてますし、海外での10年以上にわたる研究では、トマトをたくさん食べる(血液中のリコピン濃度が高い)人は、脳卒中のリスクが50%以上も低かったと報告されています。
リコピンには、このような生活習慣病を防ぐ効果だけでなく、がんの予防や抗がん効果もあることが分かってきました。今回、リコピンが卵巣がんの増殖と転移を抑制するという動物実験ンのデータが報告されました。
リコピンによる卵巣がんの予防および治療効果について
この研究では、マウスの卵巣がん予防モデルと治療モデルを用い、リコピンの抗がん効果について検討しています。
マウスの腹腔内(ふくくうない)に卵巣がん細胞を移植し、腫瘍と腹膜転移の量について計測しました。
予防モデルでは、がん移植の2週間前からリコピンを投与し、治療モデルではがん移植後の4週間目からリコピン投与を開始しました。コントロールとしてプラセボ(偽薬)が投与されました。
治療モデルでは、リコピンだけを投与するグループに加え、卵巣がんの治療に使われている抗がん剤(タキソールとカルボプラチン)との併用効果についても評価しました。
結果を示します。
以上の結果より、リコピンは卵巣がんの予防および治療に有効であることが示されました。特に、リコピンを通常の抗がん剤との併用によって治療効果を高めることが確認されました。
リコピンががんに効くメカニズム
さて、リコピンがどのようにしてがんの発症や進行を阻害するのでしょうか?これまでの研究では、以下のようにリコピンのがんに対するいくつかの作用メカニズムが報告されています。
このうち、とくに血管新生(がん細胞が血管をつくる物質を放出し、栄養を運んでくれる血管をおびき寄せること)は、がんの発育にとても重要な条件であり、これを阻害することはがんを予防または治療するうえで非常に効果的です。
実際にリコピンを多く摂取する人では、前立腺がんの発症率が有意に低いことが報告されていますが、このような人たちに発生した前立腺がんでは、がん組織中の血管新生(血管の数など)が明らかに少なかったとのことです。
リコピンの必要な摂取量
がんの予防や治療のためにはどのくらいリコピンを摂取するのがいいのでしょうか?
リコピンの1日の摂取目安量は、15~20mg程度だそうです。
大きめのトマトには1個で7~8mgのリコピンが含まれていますので、1日にトマト2個を食べればよいことになります(ちょっと多いですね)。
トマトジュースの場合、10ccに1mgのリコピンが含まれていますので、1日200cc飲めばよいことになります。
また、意外にもスイカにもトマトと同じくらいのリコピンが含まれていますので、夏はスイカがいいですね。
ちなみに、カゴメ株式会社総合研究所によると、トマトを加熱調理することにより、リコピンの体内への吸収・蓄積が増加するとのことです。
つまり、トマトの加熱調理や、加熱調理したトマト加工品(トマトケチャップやミートソースなど)の利用で、リコピンを効率的に体に取り込めることが期待できます。
トマトやトマトジュースが苦手な人は、高濃度リコピンのサプリメントも販売されていますので、こちらを利用するのもいいでしょう。
トマトを上手にとってがんの予防・治療に役立てましょう!
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