近年、大腸がんや膵臓がんをはじめとして消化器がん患者が急増しています。早期がんに対しては、手術を中心とした治療によって根治も可能であり、治療成績(生存率)も比較的良好です。一方で、進行がん患者の予後は依然として厳しい状況です。
新しい抗がん剤や分子標的薬の登場により、進行がんに対する薬物療法は飛躍的な進歩をとげつつあります。しかしながら、がんが進行するにつれて、多くの患者さんがカヘキシア(悪液質)という栄養状態の悪化をきたし、最終的に治療を続けられなくなるといった問題もクローズアップされています。
特に、消化器がんの患者さんではカヘキシアが直接的な死因となることが多いため、栄養状態を良好に保つことが予後を改善するためには必要になります。
今回、カヘキシアを伴う消化器がんに対して、フィッシュオイル(オメガ3脂肪酸)が豊富な栄養補給が予後を改善するというデータが日本の研究グループから報告されました。
化学療法中の消化器がん患者に対するフィッシュオイルが豊富な栄養補給の効果
抗がん剤治療(術後補助または緩和的化学療法)を受けている消化器がん(食道がん、胃がん、大腸がん、胆道がん、膵臓がん)患者128人を対象とした臨床研究です。
全例で5%以上の体重減少を認め、カヘキシアを伴っていました。
これらの患者を、フィッシュオイルを豊富に含む経口栄養補給を摂取するグループ(フィッシュオイル栄養補給群)と摂取しないグループ(コントロール群)に振り分けました。
最終的に37人(29%)がフィッシュオイル栄養補給群、残りの91人がコントロール群となりました。
栄養補給群とコントロール群について、以下の項目について比較しました。
1.炎症のマーカ-であるCRP(C-リアクティブ・プロテイン)値
2.骨格筋量
3.除脂肪体重
4.生存率
なお生存率については、CRPとアルブミン値で決まり、予後を予測するすぐれたスコアであるグラスゴー予後スコア(GPS)によって患者を分類して生存率を比較しました。
結果を示します。
以上の結果より、特に予後不良と予測されるグラスゴー予後スコア1または2の患者において、フィッシュオイルが豊富な栄養補給によって、炎症が抑えられ、骨格筋量および除脂肪体重が増加し、最終的に生存率が上昇するという結果でした。
オメガ3脂肪酸が豊富な栄養補助食品/サプリメント
上記の研究結果のように、オメガ3脂肪酸(特にEPA)には炎症を抑える作用、カヘキシアを予防してがん患者さんの体重を維持する作用、抗がん剤の効果を高めて生存率を改善する効果が証明されつつあります。
以下のような患者さんに特にオメガ3脂肪酸が有効だと思われます。
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