がんの再発はどんな検査で診断するのか?消化器がんの場合

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がんの治療で最も問題となるのは、やはり「再発」です。

「再発するか・しないか」によって、がん患者さんの運命が決まるといっても過言ではないでしょう。がんが再発すると治療が難しくなり、完治する可能性は低くなります。

せっかく手術や放射線治療をのりきっても、がん再発のリスクは常につきまといます。

今回は、がんの再発について、(おもに消化器がんの術後という設定で)どのくらいの期間、どんな検査でチェック・診断するのかを解説します

がんの再発とは?

国立がん研究所 がん情報センターによると、「再発」は以下のように説明されています。

「再発」とは、治療がうまくいったように見えても、手術で取りきれていなかった目に見えない小さながんが残っていて再び現れたり、薬物療法(抗がん剤治療)や放射線治療でいったん縮小したがんが再び大きくなったり、別の場所に同じがんが出現することをいいます。

治療した場所の近くで再発を指摘されるだけでなく、別の場所で「転移」としてがんが見つかることも含めて再発といいます。

つまり、「治療後(または治療中)に、いったんは消失あるいは縮小したがんがぶり返す」ことです。

がん再発のパターンには、以下のものがあります。

  • 局所再発:局所(最初にがんがあった場所付近)に再発し、大きくなる
  • リンパ節再発:リンパ節に転移したがんが大きくなる
  • 腹膜播種(ふくまくはしゅ):おなかの中に散らばるようにがんが広がる。進行すると腹水がたまることがあります
  • 遠隔転移:血管に入り、遠くの臓器に転移したがんが、大きくなる

ちなみに最初のがんを治療した後に、別のがんが新しくできることは再発とはいいません。

再発しやすいがんとは?

一般的に、ステージのすすんだ進行がんは、早期のがんにくらべて再発しやすい傾向にあります。

具体的には、以下のようながんは再発しやすいと報告されています。

  • サイズが大きながん
  • リンパ節転移があった(または個数が多かった)がん
  • 分化度が低い(通常の細胞からかけ離れた)がん
  • 切除した標本の顕微鏡検査で、血管やリンパ管に入り込んでいたがん
  • 手術前に腫瘍マーカーが高いがん

また、がんの種類でいえば、膵臓がん、胆道がん(胆管がん、胆嚢がん)、食道がんなどは再発しやすいがんです。

どうやって再発をチェック・診断するのか?

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腫瘍マーカー

治療前に腫瘍マーカーが高い場合、治療後の再発予測に腫瘍マーカーを測定します。

たとえば、胃がんや大腸がんの場合、CEAやCA19-9を測定することが一般的です。

ば手術などの治療後にいったんは下がっていた腫瘍マーカーが、上昇してきた場合、再発を疑います

ただ、中にはがんと関係なく腫瘍マーカーがずっと正常値より高い人もいますので、必ずしもがんの再発と関係ない場合もあります。

超音波検査

肝臓など、おなかの臓器などを調べる検査として超音波検査が用いられます。

CTやMRIと比べると検出率は低いですが、放射線被曝の問題がないため侵襲(体への負担)が少なく、ベッドサイドで手軽に行えるというメリットがあります。

超音波検査で再発が疑われた場合、CTなど追加の検査を行うことが一般的です。

CT(MRI)検査

再発のチェック・診断に最もよく用いられる検査として、CT(あるいはMRI)検査があります。

全身の実質臓器やリンパ節など詳しく検査することができるため、がんの局所再発、リンパ節再発、遠隔転移などが評価できます

その他:シンチグラフィーやPET-CTなど

がんの種類によっては、シンチグラフィーやPET-CT検査が行われることがあります。

再発チェックはどのくらいの期間必要?

一般的に、がん再発のリスクは5年間(乳がんなどでは10年)といわれています。もちろん、それ以降に再発することもありますが、非常に少なくなります。

たとえばがんの手術後、少なくとも5年間(あるいは10年間)は定期的な再発チェック(フォローアップ)を続けるのはこのためです。

また、がんの種類にもよりますが、最も再発が多いのは、治療後1~3年以内です。

したがって、最初の1~3年間、再発がなければ、その後に再発する可能性は少なくなります。

再発がんに対する治療の選択肢は増えている

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すこし前までは、再発がんに対する治療法は限られており、効果もあまり期待できませんでした。

しかし、最近では抗がん剤、分子標的薬、さらには免疫チェックポイント阻害剤など、再発がんに対しても治療の選択肢が確実に増えてきました

たとえば大腸がんでは、再発した症例に対しても、2次・3次だけでなく、4次治療、あるいは5次治療まで使える薬(レジメン)が登場しています。

また、標準治療の範囲では適応となる治療法がなくなった場合でも、代替療法や先進医療を含めた非標準治療を試すことも可能です

たとえ再発が見つかったとしても、決してすぐにあきらめる必要はないのです。

 


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