がんに効く野菜「にんにく」の発癌を抑える作用

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にんにくが体によいことはよく知られていますが、消化器がんなどの悪性腫瘍の予防にも効果があるといわれています。

事実、アメリカの国立がん研究所で1990年にまとめた「デザイナーフーズ(がんの予防に効果のある食品(主に野菜や果物)」のうち、にんにくはピラミッドの頂点として最もがん予防に効果がある食品群に分類されています。

にんにくには二硫化アリル(ジアリルジスルフィド)という成分が含まれており、抗酸化作用や抗炎症作用を介してがんの発生を抑えると考えられています。

では実際にはにんにくのがん予防効果を証明した研究はあるのでしょうか?

今回、マウスの大腸がん発生モデルを使った二硫化アリルのがん予防効果についての実験結果を紹介します。

大腸発がんモデルにおけるにんにく成分(二硫化アリル)のがん予防効果

米国の国立がん研究所の研究チームは、にんにくの成分である二硫化アリルの大腸がん予防効果について調査しました。

Diallyl Disulfide (DADS), a Constituent of Garlic, Inactivates NF-κB and Prevents Colitis-Induced Colorectal Cancer by Inhibiting GSK-3β. Cancer Prev Res (Phila). 2016 Jul;9(7):607-15. doi: 10.1158/1940-6207.CAPR-16-0044. Epub 2016 May 2.

大腸がん細胞の実験

まず、試験管内(in vitro)で大腸がん細胞に二硫化アリルを加え、生存率への影響を調べました。

■ 二硫化アリルは、用量依存的に大腸がん細胞(SW480)の生存率を低下させることがわかりました(濃度が高ければ高いほど効果が高い)(下図)。

二硫化アリル大腸がん細胞生存率

■ また、二硫化アリルは、がん細胞の悪性度の指標の1つである、コロニー形成(足場依存性増殖=細胞外基質(足場)に接着しなくても生存し増殖する能力)を阻害しました(下図)。

二硫化アリル大腸がん細胞コロニー形成

以上より、二硫化アリルは試験管内での大腸がん細胞の生存とコロニー形成を阻害する作用があることが示されました。

マウスにおける実験

次に、マウスに強力な発がん物質であるアゾキシメタン(AOM)と、大腸炎を起こす物質であるデキストラン硫酸ナトリウム(DSS)を投与し、大腸炎を伴う大腸発がんモデルを作成します。

このマウスに、にんにくの成分である二硫化アリルを85 ppm(ヒトに換算すると一日60 mgの摂取に相当)食事に混ぜて与え、がんの予防効果、大腸の炎症の程度、およびそのメカニズムについて調査しました。

結果を示します。

■ 二硫化アリルの投与群では、コントロールと比較し、マウスの大腸がんの発生率が21.54%減少、大腸がんの数が47.3%、および大腸がんの総量が66.4%減少していた。

■ 二硫化アリルの投与群では、コントロールと比較し、大腸炎の改善がみられ、体重減少の回復が有意に早かった。

■ 二硫化アリルの投与群では、炎症による発がんのマーカーであるNF-κB(エヌエフ・カッパー・ビー)とCOX-2(コックス・ツー)の発現を抑制していた。

■ さらにこの二硫化アリルによるNF-κBの抑制には、GSK-3βの阻害が関係していた。

以上の結果より、二硫化アリルはGSK-3βシグナル経路を阻害することによってNF-κBの活性化を抑え、大腸の慢性炎症によって引き起こされる大腸がんの発生を予防することが示されました

まとめ

ニンニクはがん予防で最も有効な食べ物としてデザイナーズフーズのトップに君臨する食べ物です。

細胞や動物実験でもがんの抑制効果が確認されます。

ぜひ、毎日の食生活にニンニクを取り入れましょう。


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