がんに効くフルーツ:ブラックベリー(ラズベリー)が免疫力を高める
大腸がん(結腸・直腸がん)の発生や進展(浸潤・転移)には、食事が深く関与していることがわかっています。
例えば、野菜・フルーツなど食物繊維が少なく、肉(とくに加工肉)が多い食事が大腸がんのリスクを高めることが証明されています。
一方で、大腸がんを抑制する食べ物の研究もすすんでいます。
フルーツの中には、がんに効果のある成分(ポリフェノールなど)を含むものがあり、リンゴ、柑橘系フルーツ、ベリー類などが報告されています。特に、アントシアニンを含むベリー類には抗酸化作用、抗炎症作用、および血管新生阻害作用があるとされています。
今回は、ブラックベリー(ブラックラズベリー)が、免疫細胞(ナチュラル・キラー細胞)による攻撃力を高めることによって大腸がんを抑制するという実験結果を紹介します。
ブラックベリーがナチュラルキラー(NK)細胞の腫瘍への浸潤を促進し、大腸がんを抑制
1.マウスの大腸発がんモデルにおけるブラックラズベリーの効果
まずは、大腸がん(ポリープ)を発症する遺伝子改変マウス(Apc min/+ マウス)およびアゾキシメタン(発がん物質)による発癌マウスを用いて、ブラックラズベリーの大腸がんの抑制効果を調べました。
それぞれのモデルにおいて、通常の食餌あるいはブラックラズベリーを5%含む食餌を4週間与え、大腸に発生したポリープ(腺腫、癌)の数とサイズを比較しました。
結果を示します。
以上の結果より、マウスの大腸発がんモデルにおいて、NK細胞は大腸がんの進展を抑えており、ブラックラズベリーはこのNK細胞の腫瘍への攻撃力を高めることでがんの成長を抑えることが示されました。
2.大腸がん患者におけるブラックラズベリーの効果
研究者らは、20人の大腸がん患者を対象とし、ブラックラズベリーの効果について臨床試験を行い、ブラックラズベリーがさまざまながんに関係する遺伝子の発現を変化させることを報告しました(Clin Cancer Res. 2011 Feb 1;17(3):598-610)。
今回、この大腸がんの生検組織を用いて、ブラックラズベリーのNK細胞浸潤への影響を調べました。その結果、以下の所見が得られました。
まとめ
ブラックラズベリーはNK細胞によるがん免疫を活性化し、大腸がんの発癌および進行を抑制する可能性があることが示されました。
アントシアニンを含むベリー類には抗酸化作用、抗炎症作用、および血管新生阻害作用があることが報告されていました。
今回の研究では、ベリー類には免疫力を高める作用があることが示されました。
アントシアニンを含むベリーにはブラックベリーのほかにブルーベリー、ビルベリー、アサイーベリーなどがあり、とくにブルーベリーには強力な抗がん作用があると報告されています。
これらのフルーツを上手にとりたいですね。
応援よろしくおねがいします!
いつも応援ありがとうございます。 更新のはげみになりますので、「読んでよかった」と思われたら クリックをお願いします_(._.)_!
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓