膵臓がん:手術後すぐに再発する人しない人の違いとは?957例の解析より
要約:膵臓がん(膵癌)が手術後1年以内に再発する人は、術前に① 重い持病(併存疾患)があり、② 腫瘍サイズが3cmより大きく、③ 術前の腫瘍マーカー(CA19-9)が高い(>210 U/ml)ことが多かった。
膵臓がんの3年生存率がわずか15%であると発表されてました(国立がん研究所)。
なぜこんなに予後が悪いのでしょうか?
まずは、膵臓がんは、診断された時点で、手術ができないほど進行している患者さんが多いこと。
さらに、切除ができたとしても、早期に再発する人が多いことが問題となります。
先日亡くなった沖縄県の翁長知事も、ステージ2の膵臓がんに対して手術を受けましたが、術後数ヶ月で肝臓への転移が発覚したと報道されています。
膵臓がんの治療成績を高めるためには、術後早期に再発するリスクが高い人を選び、より強力な術前抗がん剤治療などを追加する必要があります。
では、どんな膵臓がん患者さんが、すぐに再発しやすいのでしょうか?
今回、アメリカにおける957人の膵臓がん患者を対象とした解析により、早期に再発する患者さんを予測する術前および術後因子が同定されました。
膵臓がんの早期再発の定義および予測因子
Defining and Predicting Early Recurrence in 957 Patients With Resected Pancreatic Ductal Adenocarcinoma. Ann Surg. 2018 Mar 23. doi: 10.1097/SLA.0000000000002734. [Epub ahead of print]
アメリカ(ジョンズホプキンス大学医学部ほか)からの報告です。
957人の切除可能であった膵臓がん患者を対象としました。
術後の観察期間(中央値:24.2ヶ月)中に、753人(78.7%)に再発を認めました。
再発(転移)部位は、複数箇所(多発)が最も多く33.6%、以下、局所のみが25.2%、肝臓のみが24.4%、肺のみが14.1%でした。
膵臓がん術後、早期の再発とは?(定義)
予後に最も差が出る再発までの期間は、12ヶ月(1年)でした。
すなわち、術後12ヶ月以内の再発(早期再発)と12ヶ月以降の再発(晩期再発)をグループわけすると、最も生存期間に差がでました。
したがって、術後12ヶ月以内の再発を早期再発と定義したところ、早期再発が388人(51.5%)、晩期再発が365人(48.5%)でした。
晩期再発グループの2年生存率が22%であったのに対し、早期再発グループの2年生存率はわずかに6%でした(P<0.001)。
早期再発の予測因子
早期再発の予測因子(どんな患者が1年以内に再発しやすいか?)を解析し、術前因子および術後因子として以下の結果を得ました。
● 重い持病(併存疾患)がある(年齢調節チャールソン併存疾患指数 ≧ 4)
● 腫瘍サイズが3 cmより大きい
● 術前の腫瘍マーカー(CA19-9)が高い(> 210 U/ml)
● がんの分化度が低い(正常の細胞からかけ離れている)
● 顕微鏡検査でリンパ管や血管にがんの浸潤あり
● リンパ節転移が多い
● 術後の腫瘍マーカー(CA19-9)が正常より高い(> 37 U/ml)
早期再発のリスクを下げる因子
逆に、早期再発のリスクを下げる因子は次のようなものでした。
● 術後補助化学療法
● 術後補助放射線化学療法
つまり、術後に何らかの補助療法ができると、再発を遅らせることができる可能性があるという結果でした。
まとめ
膵臓がんでは、およそ半数の患者さんは1年以内に再発しており、予後不良でした。
手術後1年以内に再発する人の特徴として、術前に① 重い持病(併存疾患)があり、② 腫瘍サイズが3cmより大きく、③ 術前の腫瘍マーカー(CA19-9)が高い(>210 U/ml)という結果でした。
このような早期再発のリスクの高い人には、術前および術後により強力な化学療法(抗がん剤)や放射線治療などの補助療法を追加する必要があると考えられます。
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