がんに対する準備してますか?余命半年の進行がん患者となった外科医からの教訓
がんの告知は時と場所を選ばず、そして誰にでも訪れます。そんなことを改めて感じさせる本があります。
「がんの外科医が、一晩でがん患者になってからしたこと」を克明に綴った著書、「余命半年、僕はこうして乗り越えた!」です。
この本のなかで著者の西村氏は、自らにふりかかった突然の進行がん告知と治療の経験を踏まえ、「がんと診断される前にやるべきこと」について詳しく記しています。
今や2人に1人ががんになる時代です。いつ、あなたや最愛の家族が「がんの告知」を受けるか誰にもわからないのです。
その時になって慌てないためにも、がんに対してできるだけの準備することが大切です。
今回は、西村氏の貴重な教訓を紹介します。
がんの外科医が一晩でがん患者になってからしたこと
現役の外科医である西村元一さん(当時57歳)は、勤め先の病院で、突然の気分不良とタール便(下血)におそわれます。緊急入院となり、内視鏡やCT検査の結果、肝臓とリンパ節への転移をともなう胃がんで、根治不能ともいえる進行がんの診断でした。そして治療のため大学病院へ救急車で転院になります。
たった一晩にして進行がん患者になった西村氏は、このときの気持ちを次のように回想しています。
昨日まで漠然と考えていた将来像が崩れ去っていきます。
57歳となり、臨床以外にも社会的な役割が高まり、あと10年ほどの現役の間に、自分のスキルをどのように高めようかと考えたり、プライベートでは、子どもも巣立っていったので、今後は夫婦2人で何かを始めたいなどと考えたり。
現役を引退する頃には、おそらく子どもたちは結婚し、孫ができ、家族も増え、そして老後は・・・・・・と、この先に人生の道がまだまだ続くことに、なんの疑問も持っていませんでした、この日まで。
この後、西村氏は抗がん剤治療と手術を受けます。抗がん剤の副作用や手術の後遺症に苦しみながらもなんとか乗り切り、何も治療をしなければ余命半年の状態から、1年目を迎えることができます。
がんの治療をしていた医師の立場から、一転がん患者になった西村氏が経験したり感じたことは、医療者側と患者側の双方の気持ちに基づく非常に貴重なものです。
私も西村氏と同じ外科医ですので、身につまされる思いでこの本を読ませて頂きました。
がんと診断される前にやるべきこと
西村氏のように、がんは誰にでも突然やってきます。今日や明日、あなたや家族が突然がんの告知を受ける可能性があるのです。
ですので、その時に慌てないためにも、がんに対して準備や対策をすることが大切です。
この本の巻末付録で、「がんと診断される前にやらないといけないこと」がまとめられています。とても参考になると思いましたので、私の意見も交えて紹介させていただきます。
自分ががんになったらどうしたいか考えておく
西村氏は、まずはがんに興味を持つこと、そして自分が(あるいは家族が)がんになったらどうしたいか(どう生きたいか)を考えておくべきであると述べています。
例えば、エンディングノートなどで家族の間で情報を共有しておくことも良い方法であるとしています。
かかりつけ医を持つ
いきなり大きな総合病院や大学病院を受診するのは敷居が高く、ついつい症状があっても病院を受診しないことが多いと思います。
西村氏は、自分の身体のことをいつでも相談できる、かかりつけ医(もしくは身近な医療職)を持つと非常に助かると述べています。
ほとんど病院に行かない方でも、できれば近くに信頼できる内科(女性では婦人科も)のかかりつけ医をみつけてください。
がん検診またはがんドックを受ける
西村氏は根治不能の進行がんの診断を受けました。もちろん進行がんでも治療によって治ることもありますし、進行をくいとめることも期待できます。
しかし、がんは早期で発見されればより完全に治る可能性が高い病気です。
そこで、西村氏が述べているように、
がん検診かがんドックはぜひ受けましょう。自家用車でさえ定期的に車検に出します。それを考えると検診やドックは決して時間やお金の無駄ではありません。
まずは、お住まいの市町村のがん検診を調べてみましょう。
ほとんどの市町村では、がん検診の費用の多くを公費で負担しており、一部の自己負担でがん検診を受けることが出来ます。
がん保険に入る
やはり、がん治療にはお金がかかります。西村氏はがん保険に入っておくことをすすめています。
また、私個人の意見としては、経済的な余裕があれば、先進医療保障付きの保険に入っておいた方がいいと思います。
現在、様々な固形がんに対して重粒子線治療や陽子線治療が先端医療として行われています。これらの治療はかなり高額になりますので、先進医療もカバーできる保険に入っておくと安心です。
ちなみに重粒子線治療が適応となるのは、頭頸部腫瘍、肺腫瘍・消化管腫瘍、肝胆腫瘍、泌尿器腫瘍、乳腺・婦人科腫瘍又は転移性腫瘍(いずれも根治的な治療法が可能なものに限る)です。
一方、陽子線治療が適応となるのは、頭頸部腫瘍、肺腫瘍・消化管腫瘍、肝胆腫瘍、泌尿器腫瘍、乳腺・婦人科腫瘍又は転移性腫瘍(いずれも根治的な治療法が可能なものに限る)です。
とくに進行がんの場合、標準治療だけでは限界があるため、先進医療という選択肢を持っておくことはとても重要です。
以上、「がんと診断される前にやるべきこと」でした。もしよかったら、今日からでも始めてみませんか?
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