『このがん治療でいいのか?と悩んでいる人のための本』が出版されました!
2019年3月29日、私の3冊目の著書、『このがん治療でいいのか?と悩んでいる人のための本』が出版されました。
サブタイトルは「読むセカンドオピニオン」です。
皆さんは、今のがん治療に満足してますか?
また、今受けている治療がベストかどうか知ってますか?
がん治療が進歩、多様化し、選択肢が増えつづけている昨今、ますますがんについての正しい情報が必要です。
そこで、がんの治療で悩んでいる全ての人に、「エビデンスに基づいたひとつの答えを示したい」という思いで書きました。
セカンドオピニオンを考えている人に、まず読んで頂きたいと思います。
本書では、100を超える論文(エビデンス)に基づき、27のがん治療にまつわる疑問にこたえます。
『このがん治療でいいのか?と悩んでいる人のための本』の内容紹介
本書の内容を目次に沿って一部紹介します。
【治療編】
〈手術〉
- 遠くても手術数の多い病院
- 手術日による生存率
- 「切らない」という選択肢
- 執刀医の性別や年齢による手術後死亡率
- 専門性の高さの重要性
- 術後の痛み
〈化学療法〉
- 抗がん剤治療開始時の免疫細胞の量
- 抗がん剤の副作用
- 抗がん剤治療によるダウンステージング
- 免疫チェックポイント阻害剤
〈放射線治療〉
- 手術の前後の抗がん剤治療や放射線治療
- 第一選択としての放射線治療
【生活指導編】
〈食事〉
- 抗がん剤治療中の魚介生もの、外出
- 抗がん剤の副作用の吐き気を軽くする食べ物
- 本当にがんに効く食べ物はあるのか
- がん治療のカギを握る腸内細菌
〈運動〉
- 運動ががん治療に必要な理由
- 手術前の握力や歩く速度
- 抗がん剤治療と筋肉量の関係性
このうち、エビデンスの一部を紹介します。
通常、遠くの臓器に転移をみとめるステージ4の進行がんの場合、手術ではなく、抗がん剤治療が選択されます。
これまでは、この抗がん剤治療は延命目的と考えられていました。
ところが最近では、強力な抗がん剤治療の出現により、がんが小さくなったり、転移がみえなくなって、ステージが下がるケースがでてきました。
この場合、当初は予定していなかった手術が可能となる場合があります。
これをコンバージョン手術といいます。
最近の報告によると、胃がんや膵臓がんでコンバージョン手術が可能となった症例が増え、5年以上の長期生存例もでてきました。
今後、このようなステージが下がることによるコンバージョン手術がますます増えることが期待されています。
まとめ
本書では、がんの治療を受ける上でとても重要な問題を取り上げましたが、実際には多くの人が知らないこともあると思います。
がん治療についての正しい情報を知り、賢くがん治療を受けていただければ幸いです。