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がん患者さんにおすすめの栄養補助食品:食欲がないときのタンパク質補給に!

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がん患者さんは、さまざまな理由によって栄養状態が悪化しています。

まず、がんに伴う代謝異常や炎症によって、タンパク質など必要な栄養素が奪われていきます。

手術をうけた患者さんでは、術後の後遺症で、食事量が減ったり、消化吸収の障害がでることもあります。

抗がん剤や放射線治療の副作用で、口内炎、吐き気、食欲低下、あるいは味覚障害がでることもあります。

その結果、食事から得られる栄養素(とくにタンパク質)が絶対的に不足し、体重の低下や、筋力・筋肉量の減少につながります

こういった状態はカヘキシア(悪液質)とも呼ばれ、がんの進行を早め、死亡リスクを高める原因となります

このような事態をさけるためにも、タンパク質の摂取に重点を置いた食事を心がける必要があります。しかしながら、ときに食事から必要な栄養素をとることが難しいこともあります。

そこで、今回は、食欲がなく、体重が減っているがん患者さんへ、(市販されている)おすすめの栄養補助食品(飲料)を紹介します。

がん患者さんに必要な栄養素とは?

東口高志先生の著書「がんでは死なないがん患者」によると、がん患者の死因の8割が感染症であり、その最大の原因は、栄養障害による免疫機能の低下であるとのことです。

つまり、がん患者の寿命を縮めるのは、がんそのものではなく、「栄養障害」だと述べています。

したがって、がん患者さんは、食事からタンパク質、脂質、および糖質に加え、ビタミンや微量元素(ミネラル)をバランスよく摂取することが大切です。

なかでも重要なのが、タンパク質です。

一般的に、一日あたりのタンパク質平均必要量(推奨量)は、成人で体重1kgあたり0.8~1gと言われています。つまり、体重50kgであれば、一日に50gのタンパク質が必要ということです。

さらに、運動習慣のある人で、筋肉量を維持するためには、体重1キロあたり1.2~1.5gが望ましいといわれています。

したがって、がん患者さんでは、体重1キロあたり1.2g以上(体重50kgであれば、一日に60g以上)のタンパク質摂取を目標にしてほしいと思います

ただ、このタンパク質の量を、食事だけから摂取することは意外と難しいです。

そのような場合には、栄養補助食品を考えてもよいと思います。

最近では、栄養価(カロリーやタンパク質の量)が高く、ビタミンやミネラルも配合された栄養補助食品がたくさん発売されています。

がん患者さんにおすすめの栄養補助食品7つ

がん患者さんにおすすめの栄養補助食品を7つ紹介します。

プロシュア

プロシュアは、1ボトル(220mL)あたり、タンパク質を14.6gも配合している高濃度の栄養補助食品です。

さらに、オメガ3不飽和脂肪酸を1.4g(EPA 1.0g、DHA 0.4g)も配合しているのが特徴です。

エンシュアリキッドやエンシュアHなど、医師の処方箋が必要な経腸栄養剤(医療用医薬品)をとりあつかうアボットジャパンが販売しています。

プロシュア(アボットジャパン)
量(1本あたり) 220 ml
カロリー (Kcal) 280
タンパク質 (g) 14.6
脂質 (g) 5.6
糖質 (g) 40.3
その他 EPA 1.0g, DHA 0.4g

プロシュアは、実際の臨床試験でも使用され、効果が確認されています

抗がん剤治療を受けている消化器がん(食道がん、胃がん、大腸がん、胆道がん、膵臓がん)患者128人を対象とした臨床研究です。

この試験において、プロシュアを6ヶ月にわたって継続した栄養補助グループでは、炎症が抑えられ、骨格筋量および除脂肪体重が増加し、最終的に生存率が上昇したという結果でした。

インパクト

インパクトは、アルギニン、オメガ3不飽和脂肪酸、RNAを配合した特別な組成の栄養調整食です。

こちらも1パック(250ml)中に10.5gのタンパク質(うちアルギニンが2.4g)を配合しています。

インパクト(ネスレ)
量(1本あたり) 125 ml
カロリー (Kcal) 110
タンパク質 (g) 10.5
脂質 (g) 4.1
炭水化物 (g) 7.8
その他 アルギニン 2.4g、RNA 240mg

アイソカル100は、1パック中わずか100mlに、カロリー200Kcal、タンパク質8.0gも含まれています。

量が少ないので、飲みやすいと思います。

アイソカル100(ネスレ)
量(1本あたり) 100 ml
カロリー (Kcal) 200
タンパク質 (g) 8.0
脂質 (g) 8.0
炭水化物 (g) 25.0
その他 ビタミン13種、ミネラル13種

また、6種類の味がありますので、お好みの味を選べます。

メイバランス Mini

メイバランス Miniは、少量(125ml)で高エネルギー、高タンパク質(7.5g)で、食物繊維2.5gに加え、ビタミンCやビタミンDなど11種類のビタミン、カルシウムや亜鉛など10種類のミネラルを含むバランス栄養食品です。

メイバランス Mini(明治)
量(1本あたり) 125 ml
カロリー (Kcal) 200
タンパク質 (g) 7.5
脂質 (g) 5.6
糖類 (g) 29.3
その他 食物繊維2.5g、ビタミン、ミネラル

病院の売店などではおなじみの栄養補助食品です。

こちらも色々な味がありますので、飽きがきませんね。

クリミール

クリミールも、ほぼメイバランスと同様の高カロリーな栄養補助飲料です。

特徴としては、腸内細菌をととのえる作用があるシールド乳酸菌®を100億個配合していることです。

クリミール(森永乳業)
量(1本あたり) 125 ml
カロリー (Kcal) 200
タンパク質 (g) 7.5
脂質 (g) 6.7
糖類 (g) 26.8
その他 シールド乳酸菌®を100億個

通常のエンジョイクリミールと、すっきりタイプのスッキリクリミールがあります。

バランサー

バランサーは、1杯(200ml)でタンパク質やビタミンやミネラルなど、20種類の栄養1日推奨量を摂ることができる、新しいタイプの栄養機能食品です。

タンパク質が中心(牛乳で溶かすと約17g)で、脂質や糖類は控えめな栄養組成となっています。このため、カロリーも少なくなっています。

バランサー(IDEA)
量(1本あたり) 200 ml(水または牛乳)
カロリー (Kcal) 55.3
タンパク質 (g) 10.2(牛乳で溶かすと17g)
脂質 (g) 0.7
糖類 (g) 0.3
その他 食物繊維3.5g、ビタミン、ミネラル

ザバスミルクプロテイン

ザバスミルクプロテインは、あのプロテインメーカーのザバズが発売した、タンパク質が中心の栄養補助飲料です。

1本(200ml)あたりタンパク質が15gも含まれており、現時点ではもっとも高タンパクの食品といえます。

ザバスミルクプロテイン(明治)バナナ風味
量(1本あたり) 200 ml
カロリー (Kcal) 102
タンパク質 (g) 15
脂質 (g) 0
炭水化物 (g) 10.6
その他 カルシウム447mg

こちらも色々な風味(味)があります。

なかでも一番のおすすめは、バナナ風味です。

私も飲んでいますが、あっさりしており、美味しくタンパク質の補給ができます。

コンビニでも買えますが、Amazonなどでまとめ買いしたほうが割安です。

まとめ

以上、食欲がなく、体重減少があるがん患者さんにおすすめの栄養補助食品でした。

タンパク質の摂取を増やしたい人は、通常の食事のさいに飲むとよいでしょう。

また、食事がとれない日でも、1~2本飲むだけで栄養不足がある程度解消されます。

何本か買っておいて、おうちにストックしておくのもいいかもしれません。

  • この記事を書いた人

佐藤 典宏

医師(産業医科大学 第1外科 講師)、医学博士。消化器外科医として診療のかたわら癌の基礎的な研究もしています。 標準治療だけでなく、代替医療や最新のがん情報についてエビデンスをまじえて紹介します。がん患者さんやご家族のかたに少しでもお役に立てれば幸いです。

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