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膵臓がんの予防にビタミンは有効か?最新のメタ解析より

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ビタミンなどのサプリメントは、がんの予防に有効か?

この話題に関しては、長く議論され続けていますが、賛否両論あり、いまだに一定の見解は得られていません。

とくに、「予後がきわめて悪い”膵臓がん”の発症率とビタミン摂取との関係」については、多くの研究が行われていますが、「関係あり」とするものや、「関係なし」とするものまで、異なった結果が報告されています。

今回、過去に報告された「膵臓がんとビタミン摂取との関係」について調査した多数の研究結果をまとめ、さまざまな手法によって総合的に解析するメタアナリシス(メタ分析)の論文が発表されました。

このメタ分析によると、ビタミンの摂取は膵臓がんの予防に有効(およそ10%のリスク減少)であり、とくにビタミンB12ビタミンDの予防効果が高いという結論です。

ビタミン摂取と膵癌リスク減少:メタアナリシス

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Vitamin intake and pancreatic cancer risk reduction: A meta-analysis of observational studies. Medicine (Baltimore). 2018 Mar;97(13):e0114. doi: 10.1097/MD.0000000000010114.

このメタ分析では、「膵癌とビタミン摂取」について医学データベース(EMBASE、MEDLINE、およびコクランライブラリー)で検索し、基準をみたす1991年から2014年までの25の研究(ケースコントロール(患者対照)研究、コホート研究、ランダム化比較試験をふくむ)を対象としました。

25の研究のうち、11は前向き研究、14は後ろ向き研究でした。

トータルで120万人以上(うち約8000人が膵臓がん患者)が解析対象となりました。

結果を示します。

■ 前向き試験において最もビタミンを多く摂取しているグループでは、最も少ないグループに比べ、膵臓がんの発症リスクが10%減少していた(相対リスク 0.90)。

■ 後ろ向き試験においては、ビタミン摂取の膵臓がん発症の相対リスクは0.79(21%減少)であり、種類別にはビタミンE(25%減)、ビタミンB12(33%減)、ニコチン酸(48%減)、リボフラビン(25%減)などであった。

■ 用量反応解析によるビタミン別での調査では、ビタミンD(25%減少)ビタミンB12(27%減少)による著明な膵臓がん発症の減少が観察された。

以上の結果をまとめると、ビタミンを多く摂取することで、膵臓がんのリスクが10%程度減少し、さらに、1日10μgビタミンB12あるいはビタミンDの摂取は、膵臓がんの発症リスクを20%以上も減少させるとしています。

もちろん、様々な研究をまとめてデータを出すメタ分析にも問題点が指摘されていますが、ビタミン(とくにビタミンDとビタミンB12)が膵癌の予防に有効であるというエビデンスの1つとして重要な結果であると考えられます

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私自身、これにビタミンDのサプリメントを追加して摂取しています。

 

また、膵臓がんの予防については、以下の記事もあわせてご覧ください!


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  • この記事を書いた人

佐藤 典宏

医師(産業医科大学 第1外科 講師)、医学博士。消化器外科医として診療のかたわら癌の基礎的な研究もしています。 標準治療だけでなく、代替医療や最新のがん情報についてエビデンスをまじえて紹介します。がん患者さんやご家族のかたに少しでもお役に立てれば幸いです。

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