2021年1月4日 / 最終更新日時 : 2021年1月5日 佐藤 典宏 がん遺伝子検査 2021年のがん治療の流れはどうなる?医師が予測 癌研究の進歩にともない、「がん治療の流れ」はめまぐるしく変化しています。 たとえば、「昨日使えなかった新しい治療法が、今日使えるようになる」。 こういったことも、実際にあるのです。 また、いいことばかりではありません。 […]
2020年12月17日 / 最終更新日時 : 2020年12月17日 佐藤 典宏 抗癌剤・分子標的薬 すい臓がん(ステージ4)をあきらめない!抗がん剤3次治療による生存延長 膵臓がん患者の半数以上が、診断時には転移をみとめ、ステージ4と診断されます。 このような転移を認める膵臓がん患者さんには、全身化学療法(抗がん剤治療)が選択されることが多いのですが、効果は限られており、短期間しか病気の進 […]
2020年10月4日 / 最終更新日時 : 2020年10月4日 佐藤 典宏 がん情報 期待されるがんの最新治療「光免疫療法」とは? 先日、「光免疫療法」が世界に先駆け、日本で実用化されるというニュースが流れました。 2020年9月25日、楽天メディカルジャパンが開発した医薬品「アキャルックス」が、「切除不能な局所進行又は局所再発の頭頸部がん」を効能・ […]
2020年8月25日 / 最終更新日時 : 2020年8月25日 佐藤 典宏 抗癌剤・分子標的薬 膵臓がんに対する新たな抗がん剤オニバイド(ナノリポソーム型イリノテカン) 日本セルヴィエは、2020年6月1日に「がん化学療法後に増悪した治療切除不能の膵癌」に対して、抗悪性腫瘍剤抗イリノテカン塩酸塩水和物 リポソーム製剤(商品名 オニバイド点滴静注43mg)を発売しました。 膵臓がんに対する […]
2020年7月28日 / 最終更新日時 : 2020年7月28日 佐藤 典宏 乳がん 抗がん剤治療中の絶食模倣食(fasting mimicking diet)の効果 「抗がん剤治療の直前や治療中にどのような食事をとればよいのか?」ということについては、実は、まだわかっていません。 最近、短期間の絶食や、絶食を模倣した食事が、抗がん剤によるストレスから正常細胞を保護し、同時にがん細胞に […]
2020年4月8日 / 最終更新日時 : 2020年4月8日 佐藤 典宏 抗癌剤・分子標的薬 膵臓がんに対する「がんゲノム医療(個別化治療)」で生存率が改善 がんゲノムプロファイリング検査によって遺伝子異常を見つけ、それに対応する特定の治療薬を使って治療する「がんゲノム医療(がん個別化治療、プレシジョンメディシン)」の研究がすすみ、実際の臨床に導入されつつあります。 予後不良 […]
2019年12月10日 / 最終更新日時 : 2021年7月27日 佐藤 典宏 がん情報 駆虫剤メベンダゾール・フェンベンダゾールはがんに効くのか? 2019年4月、「全身に転移した末期の小細胞性肺がんが、犬用の虫下し薬フェンベンダゾールによって完治した」人の衝撃の記事が英紙「サン」に載りました。 これは、アメリカ、オクラホマ州エドモンドに住むジョー・ティッペンズとい […]
2019年11月28日 / 最終更新日時 : 2019年11月29日 佐藤 典宏 抗癌剤・分子標的薬 NTRK融合遺伝子陽性の膵臓がんに対するエヌトレクチニブ(ロズリートレク) 「がんゲノム医療(がん個別化治療)」が導入され、がん治療がこれまでの「臓器別」から遺伝子異常のタイプによる「臓器横断的」へと変わりつつあります。 例えば、高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する固形が […]
2019年11月16日 / 最終更新日時 : 2019年11月17日 佐藤 典宏 抗癌剤・分子標的薬 集学的治療で転移性すい臓がんの生存期間が延長:抗がん剤+ケトン食+温熱療法+高気圧酸素治療 新たな抗がん剤治療の導入にもかかわらず、転移を認めるステージ4膵臓がん患者の生存期間(中央値)は依然として1年未満であり、満足のいくものではありません。 抗がん剤治療だけでなく、積極的に他の治療法を加える集学的治療が必要 […]
2019年11月12日 / 最終更新日時 : 2019年11月12日 佐藤 典宏 副作用 抗がん剤治療(化学療法)を長くつづけるコツ:副作用対策と日常生活でできること 分子標的薬など、より効果の高い抗がん剤の登場によって、がん化学療法の選択肢は確実に増えています。 今や、一次治療(初回の抗がん剤治療)だけでなく、その先の二次治療、三次治療を考えることも一般的になってきました。 これに伴 […]
2019年10月19日 / 最終更新日時 : 2019年10月19日 佐藤 典宏 がん情報 災害時のがん患者の注意点と治療を継続する重要性について 今回の台風19号のような大規模災害(天災)がおこった場合、がん患者さんがおかれる状況はときに重大な問題となります。 避難所での生活を余儀なくされることや、交通手段が絶たれて病院へ行けなくなる、あるいは普段通っている医療機 […]
2019年6月6日 / 最終更新日時 : 2019年6月15日 佐藤 典宏 抗癌剤・分子標的薬 オラパリブはBRCA遺伝子変異がある膵臓がんの生存期間を延長 オラパリブは、DNAの修復酵素であるPARP(ポリADP-リボースポリメラーゼ)を阻害する分子標的薬の1つです。 このPARP阻害剤は、乳がん(または卵巣がん)の原因遺伝子として有名なBRCA遺伝子(BRCA1またはBR […]
2018年12月22日 / 最終更新日時 : 2019年6月16日 佐藤 典宏 抗癌剤・分子標的薬 膵臓がん手術後のFOLFIRINOX(フォルフィリノックス)療法で生存期間が50ヶ月超え 膵臓がん(膵癌)は、切除手術だけでは再発するリスクが非常に高いため、これを予防するために術後の補助化学療法(追加の抗がん剤治療)を行うことが一般的です。 欧米では、術後にゲムシタビン(ジェムザール)が長く使われてきました […]
2018年8月28日 / 最終更新日時 : 2018年11月7日 佐藤 典宏 がんの本 がんの治療をうける人にお勧めの本(その1):手術・抗がん剤・放射線治療編 「がんは情報戦」とも言えます。 がんに対する標準治療、最新のがん治療、あるいは治療による副作用の対処法など、知っている人と知らない人では治療の成績(つまり生存期間)が変わってくる可能性があります。 多くの人はインターネッ […]
2018年6月23日 / 最終更新日時 : 2019年6月23日 佐藤 典宏 抗癌剤・分子標的薬 膵臓がんに対するFOLFIRINOX(フォルフィリノックス)の効果は?日本での成績まとめ 膵臓がん(膵癌)は、5年生存率10%以下という予後不良のがんであり、近年増加傾向(日本におけるがん死亡者数の第4位)にあります。 膵臓がん治療の最大の問題点は、およそ7~8割の患者さんが、遠隔転移や局所進行によって切除が […]
2018年3月30日 / 最終更新日時 : 2019年6月17日 佐藤 典宏 副作用 大腸癌の術後抗がん剤治療(FOLFOX/XELOX)は6ヶ月続けるべきか?ランダム化比較試験 進行大腸がんに対する治療として、切除のあとにオキサリプラチンとフッ化ピリミジン系の併用による6ヶ月間(半年)の術後抗がん剤療法(術後補助化学療法)が標準治療として確立されています。 しかしながら、オキサリプラチン(エルプ […]
2018年3月15日 / 最終更新日時 : 2018年5月15日 佐藤 典宏 抗癌剤・分子標的薬 ステージ4の胆管癌に対する化学療法(ゲムシタビン+S-1)でがんが消失した1例 胆管がんは比較的まれな疾患ですが、悪性度が高く、根治が難しいがんです。5年生存率は治癒切除後でも30%程度であり、いまだ低いままです。 とくに、転移をみとめる進行した胆管がんでは、有効な治療法が確立されていません。 進行 […]
2018年3月1日 / 最終更新日時 : 2022年2月19日 佐藤 典宏 QOL(生活の質) 抗がん剤による「ケモブレイン」を予防・軽減するためのオメガ3脂肪酸摂取と糖類(糖質)制限 抗がん剤治療の進歩にともない、がん患者さんの生存期間は確実に延長しました。 一方で、抗がん剤治療中の患者さんの生活の質(クオリティオブライフ)を低下させる副作用対策が重要となってきます。 抗がん剤の副作用のひとつに、認知 […]
2018年1月20日 / 最終更新日時 : 2018年5月15日 佐藤 典宏 子宮・卵巣がん 卵巣がん腹膜播種(転移)に対する腹腔内温熱化学療法の効果:腫瘍減量手術後の生存期間を延長 卵巣癌は、がんが腹膜へ転移した状態(腹膜播種:ふくまくはしゅ)で診断されることも多く、非常に治療がむずかしく予後不良ながんの一つです。 現在、こうした腹膜へ広がった卵巣がんに対しては、出来るだけ腫瘍を取り除き(腫瘍減量手 […]
2018年1月4日 / 最終更新日時 : 2020年7月12日 佐藤 典宏 QOL(生活の質) 抗がん剤による脱毛予防に頭皮を冷却する装置(帽子)が有効:国内外の最新情報 抗がん剤のよくみられる副作用のひとつに脱毛があります。 脱毛は、男女問わず精神的な苦痛となり、いちじるしく生活の質を落とします。 とくに乳がんに対する抗がん剤治療で多くみられますが、女性にとっては、がんの治療を選択するう […]
2017年12月29日 / 最終更新日時 : 2019年6月26日 佐藤 典宏 QOL(生活の質) 抗がん剤治療中には感染症予防のために人混み、生もの(刺身)、ペットとの接触は避けるべきか? 一般的に、抗がん剤治療中はからだの抵抗力が低下します。 とくに抗がん剤の副作用で好中球(白血球の一種で、からだに侵入してきた細菌などと戦う細胞)が減っている患者さんでは、感染症にかかりやすくなるといわれています。感染が重 […]
2017年12月22日 / 最終更新日時 : 2018年5月15日 佐藤 典宏 副作用 抗がん剤治療の副作用としての筋肉量減少(筋肉やせ)に注意!生存率低下と相関 抗がん剤治療中には、筋肉量の減少がおこることがあります。 つまり、「筋肉やせ」です。 これは、食欲の低下によって食事量(特にたんぱく質の摂取量)が減ったり、疲労感などから活動性(運動量)が低下したり、あるいは代謝異常など […]
2017年12月18日 / 最終更新日時 : 2018年5月15日 佐藤 典宏 抗癌剤・分子標的薬 小細胞肺がんに新たな分子標的薬ベネトクラックス(BCL-2阻害剤)が有効 小細胞肺がん(small cell lung cancer, SCLC)は肺がん全体の10~15%と比較的少ないのですが、悪性度が高く予後が悪いがんとして知られています。 化学療法や放射線療法に対する感受性(効果)が高い […]
2017年12月14日 / 最終更新日時 : 2018年5月15日 佐藤 典宏 がん情報 膵臓がんに新たな治療:ヒアルロン酸を分解するPEGPH20と抗がん剤の併用が生存率改善 ヒアルロン酸は、細胞の外側に存在する細胞外マトリックスと呼ばれるもので、皮膚や関節などを中心に、体のあらゆる組織に存在します。 ヒアルロン酸は、その水分を保つ作用から、潤滑油やうるおい成分として重要な機能をはたしています […]
2017年12月11日 / 最終更新日時 : 2019年7月23日 佐藤 典宏 抗癌剤・分子標的薬 オシメルチニブ(タグリッソ)がEGFR変異陽性の非小細胞肺がんに有効:ファーストラインの標準治療になるか? 肺がんは日本においても増加傾向にあり、がん死亡率トップの難治がんです。 しかしながら、近年の分子標的薬の開発・臨床への導入によって進行性の非小細胞肺がん患者の生存率は少しずつ改善しつつあります。 たとえば、EGFR(上皮 […]
2017年12月5日 / 最終更新日時 : 2018年5月15日 佐藤 典宏 副作用 抗がん剤の副作用(好中球減少)の時期で治療効果を予測:転移性大腸がん患者での研究 抗がん剤治療による副作用は、患者さんにとって非常に厄介な問題であり、生活の質を低下させるばかりでなく、ときに治療を延期または中止せざる終えない事態を引き起こす原因になります。 一方で、「ある種の副作用がでたほうが、抗がん […]
2017年11月26日 / 最終更新日時 : 2019年7月26日 佐藤 典宏 抗癌剤・分子標的薬 膵臓がんに温熱療法(ハイパーサーミア)は効くのか?臨床研究の結果まとめ 膵臓がん(膵癌)は、しばしば抗がん剤や放射線治療に抵抗性を示すため、効果を高めるための併用療法が必要です。 温熱療法(ハイパーサーミア)は、固形癌に対する抗がん剤や放射線治療の効果を高める効果があります。 特に、膵臓がん […]
2017年11月12日 / 最終更新日時 : 2018年5月15日 佐藤 典宏 手術 肺がんステージ4の治療法:手術による局所治療追加で抗がん剤単独より生存率を大幅に改善 非小細胞肺がん(肺腺がん、肺扁平上皮がん、肺大細胞がん)のステージ4(遠隔転移を認める状態)に対する治療にはさまざまなものがあり、未だに確立されたものはありません。 一般的には、全身化学療法(抗がん剤)が治療の中心となり […]
2017年10月30日 / 最終更新日時 : 2019年10月24日 佐藤 典宏 がん情報 抗がん剤治療中の癌患者さんにインフルエンザ予防接種は有効で安全か? インフルエンザのシーズンになると、外来に通ってこられるがん患者さんから「インフルエンザの予防接種は受けたほうがいいですか?」という質問を受けることが増えてきます。 とくに、化学療法中(抗がん剤治療)のがん患者さんでは、「 […]
2017年10月28日 / 最終更新日時 : 2018年5月15日 佐藤 典宏 手術 FOLFIRINOX後のジェムザール+アブラキサンで局所進行切除不能膵臓がんが切除可能に! 膵臓がんは、初期には自覚症状に乏しいことより、多くの場合、診断時にはかなり進行しています。 なかでも、離れた臓器には転移を認めないが、がんが重要な血管に巻きついているために切除ができない状態、いわゆる「局所進行切除不能膵 […]
2017年9月25日 / 最終更新日時 : 2018年5月15日 佐藤 典宏 乳がん 転移性トリプルネガティブ乳がんをあきらめない!抗がん剤、ケトン食、温熱療法、高圧酸素療法による完全寛解 トリプルネガティブ乳がんは、乳がん全体のおよそ10~15%にみられ、比較的若い女性に多いとされています。他のタイプの乳がんよりも悪性度が高く、転移・再発しやすいのが特徴です。 また、一般的な乳がんの治療法であるホルモン療 […]
2017年9月22日 / 最終更新日時 : 2018年5月16日 佐藤 典宏 がんの予防 炎症を抑える分子標的薬(抗インターロイキン-1β抗体)カナキヌマブが肺癌を抑制 慢性の炎症が、がんの発症や進展(増殖、浸潤、転移)に深く関与していることはよく知られています。 とくに肺がんは、アスベスト、喫煙、あるいは他の吸入毒によって引き起こされる持続性の炎症が原因であると考えられます。 これまで […]
2017年9月20日 / 最終更新日時 : 2018年5月16日 佐藤 典宏 がん研究 膵臓がんにジェムザールが効かない理由は細菌だった?抗生剤で治療効果が高まる可能性 膵臓がんに対する化学療法(抗がん剤治療)の選択肢は増えてきましたが、やはり現在でもゲムシタビン(ジェムザール)をベースとした治療が主体となっています。 たとえば、切除不能の膵臓がんに対しては、ゲムシタビン単独療法、ゲムシ […]
2017年9月17日 / 最終更新日時 : 2018年5月16日 佐藤 典宏 QOL(生活の質) 高齢の切除不能すい臓がん患者に対する治療法選択:抗がん剤治療か支持療法(緩和医療)か? 日本における平均寿命の延長に伴い、高齢の膵臓がん(膵癌)患者が増えてきました。 手術成績の向上や新しい抗がん剤治療の導入などにより、膵臓がん患者の生存率は少しずつですが高まっています。切除不能の膵臓がんに対 […]
2017年9月11日 / 最終更新日時 : 2020年5月22日 佐藤 典宏 がん研究 大腸がんの抗がん剤耐性と再発の新たな原因を発見!恐怖の細菌フソバクテリウムとは? 大腸がんの罹患者および死亡者数は、世界的にも、また日本においても増加しています。 効果の高い抗がん剤や分子標的薬の導入により、大腸がんの予後は改善しつつあります。しかし、なかには抗がん剤が効かなくなる(薬剤耐性あるいは抗 […]