2021年1月14日 / 最終更新日時 : 2021年1月14日 佐藤 典宏 QOL(生活の質) がんによる痩せ(悪液質)を予防・改善する生活習慣とは? がんによる死因の大部分を占める原因は、がん悪液質(カヘキシア)と呼ばれる状態におちいることです。 これは、さまざまな原因によって栄養状態が悪化し、急激に体重が減少することを特徴としています。がんによる「痩せ」です。 この […]
2020年12月17日 / 最終更新日時 : 2020年12月17日 佐藤 典宏 抗癌剤・分子標的薬 すい臓がん(ステージ4)をあきらめない!抗がん剤3次治療による生存延長 膵臓がん患者の半数以上が、診断時には転移をみとめ、ステージ4と診断されます。 このような転移を認める膵臓がん患者さんには、全身化学療法(抗がん剤治療)が選択されることが多いのですが、効果は限られており、短期間しか病気の進 […]
2020年12月5日 / 最終更新日時 : 2020年12月5日 佐藤 典宏 膵臓がん すい臓がん患者の運動(有酸素運動、筋トレ)の実態:アメリカでの調査 がん患者さんが、定期的に運動することによって、生活の質が高まり、再発率が減り、そして、生存期間が延長することは、多くの研究から明らかとなっています。 ただし、これらの研究の多くは、乳がん、前立腺がん、および大腸がんといっ […]
2020年9月22日 / 最終更新日時 : 2020年9月22日 佐藤 典宏 お知らせ 膵臓がんの標準治療と代替医療『膵臓がん患者と家族の集い』講演内容 今回は2020年9月21日に『膵臓がん患者と家族の集い』で講演させて頂いた「膵臓がんの標準治療と代替医療:外科医の立場から」の講演内容を3つのパートに分けて動画で紹介します。 膵臓がんの標準治療と代替療 膵臓がん研究の進 […]
2020年8月25日 / 最終更新日時 : 2020年8月25日 佐藤 典宏 抗癌剤・分子標的薬 膵臓がんに対する新たな抗がん剤オニバイド(ナノリポソーム型イリノテカン) 日本セルヴィエは、2020年6月1日に「がん化学療法後に増悪した治療切除不能の膵癌」に対して、抗悪性腫瘍剤抗イリノテカン塩酸塩水和物 リポソーム製剤(商品名 オニバイド点滴静注43mg)を発売しました。 膵臓がんに対する […]
2020年4月8日 / 最終更新日時 : 2020年4月8日 佐藤 典宏 抗癌剤・分子標的薬 膵臓がんに対する「がんゲノム医療(個別化治療)」で生存率が改善 がんゲノムプロファイリング検査によって遺伝子異常を見つけ、それに対応する特定の治療薬を使って治療する「がんゲノム医療(がん個別化治療、プレシジョンメディシン)」の研究がすすみ、実際の臨床に導入されつつあります。 予後不良 […]
2020年2月20日 / 最終更新日時 : 2020年2月20日 佐藤 典宏 膵臓がん 膵臓がんに対するナノナイフと抗がん剤の併用が生存率を改善 膵臓がんでは、発見時にすでにまわりの臓器や血管に広がっていることが多く、局所進行膵臓がんと診断されます。 局所進行膵臓がんに対する標準治療としては、抗がん剤(単独)あるいは抗がん剤と放射線治療の組み合わせを行います。 最 […]
2019年11月28日 / 最終更新日時 : 2019年11月29日 佐藤 典宏 抗癌剤・分子標的薬 NTRK融合遺伝子陽性の膵臓がんに対するエヌトレクチニブ(ロズリートレク) 「がんゲノム医療(がん個別化治療)」が導入され、がん治療がこれまでの「臓器別」から遺伝子異常のタイプによる「臓器横断的」へと変わりつつあります。 例えば、高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する固形が […]
2019年11月16日 / 最終更新日時 : 2019年11月17日 佐藤 典宏 抗癌剤・分子標的薬 集学的治療で転移性すい臓がんの生存期間が延長:抗がん剤+ケトン食+温熱療法+高気圧酸素治療 新たな抗がん剤治療の導入にもかかわらず、転移を認めるステージ4膵臓がん患者の生存期間(中央値)は依然として1年未満であり、満足のいくものではありません。 抗がん剤治療だけでなく、積極的に他の治療法を加える集学的治療が必要 […]
2019年10月30日 / 最終更新日時 : 2019年10月30日 佐藤 典宏 膵臓がん 抗がん剤治療中の運動によって腫瘍内の血管が増加:治療効果が高まる可能性 「運動をするがん患者のほうが長生きをする」ということは、多くの研究から明らかとなっています。 最近では抗がん剤治療中の運動が治療効果を高めるといった動物実験のデータも報告されています。 一方で、なぜ運動ががんの治療効果を […]
2019年9月29日 / 最終更新日時 : 2019年9月29日 佐藤 典宏 お知らせ 「膵臓がん患者と家族の集い(10月13日)」での講演内容を一部紹介 この度、「第20回 膵臓がん患者と家族の集い(日時)2019年10月13日(日)」で講演させていただくこととなりました。 会の運営者である木下義高(キノシタ)様、サポーターの皆様にはこのような機会をいただいたことに深く感 […]
2019年9月27日 / 最終更新日時 : 2019年9月28日 佐藤 典宏 手術 切除不能の膵臓がんに対するコンバージョン手術が予後を改善 膵臓がんの7~8割は、診断された時点で局所進行(まわりの主要な血管へ浸潤)または遠くの臓器やリンパ節への転移のため、切除ができない状態(切除不能膵がん)です。 このような切除不能膵がんに対しては、全身薬物療法(おもに抗が […]
2019年6月27日 / 最終更新日時 : 2019年6月29日 佐藤 典宏 膵臓がん 膵癌(すい臓がん)に期待される最新の治療法5つをまとめて紹介 膵癌(すい臓がん)は年々増加傾向にあり、日本におけるがん死亡者数の第4位を占めるまでになっています。 膵臓がんの特徴は、なんと言っても「治療がむずかしい(難治性)」の一言につきます。 実際に、膵臓がんの5年生存率は消化器 […]
2019年6月6日 / 最終更新日時 : 2019年6月15日 佐藤 典宏 抗癌剤・分子標的薬 オラパリブはBRCA遺伝子変異がある膵臓がんの生存期間を延長 オラパリブは、DNAの修復酵素であるPARP(ポリADP-リボースポリメラーゼ)を阻害する分子標的薬の1つです。 このPARP阻害剤は、乳がん(または卵巣がん)の原因遺伝子として有名なBRCA遺伝子(BRCA1またはBR […]
2019年4月14日 / 最終更新日時 : 2019年6月15日 佐藤 典宏 膵臓がん 膵がん患者さんが日常生活で配慮したいこと:食事・運動・メンタル 先日(2019年3月30日)、パンキャンジャパン福岡支部主催の「膵がん勉強会・患者サロン in 産業医科大学病院」において、「膵がん患者さんが日常生活で配慮したいこと:食事・運動・メンタル」というタイトルでお話をさせて頂 […]
2019年2月26日 / 最終更新日時 : 2019年6月16日 佐藤 典宏 膵臓がん 不可逆的電気穿孔法(ナノナイフ)が膵癌に対する免疫チェックポイント阻害剤の効果を高める 第4の標準治療として話題の免疫チェックポイント阻害剤(オプジーボ、キイトルーダなど)ですが、(メラノーマといった他のがんに比べ)膵臓がんに対してはあまり効かないことが分かっています。 その最大の理由のひとつとして、膵臓が […]
2019年1月20日 / 最終更新日時 : 2019年6月16日 佐藤 典宏 がん自然退縮 膵臓がんリンパ節転移の自然寛解(自然退縮)の1例:炎症と免疫の関係 がんが、治療を受けずに自然に小さくなったり、消失する、いわゆる「自然退縮あるいは自然寛解(spontaneous regression)」の症例は、世界中から多数報告されています。 その原因はわかっていませんが、多くの場 […]
2018年12月22日 / 最終更新日時 : 2019年6月16日 佐藤 典宏 抗癌剤・分子標的薬 膵臓がん手術後のFOLFIRINOX(フォルフィリノックス)療法で生存期間が50ヶ月超え 膵臓がん(膵癌)は、切除手術だけでは再発するリスクが非常に高いため、これを予防するために術後の補助化学療法(追加の抗がん剤治療)を行うことが一般的です。 欧米では、術後にゲムシタビン(ジェムザール)が長く使われてきました […]
2018年11月22日 / 最終更新日時 : 2019年7月10日 佐藤 典宏 膵臓がん 膵消化酵素補充療法(PERT)の重要性:すい臓がん患者の生存期間を延長 すい臓がん患者では、病状が進行するにしたがい、栄養状態の悪化および体重減少に悩まされることになります。 例えば、60~80%の進行膵臓がん患者は、カヘキシア(悪液質:あくえきしつ)という、代謝障害を伴う重度の骨格筋の萎縮 […]
2018年10月30日 / 最終更新日時 : 2018年10月30日 佐藤 典宏 がん遺伝子検査 膵臓がん患者の約5%に生まれつきの遺伝子変異(生殖細胞変異)を確認 膵臓がんの原因として、複数のがん関連遺伝子に変異が蓄積することが指摘されています。 たとえば、がん遺伝子(アクセル)であるKRAS(ケーラス)遺伝子の変異は膵臓がんで最も多い遺伝子異常であり、初期の前がん病変からみられ、 […]
2018年9月20日 / 最終更新日時 : 2019年9月17日 佐藤 典宏 再発・転移 膵臓がん:手術後すぐに再発する人しない人の違いとは?957例の解析より 要約:膵臓がん(膵癌)が手術後1年以内に再発する人は、術前に① 重い持病(併存疾患)があり、② 腫瘍サイズが3cmより大きく、③ 術前の腫瘍マーカー(CA19-9)が高い(>210 U/ml)ことが多かった。 膵臓がんの […]
2018年8月24日 / 最終更新日時 : 2020年7月14日 佐藤 典宏 がんの予防 膵臓がんの予防にビタミンは有効か?最新のメタ解析より 「ビタミンなどのサプリメントは、がんの予防に有効か?」 この話題に関しては、長く議論され続けていますが、賛否両論あり、いまだに一定の見解は得られていません。 とくに、「予後がきわめて悪い”膵臓がん”の発症率とビタミン摂取 […]
2018年6月23日 / 最終更新日時 : 2019年6月23日 佐藤 典宏 抗癌剤・分子標的薬 膵臓がんに対するFOLFIRINOX(フォルフィリノックス)の効果は?日本での成績まとめ 膵臓がん(膵癌)は、5年生存率10%以下という予後不良のがんであり、近年増加傾向(日本におけるがん死亡者数の第4位)にあります。 膵臓がん治療の最大の問題点は、およそ7~8割の患者さんが、遠隔転移や局所進行によって切除が […]
2018年6月10日 / 最終更新日時 : 2018年6月10日 佐藤 典宏 がん情報 膵臓がんに対する腫瘍溶解性ウイルスHF10の安全性と有効性:国内第Ⅰ相試験の結果 日本国内における膵癌(膵臓がん)による死亡者数は増加の一途をたどっており、現在がん死亡者数の第4位となっています。 膵臓がんが予後不良である原因には、診断時におよそ80%は切除ができないほど進行していることがあります。 […]
2018年5月23日 / 最終更新日時 : 2018年11月7日 佐藤 典宏 膵臓がん 膵臓がん(膵癌)の診断法を医師が解説:その検査は何のため? がんの疑いがあるとき、たとえばCTやMRI、血液検査など、色々な検査をします。 検査だけで2週間(あるいは、それ以上)かかる場合もあります。また、当然ですが、検査費用もかさみます。 もちろん、検査にはそれぞれ理由があるの […]
2018年3月27日 / 最終更新日時 : 2020年1月25日 佐藤 典宏 がん研究 ケトン食が効くがんと効かないがんの違いとは?ケトン体分解酵素による治療効果予測 がんの食事療法として全世界で注目を集めているものに、ケトン食(ケトジェニックダイエット)があります。 ケトン食とは、限りなく糖質(炭水化物)を制限し、代わりに脂肪やタンパク質を増やす食事法です。 血中のグルコース(血糖) […]
2018年3月13日 / 最終更新日時 : 2018年5月15日 佐藤 典宏 がん情報 膵臓がんの脳転移:症状、診断・治療・余命および特徴的な遺伝子異常とは? 膵臓がん(膵癌)の転移は、おもに肝臓、リンパ節、腹膜、あるいは肺に多くみられます。 一方、膵臓がんの脳への転移(転移性 脳腫瘍)は比較的まれで、1%に満たないと報告されています。 わたしも多くの膵臓がん患者さんを診てきま […]
2018年2月27日 / 最終更新日時 : 2018年11月7日 佐藤 典宏 がん研究 膵臓がんの新たな腫瘍マーカー CEMIP(KIAA1199)とは?CA19-9との併用で診断率アップ 膵臓がん治療における最大の問題点は、診断時におよそ70~80%の患者さんが切除不能の進行がん(局所進行または転移性)であるという事実です。 つまり、早期に発見されるケースがきわめて少ないということです。 現在、膵臓がんを […]
2018年2月19日 / 最終更新日時 : 2019年7月14日 佐藤 典宏 がん情報 がん手術までの待ち時間(手術の遅れ)は生存率に影響するのか?:膵臓癌の場合 がんと診断されてから手術までの期間(待ち日数)は、緊急手術をのぞき、およそ1週間から1ヶ月の範囲がほとんどだと思います。 ただ、病院によってかなり差があるのも確かです。私もいろいろな病院に勤めてきましたが、病院の規模や手 […]
2018年2月15日 / 最終更新日時 : 2019年6月17日 佐藤 典宏 肝臓がん がん患者さんにみられる黄疸(おうだん)の原因、治療、予後(余命)について がん患者さんにみられる症状のひとつとして、黄疸(おうだん)があります。 黄疸とは、血液中のビリルビンという色素が増加することにより、皮膚や眼球(白目の部分)が黄色くなる状態のことです。 がん患者さんにみられる黄疸の原因は […]
2018年1月25日 / 最終更新日時 : 2019年6月26日 佐藤 典宏 がん情報 膵体尾部のがんは膵頭部のがんより悪性度が高い?遺伝子シグネチャーの解析結果より 膵臓がんは予後不良ながんとして有名ですが、がんが発生する部位によっても予後が違うことがわかっています。 膵臓は、からだの右側(十二指腸側)より頭部、体部、尾部に分類されますが、膵体部と膵尾部(いわゆる左側)のがんの方が、 […]
2018年1月6日 / 最終更新日時 : 2019年8月9日 佐藤 典宏 がん情報 膵癌(すい臓がん)の原因・予防・症状・診断・治療(手術・抗がん剤)についてのまとめ 2018年1月6日、楽天は星野仙一球団副会長(元監督)が1月4日に亡くなったことを発表しました。70歳でした。 死因は膵臓がんだったそうです。 くわしい病状についての情報はありませんが、2016年7月に急性膵炎を発症した […]
2017年12月14日 / 最終更新日時 : 2018年5月15日 佐藤 典宏 がん情報 膵臓がんに新たな治療:ヒアルロン酸を分解するPEGPH20と抗がん剤の併用が生存率改善 ヒアルロン酸は、細胞の外側に存在する細胞外マトリックスと呼ばれるもので、皮膚や関節などを中心に、体のあらゆる組織に存在します。 ヒアルロン酸は、その水分を保つ作用から、潤滑油やうるおい成分として重要な機能をはたしています […]
2017年11月26日 / 最終更新日時 : 2019年7月26日 佐藤 典宏 抗癌剤・分子標的薬 膵臓がんに温熱療法(ハイパーサーミア)は効くのか?臨床研究の結果まとめ 膵臓がん(膵癌)は、しばしば抗がん剤や放射線治療に抵抗性を示すため、効果を高めるための併用療法が必要です。 温熱療法(ハイパーサーミア)は、固形癌に対する抗がん剤や放射線治療の効果を高める効果があります。 特に、膵臓がん […]
2017年10月28日 / 最終更新日時 : 2018年5月15日 佐藤 典宏 手術 FOLFIRINOX後のジェムザール+アブラキサンで局所進行切除不能膵臓がんが切除可能に! 膵臓がんは、初期には自覚症状に乏しいことより、多くの場合、診断時にはかなり進行しています。 なかでも、離れた臓器には転移を認めないが、がんが重要な血管に巻きついているために切除ができない状態、いわゆる「局所進行切除不能膵 […]