膵臓がん(膵癌)の転移は、おもに肝臓、リンパ節、腹膜、あるいは肺に多くみられます。
一方、膵臓がんの脳への転移(転移性 脳腫瘍)は比較的まれで、1%に満たないと報告されています。
わたしも多くの膵臓がん患者さんを診てきましたが、脳転移の経験はありません。
これは、膵臓がんの悪性度が高くて予後が悪いため、脳転移がおこって症状がでるまで生存できない(他の臓器への転移によって死亡する)ことが原因ではないかと考えられています。
では、実際には膵臓がんの脳転移はどのくらいの頻度でみられ、また症状や予後はどのようなものなのでしょうか?
今回、膵臓がんの脳転移について、その臨床的特徴(症状、診断、治療、予後)と遺伝子解析の結果が海外から報告されました。
膵臓がんの脳転移
【対象と方法】
2000年から2016年までの間に、米国ニューヨークのメモリアル・スローン・ケタリングがんセンターの患者データについて、後ろ向きに調査しました。
脳転移をみとめる膵臓がん患者について、その臨床的特徴(年齢、性別、症状、治療法、予後)を調べ、がん(原発巣あるいは転移巣)の組織が入手可能な症例では遺伝子変異について解析しました。
【結果】
臨床的特徴
遺伝子異常
【結論】
膵臓がんの脳転移は比較的まれな病態(1%以下)であり、BRCA遺伝子の生殖細胞変異との関連が示唆されました。
生存期間(中央値)は1.5ヶ月と予後はきわめて悪いが、開頭手術や放射線による集学的治療によって長期生存が得られる可能性もあります。
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