2017年5月31日 / 最終更新日時 : 2018年5月16日 佐藤 典宏 QOL(生活の質) 進行がん患者にみられる悪性腹水に対する治療法について:ガイドラインより がんなど悪性腫瘍の影響によって生じた腹水を「悪性腹水」といいます。原因となるがんの種類には、卵巣がん、子宮体がん、乳がん、大腸がん、胃がん、膵臓がん等があります。 多くの場合、悪性腹水は患者さんにとって非常にきつく、生活 […]
2017年5月29日 / 最終更新日時 : 2019年6月15日 佐藤 典宏 副作用 抗がん剤治療中の急な発熱の原因は?発熱性好中球減少症(FN)について 抗がん剤治療の一般的な副作用として、骨髄抑制(こつずいよくせい)があります。これは、骨髄の血液をつくる働きが低下している状態で、赤血球、白血球、および血小板の数が減少します。 このうち、白血球、なかでもその60~70%を […]
2017年5月26日 / 最終更新日時 : 2018年11月7日 佐藤 典宏 がんの本 がん治療の病院選びで悩んだときに参考になる本3冊 がんと診断されたら、どの病院で治療を受けますか? 治療を受ける病院を選ぶことは、がん患者さんにとって最初の大仕事といえます。なぜならば、病院によって治療の内容や質、さらには治療成績(予後)が変ってくる可能性があるからです […]
2017年5月23日 / 最終更新日時 : 2018年5月16日 佐藤 典宏 がん情報 アテゾリズマブ(抗PD-L1抗体)がトリプルネガティブ乳がん患者の生存期間を延長 トリプルネガティブ乳がんに対しては、ホルモン療法やハーセプチンなどのHER2標的の分子標的薬の効果が期待できないため、通常の抗がん剤治療が中心となります。しかし、抗がん剤が効きにくいタイプもあり、新たな治療 […]
2017年5月20日 / 最終更新日時 : 2018年11月7日 佐藤 典宏 がん研究 ヒアルロン酸産生をブロックする薬(4-MU/ヒメクロモン)のがん治療における可能性 ヒアルロン酸とがん治療に関連した非常に興味深い研究報告があります。 前にも述べましたが、多くのがんではヒアルロン酸が異常に多くなっており、一部でがんの進行(増殖や転移)を促進していることがわかっています(下記参照)。 ヒ […]
2017年5月18日 / 最終更新日時 : 2018年5月16日 佐藤 典宏 QOL(生活の質) 膵臓切除後に注意する合併症:糖尿病はどの程度みられるのか? 膵臓のおもな働きとして、外分泌機能と内分泌機能があります。 外分泌機能とは消化液をつくって腸(十二指腸)の中に流す働きです。一方、内分泌機能とはインスリンなどのホルモンを血液の中に流して血糖値を調節する働きです。 膵臓が […]
2017年5月10日 / 最終更新日時 : 2018年5月16日 佐藤 典宏 がん情報 膵臓がんに対するゲムシタビン(ジェムザール)とS-1(ティーエスワン)の併用療法の効果 切除手術ができない転移性膵臓がんや局所進行膵臓がんに対しては、抗がん剤治療が中心となります。長らくゲムシタビン(ジェムザール)の単独投与が行われていましたが、生存期間は1年未満のままでした。 最近ではいくつかの新しい抗が […]
2017年5月9日 / 最終更新日時 : 2017年5月17日 佐藤 典宏 がん情報 脳転移(転移性脳腫瘍)でもあきらめない!10年生存例の解析 脳転移(転移性脳腫瘍)とは、肺がんや乳がんなど、脳以外の部位にできたがんが脳に転移した状態をいいます。 一般的に脳転移が認められた場合、がんの終末像(いわゆる末期の状態)とされ、治癒する可能性はほとんどないと考えられてい […]
2017年5月2日 / 最終更新日時 : 2018年5月16日 佐藤 典宏 副作用 抗がん剤(ジェムザール)による早期の好中球減少は予後良好のサイン?膵臓がんでの検討 膵臓がんは早期発見が難しく、およそ8割は診断時に切除ができないほど進行しています(切除不能膵臓がん)。 切除不能膵臓がんに対しては、標準治療としてゲムシタビン(ジェムザール)を主体とした抗がん剤治療が行われていますが、そ […]
2017年4月27日 / 最終更新日時 : 2020年7月14日 佐藤 典宏 がんの予防 サプリメント(マルチビタミン)が遺伝性の大腸がんを防ぐ:研究報告 「サプリメントはがんの予防や治療に有効か?」については、一定の見解は得られていません。 特に「ビタミンのサプリメントはがん予防に有効か?」については多くの疫学研究で調査されていますが、一定の効果があるとするものや、効果が […]
2017年4月26日 / 最終更新日時 : 2018年5月16日 佐藤 典宏 免疫治療 進行肝細胞がんにオプジーボが有効:第1/2相試験(CheckMate040)の結果報告 肝細胞がんは肝臓にできる腫瘍の最も一般的なタイプです。日本における肝細胞がんの最大の原因はC型肝炎ウイルスであり、およそ70%を占めています。アルコール性の肝炎・肝硬変が肝細胞がんの原因となることもあります。 また最近、 […]
2017年4月22日 / 最終更新日時 : 2018年9月27日 佐藤 典宏 がん研究 トリプルネガティブ乳がんの余命(生存率)を決めるのはやっぱりナチュラルキラー細胞(免疫)だった? トリプルネガティブ乳がんとは、ホルモン受容体であるエストロゲンレセプターとプロゲステロンレセプターおよび細胞の増殖や悪性化に関わるHER2(ハーツー)の3つがすべて陰性の乳がんのことをいいます。 乳がん全体の10~15% […]
2017年4月21日 / 最終更新日時 : 2020年12月7日 佐藤 典宏 がん研究 プロバイオティクスでがん治療:乳酸菌由来の新規抗がん物質フェリクロームとは? プロバイオティクスとは、乳酸菌やビフィズス菌など、腸内フローラ(腸内細菌叢)のバランスを改善し、人体に有益な作用をもたらす生きた微生物(いわゆる善玉菌)のことです。 最近、プロバイオティクスには、整腸作用はもちろんのこと […]
2017年4月14日 / 最終更新日時 : 2018年8月9日 佐藤 典宏 がん情報 無症状の膵臓がんは予後がいいのか?研究報告と尾道方式がもたらした重要なヒント 膵臓がんは、早期には症状が乏しいことより、多くの患者さんは切除不能の進行した状態で診断されます。 ただ最近では、症状のない段階で膵臓がんと診断される患者さんが増えているように思います。これは、1つには膵臓がんの危険因子( […]
2017年4月13日 / 最終更新日時 : 2020年1月5日 佐藤 典宏 手術 胃がん患者におけるサルコペニアと術後合併症:術前筋トレのすすめ! 最近、「サルコペニア」という言葉を耳にする機会が増えました。サルコペニアとは、簡単に言うと病的な筋肉量や筋力の低下のことで、がん(特に消化器がん)の患者さんにみられることがあります。 このサルコペニアが重要なのは、術後の […]
2017年4月9日 / 最終更新日時 : 2019年10月19日 佐藤 典宏 がんの予防 がんに効く野菜「にんにく」の発癌を抑える作用 にんにくが体によいことはよく知られていますが、消化器がんなどの悪性腫瘍の予防にも効果があるといわれています。 事実、アメリカの国立がん研究所で1990年にまとめた「デザイナーフーズ(がんの予防に効果のある食品(主に野菜や […]
2017年4月6日 / 最終更新日時 : 2018年5月16日 佐藤 典宏 膵臓がん 転移性膵臓がんの長期生存例:オリゴメタ治療後12年無再発の症例報告 一般的に、遠くの臓器に転移を認める膵臓がん(転移性膵臓がん)の予後はきびしく、多くの報告では5年生存率は1%未満とされています。 しかしながら、「転移性膵臓がんは絶対に治らない」訳ではありません。 実際に、私を含めて多く […]
2017年4月5日 / 最終更新日時 : 2018年8月27日 佐藤 典宏 がんの本 ステージ4咽頭がんを克服したサバイバーによる体験記「がんの手術をする前に」から学ぶべきこと がんサバイバーの体験記には、多くの学ぶべきことがあります。 進行がんを克服した春名伸司さんと、日本ホリスティック医学協会会長である帯津良一先生の共著「がんの手術をする前に」を読みました。 がんについてその根本的原因に立ち […]
2017年4月2日 / 最終更新日時 : 2018年5月16日 佐藤 典宏 手術 がん患者さん必見!外科医が教える、腕のいい理想的な外科医を見抜く方法 がんの手術が成功するためには、第1に経験豊富で腕のいい外科医に巡り会うことが必要条件となります。特に、複雑で難易度の高い手術であれば、なおさら外科医の経験や技能によって術後合併症や再発率に差がでる可能性があります。 では […]
2017年4月1日 / 最終更新日時 : 2024年11月16日 佐藤 典宏 がん情報 すべてのがん患者さんへ、まず最初に読んでほしい5記事を紹介! はじめまして、佐藤 典宏(さとう のりひろ)と申します。 当ブログをご訪問いただき、ありがとうございます。 わたくしは、福岡県北九州市の大学病院で外科医として働いています。日々、多くのがん患者さんのお世話をさせていただい […]
2017年4月1日 / 最終更新日時 : 2018年11月7日 佐藤 典宏 がん情報 たばこの喫煙は膵臓がんの死亡率上昇と関連:大規模前向き研究から 受動喫煙防止策により、飲食店などでの全面禁煙化がすすんでますね。たばこの健康被害は甚大ですから、国民の健康にとっては喜ばしいことです。私も以前たばこを吸ってましたが、もうやめて20年くらいになります。 さて、喫煙は膵臓が […]
2017年3月30日 / 最終更新日時 : 2020年12月6日 佐藤 典宏 マインド がんの手術を受けるみなさんへ、プレハビリテーション(予防的リハビリテーション)のすすめ! がんと診断され、手術を控えた多くの患者さんは、不安や心配な気持ちから、何も手に付かない状態でしょう。 実際に手術を終えた患者さんにお話を聞くと、手術の前のことは「ボーッとしていて、何をしていたかほとんど覚えていない」とい […]
2017年3月27日 / 最終更新日時 : 2019年8月20日 佐藤 典宏 がん情報 【医師が解説】新しい抗がん剤、分子標的治療薬ってどんなくすり?その効果は? がんの治療は日々進歩しています。 特に、ここ数十年でがんの分子レベルでの異常(タンパク質や遺伝子の変化)についての研究は飛躍的に進歩しました。そして、がん細胞に特異的にみられる分子異常を標的とした新しい抗がん剤が開発され […]
2017年3月26日 / 最終更新日時 : 2019年6月17日 佐藤 典宏 がん情報 要注意!がん患者にみられる腸閉塞(イレウス)の原因、症状、治療法について みなさんは、腸閉塞(ちょうへいそく)という病名を聞いたことがありますか?時々、芸能人が腸閉塞になったというニュースが報道されますね。 つい先日も、チューリップの財津和夫さん(69歳)が当初、腸閉塞と診断されていたところ、 […]
2017年3月23日 / 最終更新日時 : 2018年5月16日 佐藤 典宏 がん情報 膵臓がんの肺への転移は比較的予後がいい?オリゴメタ(少数転移)の可能性 膵臓がんが血流にのって遠隔転移(遠くの臓器への転移)をおこした場合、一般的には全身に広がった末期がん(あるいは終末期)とみなされ、場合によっては緩和医療のみで抗がん剤や手術など積極的な治療は行わないこともあります。 膵臓 […]
2017年3月18日 / 最終更新日時 : 2019年8月6日 佐藤 典宏 がんの予防 膵臓がんを疑う症状と危険因子について:早期発見の手がかりとして 膵臓がんの患者は年々増えており、日本における死亡者数は2013年には年間3万人を突破しました。 他のほとんどのがんの治療成績がよくなっている一方で、膵臓がん患者の5年生存率(治療開始から5年後に生存している人の割合)は未 […]
2017年3月15日 / 最終更新日時 : 2018年11月20日 佐藤 典宏 がん情報 消化器がんに対する腹腔鏡(ふくくうきょう)手術のメリット、デメリットとは? がんに対する治療の基本は、手術、抗がん剤(化学療法)、放射線治療のいわゆる三大療法ですが、なかでも手術による切除が最も根治性(完全に治癒する可能性)の高い治療法です。 しかし、従来の大きな切開(傷)による開腹手術は、体に […]
2017年3月13日 / 最終更新日時 : 2018年5月16日 佐藤 典宏 がんの予防 緑茶抽出物(カテキン)が大腸ポリープ/大腸癌を予防する:ランダム化比較試験 緑茶はすぐれた健康飲料であり、心臓病や脳血管疾患、およびがんを予防する効果があるといわれています。 実際に、緑茶を習慣的に摂取する人たちでは、これらの疾患で死亡するリスクが減少するという研究結果が示されています。 特に緑 […]
2017年3月8日 / 最終更新日時 : 2020年2月12日 佐藤 典宏 大腸がん 術前の予後栄養指数(PNI)が消化器がんの術後合併症と生存期間を決める! みなさんは、がんの手術がうまくいくかどうか(つまり術後合併症や生存期間)を決める上で重要なことは何だと思いますか? がんの手術の成績を決める因子としては、一般的には手術をする側の因子(例えば術者の腕や経験値)がクローズア […]
2017年3月5日 / 最終更新日時 : 2022年2月19日 佐藤 典宏 サプリメント 海洋性オメガ3脂肪酸(DHA/EPA/DPA)が大腸がんの生存期間を延長する:研究報告 オメガ3不飽和脂肪酸(PUFAs)には、がんの予防効果があることがわかっています。 例えば、細胞や動物実験レベルでは、オメガ3脂肪酸はがんの進行を抑制し、また血管新生(がんに必要な血管を活発につくる)を阻害することが報告 […]
2017年3月3日 / 最終更新日時 : 2018年11月7日 佐藤 典宏 がん研究 精神的・心理的苦痛はがんの死亡率を上昇させる!セルフチェックのすすめ 昔からよく「病(やまい)は気から」といいますが、実際に多くの研究によって、心血管病や脳卒中などの病気のリスクは、心理的な状態によって強く影響されることが証明されています。 がん(癌)おいても、一部の報告では、うつや不安な […]
2017年3月1日 / 最終更新日時 : 2024年10月7日 佐藤 典宏 がん情報 タマネギに驚きの抗がん成分:オニオンA(ONA)は卵巣がんの発育を抑制する 卵巣がんは、女性のがんの中でも非常に予後の悪いがんです。 特に、進行した卵巣がんの場合、がんが腹膜へ転移(播種:はしゅ)したり、腹水がたまることが多いのですが、手術で完全に切除することが困難となり、また抗がん剤もあまり効 […]
2017年2月25日 / 最終更新日時 : 2018年11月7日 佐藤 典宏 がん情報 術前化学療法(GS療法)がボーダーライン膵臓がんの生存期間を延長:日本からの報告 膵臓がんは、たとえ切除手術ができたとしても、再発・転移することが非常に多い難治がんです。特にがんが重要な血管に接していて、切除ができるかどうか微妙な場合(ボーダーライン膵臓がんといいます)には、手術をしてもがんが残ったり […]
2017年2月24日 / 最終更新日時 : 2018年5月16日 佐藤 典宏 がん情報 免疫チェックポイント阻害剤ペムブロリズマブ(キイトルーダ)が膀胱がんなど(尿路上皮がん)にも有効 新たな免疫チェックポイント阻害剤である抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(キイトルーダ)の勢いが止まりません。 2016年9月に悪性黒色腫に対する適応で承認され、同年12月には非小細胞肺がんに対する適応で承認されました。 さ […]
2017年2月23日 / 最終更新日時 : 2020年3月3日 佐藤 典宏 がんの予防 野菜・果物をとりましょう!食物繊維は膵臓がんのリスクを大幅に低下させる 膵臓がんは非常に予後(治療成績)が悪いがんであり、10年生存率はわずかに5%です。 最近では新しい抗がん剤やレジメン(投与の組み合わせ)の導入により、膵臓がん患者の生存率は少しずつですが改善傾向にあります。今後はさらに予 […]