2017年12月29日 / 最終更新日時 : 2019年6月26日 佐藤 典宏 QOL(生活の質) 抗がん剤治療中には感染症予防のために人混み、生もの(刺身)、ペットとの接触は避けるべきか? 一般的に、抗がん剤治療中はからだの抵抗力が低下します。 とくに抗がん剤の副作用で好中球(白血球の一種で、からだに侵入してきた細菌などと戦う細胞)が減っている患者さんでは、感染症にかかりやすくなるといわれています。感染が重 […]
2017年12月22日 / 最終更新日時 : 2018年5月15日 佐藤 典宏 副作用 抗がん剤治療の副作用としての筋肉量減少(筋肉やせ)に注意!生存率低下と相関 抗がん剤治療中には、筋肉量の減少がおこることがあります。 つまり、「筋肉やせ」です。 これは、食欲の低下によって食事量(特にたんぱく質の摂取量)が減ったり、疲労感などから活動性(運動量)が低下したり、あるいは代謝異常など […]
2017年12月18日 / 最終更新日時 : 2018年5月15日 佐藤 典宏 抗癌剤・分子標的薬 小細胞肺がんに新たな分子標的薬ベネトクラックス(BCL-2阻害剤)が有効 小細胞肺がん(small cell lung cancer, SCLC)は肺がん全体の10~15%と比較的少ないのですが、悪性度が高く予後が悪いがんとして知られています。 化学療法や放射線療法に対する感受性(効果)が高い […]
2017年12月14日 / 最終更新日時 : 2018年5月15日 佐藤 典宏 がん情報 膵臓がんに新たな治療:ヒアルロン酸を分解するPEGPH20と抗がん剤の併用が生存率改善 ヒアルロン酸は、細胞の外側に存在する細胞外マトリックスと呼ばれるもので、皮膚や関節などを中心に、体のあらゆる組織に存在します。 ヒアルロン酸は、その水分を保つ作用から、潤滑油やうるおい成分として重要な機能をはたしています […]
2017年12月11日 / 最終更新日時 : 2019年7月23日 佐藤 典宏 抗癌剤・分子標的薬 オシメルチニブ(タグリッソ)がEGFR変異陽性の非小細胞肺がんに有効:ファーストラインの標準治療になるか? 肺がんは日本においても増加傾向にあり、がん死亡率トップの難治がんです。 しかしながら、近年の分子標的薬の開発・臨床への導入によって進行性の非小細胞肺がん患者の生存率は少しずつ改善しつつあります。 たとえば、EGFR(上皮 […]
2017年12月8日 / 最終更新日時 : 2018年5月15日 佐藤 典宏 QOL(生活の質) がんによる体重減少と悪液質(カヘキシア)の治療にアナモレリンが有効:進行性肺癌患者での臨床試験 食欲不振および体重減少を特徴とする悪液質(カヘキシア)は、進行がん患者さんにとって生活の質を低下させるだけではなく、栄養状態を悪化させ直接的な死因となる最も厄介な問題です。 カヘキシアは通常の栄養サポートだけでは完全には […]
2017年12月5日 / 最終更新日時 : 2018年5月15日 佐藤 典宏 副作用 抗がん剤の副作用(好中球減少)の時期で治療効果を予測:転移性大腸がん患者での研究 抗がん剤治療による副作用は、患者さんにとって非常に厄介な問題であり、生活の質を低下させるばかりでなく、ときに治療を延期または中止せざる終えない事態を引き起こす原因になります。 一方で、「ある種の副作用がでたほうが、抗がん […]
2017年11月26日 / 最終更新日時 : 2019年7月26日 佐藤 典宏 抗癌剤・分子標的薬 膵臓がんに温熱療法(ハイパーサーミア)は効くのか?臨床研究の結果まとめ 膵臓がん(膵癌)は、しばしば抗がん剤や放射線治療に抵抗性を示すため、効果を高めるための併用療法が必要です。 温熱療法(ハイパーサーミア)は、固形癌に対する抗がん剤や放射線治療の効果を高める効果があります。 特に、膵臓がん […]
2017年11月24日 / 最終更新日時 : 2020年3月3日 佐藤 典宏 大腸がん 食物繊維は大腸がんの生存率(予後)を改善する:大規模データベース解析より がんの予防における食物繊維(dietary fiber)の重要性はみなさんご存じだと思います。 たとえば、食物繊維をたくさん摂ると大腸がんの発生率が下がるということは、多くの疫学研究で証明されています。 一方で、食物繊維 […]
2017年11月17日 / 最終更新日時 : 2018年5月15日 佐藤 典宏 がん情報 抗PD-L1抗体デュルバルマブ(durvalumab)が非小細胞肺癌の生存期間を有意に延長 切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌(小細胞癌という特殊なタイプ(組織型)以外の約80%の肺がん)は予後不良ながんですが、ここにきてその治療法は大きく変化しつつあります。 抗PD-1抗体薬であるオプジーボ(ニボルマブ)、キ […]
2017年11月12日 / 最終更新日時 : 2018年5月15日 佐藤 典宏 手術 肺がんステージ4の治療法:手術による局所治療追加で抗がん剤単独より生存率を大幅に改善 非小細胞肺がん(肺腺がん、肺扁平上皮がん、肺大細胞がん)のステージ4(遠隔転移を認める状態)に対する治療にはさまざまなものがあり、未だに確立されたものはありません。 一般的には、全身化学療法(抗がん剤)が治療の中心となり […]
2017年11月9日 / 最終更新日時 : 2018年11月7日 佐藤 典宏 放射線治療 胃・食道がんの脳転移に対する治療:腫瘍摘出術+定位放射線(ガンマナイフ)による長期生存例 食道がんや胃がんが脳に転移することは比較的まれで、すべての脳腫瘍の2~3%といわれています。 一般的に、消化器がんからの転移性脳腫瘍は非常に予後不良であり、これまで確立された治療法がありませんでした。 今回、日本から食道 […]
2017年11月5日 / 最終更新日時 : 2019年7月22日 佐藤 典宏 大腸がん がん診断後のライフスタイル(運動、昼寝、テレビ視聴時間)が大腸がんサバイバーの寿命を決定する がんの原因の1つとして、運動や食事、睡眠時間などの生活習慣(ライフスタイル)が関係しているといわれています。たとえば、定期的な運動をしない活動性の低い人はがんになりやすいことがわかっています。 また、がん診断後のライフス […]
2017年10月30日 / 最終更新日時 : 2019年10月24日 佐藤 典宏 がん情報 抗がん剤治療中の癌患者さんにインフルエンザ予防接種は有効で安全か? インフルエンザのシーズンになると、外来に通ってこられるがん患者さんから「インフルエンザの予防接種は受けたほうがいいですか?」という質問を受けることが増えてきます。 とくに、化学療法中(抗がん剤治療)のがん患者さんでは、「 […]
2017年10月28日 / 最終更新日時 : 2018年5月15日 佐藤 典宏 手術 FOLFIRINOX後のジェムザール+アブラキサンで局所進行切除不能膵臓がんが切除可能に! 膵臓がんは、初期には自覚症状に乏しいことより、多くの場合、診断時にはかなり進行しています。 なかでも、離れた臓器には転移を認めないが、がんが重要な血管に巻きついているために切除ができない状態、いわゆる「局所進行切除不能膵 […]
2017年10月25日 / 最終更新日時 : 2018年5月15日 佐藤 典宏 QOL(生活の質) がんの痛みと感染症の軽減にビタミンDのサプリメントが有効! ビタミンDはからだにとって非常に重要な栄養素であり、カルシウムの吸収と骨の正常な成長を促す以外にも細胞の成長、免疫機能の調節、炎症の抑制効果など様々な役目を果たしています。 さらに、ビタミンDとがんとの関係 […]
2017年10月18日 / 最終更新日時 : 2019年7月15日 佐藤 典宏 サプリメント タマネギの抗がん成分「ケルセチン」が膵臓がんの悪性化(増殖・浸潤・転移)を阻止! 野菜や果物など植物中に存在する天然の化学物質(ファイトケミカル)には、がんを予防したり進行を抑える作用をもつものがあります。 中でもタマネギに多く含まれるケルセチン(ポリフェノールの一種)は、強力な抗がん作用をもつことが […]
2017年10月16日 / 最終更新日時 : 2022年2月19日 佐藤 典宏 サプリメント がんに良い脂肪酸、悪い脂肪酸とは?EPA/アラキドン酸比率が低いとがん死亡リスク増加 最近、がんの発生や進行に関する脂肪酸(オメガ3脂肪酸やオメガ6脂肪酸)の役割についての研究がすすんでいます。 たとえば、海外からの研究では、EPAやDHAなどのオメガ3脂肪酸(PUFAs)には、がんの予防効果やがん患者の […]
2017年10月13日 / 最終更新日時 : 2020年6月1日 佐藤 典宏 サプリメント ケフィアががんに効く?様々なメカニズムで抗がん作用を発揮する最強のプロバイオティクス みなさんはケフィア(あるいはケフィアヨーグルト)をご存じですか? ケフィアは、一般のヨーグルトとは異なり、乳酸菌と酵母の複合発酵によって作り出される発酵乳で、長寿で有名なコーカサス地方などでの伝統食として話題を集めました […]
2017年10月10日 / 最終更新日時 : 2018年11月7日 佐藤 典宏 がん情報 【医師が解説】がん代替医療の生存率へあたえるインパクト:標準治療に比べ死亡リスクを2.5倍に増加 最近、手術、抗がん剤、放射線治療などの標準治療を拒否して代替医療(alternative medicine)を選択する有名人の報道をよく目にします。 例えば、アップル社の創始者で元CEOのスティーブ・ジョブズは、2003 […]
2017年10月8日 / 最終更新日時 : 2018年5月15日 佐藤 典宏 QOL(生活の質) センチネルリンパ節陽性の乳癌でも腋窩リンパ節郭清は必要ない?10年生存率の比較より 乳がん患者の手術では、これまで長い間、腋窩リンパ節郭清(腋のリンパ節の摘出)が行われてきました。 腋窩リンパ節郭清は局所を制御するよい方法ではありますが、一方で上肢リンパ浮腫(むくみ)、しびれ、上肢の挙上制限など、さまざ […]
2017年10月6日 / 最終更新日時 : 2018年5月15日 佐藤 典宏 がん情報 アドレナリンが膵臓がんの悪性度を高める!心配や不安・ストレスによるがん進行の理由 がん患者さんの多くは心配や不安といった心理的(精神的)苦痛を感じています。 最近の報告によると、この心理的苦痛が強いほど、がん患者の生存期間(余命)が短くなるということが明らかになりました。 でも、どうして心理的苦痛がが […]
2017年10月5日 / 最終更新日時 : 2019年6月17日 佐藤 典宏 がんの本 「生命力の磨き方」から学ぶ、がんを克服し奇跡的治癒をはたすためのマインドセット がんの奇跡的治癒は本当にあるのか?誰にでも起こせるのか?そして、どうやったら起こせるのか? 整形外科の医師であり、がん患者でもある保田賢児氏の著書「生命力の磨き方」のなかに、その答えがあります。 現代医療に頼らず、自分の […]
2017年10月3日 / 最終更新日時 : 2019年9月3日 佐藤 典宏 がんの予防 膵臓がんに効く可能性がある一般の薬5つ:アスピリン、メトホルミン、スタチン、β-ブロッカー、ビスフォスフォネート 手術手技の向上や強力な抗がん剤の導入にもかかわらず、膵臓がんの5年生存率は10%未満であり、消化器がんの中で最も予後不良ながんです。 新しい抗がん剤・分子標的薬の開発と同時に、一般に処方される薬のなかに、膵臓がんの予防や […]
2017年9月28日 / 最終更新日時 : 2018年5月15日 佐藤 典宏 がん研究 糖尿病とがんとの関係:高血糖(ブドウ糖)はがん細胞の遊走・浸潤を刺激して転移を促進する 糖尿病は、膵臓がんなどがん発症の危険因子として知られています。また、糖尿病はがんの発症リスクを高めるだけではなく、がんの進行(浸潤や転移)にも深く関わっていることが明らかとなってきました。 実際に、糖尿病や高血糖は、大腸 […]
2017年9月27日 / 最終更新日時 : 2018年5月15日 佐藤 典宏 QOL(生活の質) がん患者さんにみられる便秘の原因と対策(治療法)について:ガイドラインより がん患者さんによくみられる消化管症状のひとつに便秘があります。 報告によって異なりますが、がん患者の20~70%が便秘を経験するといわれています。 また、便秘はそれ自体が苦痛ですが、さらに食欲不振、嘔気、腹部の膨満(ぼう […]
2017年9月26日 / 最終更新日時 : 2018年5月15日 佐藤 典宏 がん情報 アスピリンによる大腸がんの生存率改善には免疫チェックポイント(PD-L1)が関与 解熱鎮痛剤として有名なアスピリンですが、最近ではがんを予防するだけではなく、がんによる死亡リスクを低下させる効果もあることが話題となっています。 例えば、大腸がんの診断後にアスピリンを常用した患者は、大腸がんによって死亡 […]
2017年9月25日 / 最終更新日時 : 2018年5月15日 佐藤 典宏 乳がん 転移性トリプルネガティブ乳がんをあきらめない!抗がん剤、ケトン食、温熱療法、高圧酸素療法による完全寛解 トリプルネガティブ乳がんは、乳がん全体のおよそ10~15%にみられ、比較的若い女性に多いとされています。他のタイプの乳がんよりも悪性度が高く、転移・再発しやすいのが特徴です。 また、一般的な乳がんの治療法であるホルモン療 […]
2017年9月24日 / 最終更新日時 : 2018年5月16日 佐藤 典宏 がんの予防 がんに効くフルーツ:ブラックベリー(ラズベリー)が免疫力を高める 大腸がん(結腸・直腸がん)の発生や進展(浸潤・転移)には、食事が深く関与していることがわかっています。 例えば、野菜・フルーツなど食物繊維が少なく、肉(とくに加工肉)が多い食事が大腸がんのリスクを高めることが証明されてい […]
2017年9月22日 / 最終更新日時 : 2018年5月16日 佐藤 典宏 がんの予防 炎症を抑える分子標的薬(抗インターロイキン-1β抗体)カナキヌマブが肺癌を抑制 慢性の炎症が、がんの発症や進展(増殖、浸潤、転移)に深く関与していることはよく知られています。 とくに肺がんは、アスベスト、喫煙、あるいは他の吸入毒によって引き起こされる持続性の炎症が原因であると考えられます。 これまで […]
2017年9月20日 / 最終更新日時 : 2018年5月16日 佐藤 典宏 がん研究 膵臓がんにジェムザールが効かない理由は細菌だった?抗生剤で治療効果が高まる可能性 膵臓がんに対する化学療法(抗がん剤治療)の選択肢は増えてきましたが、やはり現在でもゲムシタビン(ジェムザール)をベースとした治療が主体となっています。 たとえば、切除不能の膵臓がんに対しては、ゲムシタビン単独療法、ゲムシ […]
2017年9月18日 / 最終更新日時 : 2018年5月16日 佐藤 典宏 がん研究 がん患者のカヘキシア(悪液質)治療には有酸素運動が有効!オートファジーの関与 多くの進行がん患者にみられるカヘキシア(悪液質)とは、がんによる代謝異常や炎症によって引き起こされる骨格筋の持続性の喪失を特徴とした栄養障害のことです。 カヘキシアはがん患者の生活の質(QOL)を著しく低下させ、また進行 […]
2017年9月17日 / 最終更新日時 : 2018年5月16日 佐藤 典宏 QOL(生活の質) 高齢の切除不能すい臓がん患者に対する治療法選択:抗がん剤治療か支持療法(緩和医療)か? 日本における平均寿命の延長に伴い、高齢の膵臓がん(膵癌)患者が増えてきました。 手術成績の向上や新しい抗がん剤治療の導入などにより、膵臓がん患者の生存率は少しずつですが高まっています。切除不能の膵臓がんに対 […]
2017年9月11日 / 最終更新日時 : 2020年5月22日 佐藤 典宏 がん研究 大腸がんの抗がん剤耐性と再発の新たな原因を発見!恐怖の細菌フソバクテリウムとは? 大腸がんの罹患者および死亡者数は、世界的にも、また日本においても増加しています。 効果の高い抗がん剤や分子標的薬の導入により、大腸がんの予後は改善しつつあります。しかし、なかには抗がん剤が効かなくなる(薬剤耐性あるいは抗 […]
2017年9月9日 / 最終更新日時 : 2018年5月16日 佐藤 典宏 がんの予防 炎症を引き起こす食べ物は免疫力を弱めることで大腸がんリスクを高める:最新の研究報告 これまでの研究により、特定の食べ物(食事のパターン)によって腸に炎症が引き起こされ、大腸がんを発症するリスクが増加することが明らかとなってきました。 例えば、加工肉や赤身肉は大腸がんのリスクを高めることが分かっていますが […]