がんに対しては、手術、抗がん剤、放射線のいわゆる3大療法が治療の中心です。しかし、膵臓がんなどの予後が悪いがんに対しては治療の限界があります。
この限界を打ち破るために、第4の治療といわれる免疫療法の研究開発が急速にすすんでいます。
なかでも免疫チェックポイント阻害剤ニボルマブ(商品名オプジーボ)は、免疫細胞のブレーキを外すことでがんに対する攻撃力を復活させる画期的ながん免疫治療薬として期待されています(くわしくは、がん治療の新時代に突入:免疫チェックポイント阻害剤は夢のくすりか?)。
現在、オプジーボはメラノーマ(皮膚がん)、非小細胞肺がん、腎細胞がんに対して適応が承認されています。また、他のがんに対しても、オプジーボをふくめたチェックポイント阻害剤の臨床試験が進行中であり、近い将来、適応が拡大することが予想されます。
では難治がんとされる膵臓がんに対してオプジーボは効果があるのでしょうか?
膵臓がんに対するオプジーボの効果は?
膵臓がんに対する免疫チェックポイント阻害剤の効果については、他の抗がん剤との併用や、違う種類のチェックポイント阻害剤の組み合わせ治療など、いくつかの臨床試験で調査中です。
しかし、残念ながらこれまでの研究では、膵臓がんに対しては、オプジーボをはじめとする免疫チェックポイント阻害剤を単独で使用した場合の治療効果は低いという結果でした。
膵臓がんに免疫療法が効きにくい原因の一つに、間質(かんしつ)というがん細胞のまわりを取り囲む固い組織があります。
膵臓がんでは特に間質が分厚く、このためがんと戦う免疫細胞ががん細胞の近くまで到達しにくいと考えられています。実際に、膵臓がんの組織を顕微鏡で調べてみると、がんの近くに免疫細胞(Tリンパ球)の浸潤(しみこみ)が少ないことがわかっています。
つまり間質は、免疫細胞ががんに近づくのを防ぐバリアの役目をはたしていると考えられます。
膵臓がんに対する免疫療法の効果を高めるFAK阻害剤
膵臓がんに対する免疫療法の効果を高めるためには、この間質を標的とした治療戦略が必要です。
英国の一流医学雑誌ネイチャーメディシン(Nature Medicine)7月4日オンライン版に発表された論文は、この間質に関連した酵素(キナーゼ)をターゲットとした新しい治療戦略が、膵臓がんに対する免疫治療の効果を高める可能性を示した初めての研究報告です。
Targeting focal adhesion kinase renders pancreatic cancers responsive to checkpoint immunotherapy. (焦点接着斑キナーゼの標的化は膵臓がんをチェックポイント免疫療法に対して感受性にする)Nat Med. 2016 Aug;22(8):851-60
米国の研究グループによるこの研究では、膵臓がんで活性が高まっている焦点接着斑キナーゼ(フォーカルアドヒージョンキナーゼ、FAK)という酵素に着目しています。
このFAKは、体内の大部分の細胞で発現し、細胞の接着や新しい血管の形成(血管新生)など、さまざまな生理機能を調節しています。研究チームは、このFAKの活性上昇が、間質反応(線維化)の増加と腫瘍にしみこんでいるT細胞(免疫細胞)数の減少と関係していることを突き止めました。
そこで、マウスの膵臓がんモデルを用い、FAKを阻害する薬(VS-4718)単独および他の抗がん剤や免疫チェックポイント阻害剤(抗PD-1抗体)との併用効果を調べました。
その結果、このFAK害剤阻は、がんの間質反応を減らし、まわりにしみこむT細胞数を増加させ、単独投与では見られなかった免疫チェックポイント阻害剤の効果を高めることに成功したとのことです。
FAK阻害剤(デファクチニブなど)は実際にがん治療に有効であることが報告されつつあり、現在、膵臓がんを含めた様々ながんに対しての臨床試験が続けられています。
今回の研究結果はまだ動物実験の段階ですが、FAK阻害剤は、膵臓がんに対してオプジーボなどの免疫チェックポイント阻害剤の効果を高める新たな治療戦略になる可能性があります。
今後の臨床研究に期待したいですね。
免疫力を高める方法
免疫を担当する細胞には色々な種類がありますが、なかでも細胞傷害性リンパ球の一種であるナチュラルキラー細胞(NK細胞)は、がん細胞やウイルス感染細胞などの除去に重要と考えられています。
最近では、このNK細胞が、膵臓がん術後の再発を防いでいる可能性が示されました(ゲムシタビンによる膵臓がん術後の再発防止にはナチュラルキラー(NK)細胞が関与:研究報告)。
がんになる人、あるいはがん治療後に再発する人は、NK細胞などによる免疫監視機構が弱くなっていることが分っています。したがって、がんの予防や再発防止には、この免疫力(免疫監視機構)を強化することが大事なのです。
免疫力を高めるためにはどうしたらいいのでしょうか?
以下に、免疫力を高めるための5つの習慣をあげます。
1)規則正しい生活
- 睡眠時間をしっかりとる(7~8時間)
- 適度な運動を毎日
- 禁煙
- お酒は適度に
2)ストレスを減らす生活
3)免疫力をアップする食事
- 野菜を中心としたバランスのよい食事をとる
- 腹八分目、できれば小食(1日1~2食)
- 腸内細菌をととのえる(ヨーグルトや酵素をとる)
4)体温を上げる
- できるだけ部屋をあたたかくする
- サウナや熱めのお風呂にゆっくりつかる
- 冷たい飲み物はさけ、あたたかい飲み物を飲む
- 生姜(しょうが)、養命酒などをとる
5)サプリメント
- 免疫力を高めるサプリメントをとる
じつは臨床試験によって、免疫力を高めることが証明されたサプリメント(自然免疫活性成分)があるのです。
■臨床試験を実施し「自然免疫」を高めることが証明された。
■自然免疫を高めると言われるアガリクス、ハナビラタケ(有効成分はβグルカン)の55倍、メカブフコイダンの60倍、プロポリスにおいては1000倍以上も免疫活性が高いことが確認
まずは資料請求だけでもしてみてください。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
自然免疫を活性化させる新成分ブロリコ。プロポリスの1000倍以上のパワー。
応援よろしくおねがいします!
いつも応援ありがとうございます。 更新のはげみになりますので、「読んでよかった」と思われたら クリックをお願いします_(._.)_!
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓

佐藤 典宏

最新記事 by 佐藤 典宏 (全て見る)
- 糖質制限のすすめ:高糖質(炭水化物)食によって頭頸部がんの死亡リスクが増加 - 2018年4月19日
- 癌の自然退縮:大腸がん肝転移が自然治癒した1例 - 2018年4月9日
- 大腸癌の術後抗がん剤治療(FOLFOX/XELOX)は6ヶ月続けるべきか?ランダム化比較試験 - 2018年3月30日