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がんを克服するメンタルの強さ:いつも「最良のシナリオ」を思い描く

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古くから「病は気から」といいますが、わたしは「がん」においても同様のことが当てはまると感じています。

つまり、メンタルの持ち方によってがんの治療経過も変わってくるということです。

 

がん患者さんのほとんどは、「がんが進行して死ぬ自分の姿」を思い浮かべます。

たとえ治療がうまくいったとしても、「いつか再発・転移して死んでしまう」といった、最悪のシナリオを心に描いてしまいます。

これは、ある程度は仕方ないことです。

ただ、このような最悪のシナリオをいつも考えていると、現実になってしまうということを経験します。

また、絶望感や無力感などのネガティブな精神状態は、がんの予後を悪くすることが研究からも明らかになりつつあります。

今回は、がんを克服するメンタルの持ち方として、「最良のシナリオを心に描く」重要性についてのお話です。

がん患者はつねに「死」を意識する

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がんの告知を受けた、ほとんど全ての人が〝死〟を意識します

たとえ治る可能性が高い早期がんであっても、やはり死のイメージがつきまといます。

進行したがんや再発したがんでは、なおさらでしょう。

これは、ひとむかし前の「がん=不治の病」あるいは「がん=死」という固定観念のせいかもしれません。

たとえ主治医から「治療がうまくいけば、治る可能性が高い」と言われたとしても、がん患者さんはつねに最悪のシナリオを考えてしまいます。

 

たしかに、有効な治療法が少なかった時代には、がんは死の病でした。

がんになったドラマの主人公は必ず最後には死にますし、がん闘病を告白した有名人が、数ヶ月後には死亡したというニュースが流れることもめずらしくありません。

このようなマスコミの情報にさらされていると、「がんになったら死ぬもの」という気持ちになることは無理もないことだと思います。

 

しかし、このような最悪のシナリオは、じっさいには杞憂(きゆう)におわることが多いのです。

がん患者の6割近くは治る時代

最近は医療の進歩によってがんの治療成績が向上しつつあり、「がん=不治の病」はすでに過去のものとなりました。

国立がん研究センターによる最新のデータでは、がん患者全体の5年生存率はおよそ70%、10年生存率は60%近くまで向上している、という結果でした。

つまり、おおざっぱに言って、「がん患者さんの6割近くは治る」ということです。

今や「がん=治る病気」、あるいは「がん=長生きできる病気」とさえ言える時代なのです。

がんの痛みはコントロールできる

また、「がんになると必ず痛みに苦しみながら死を迎える」といった誤解があります。

もちろん、痛みが強いがんもありますが、基本的にはがんはそれ自体は痛みません。

がんが大きくなって神経を圧迫したり、骨に転移したり、あるいは臓器を巻き込んでトラブルをおこしたりした場合にだけ、痛みがでてきます。

さらに、鎮痛剤の進歩によって、がんの痛みのコントロールは格段によくなりました。

最近では、がんの痛みに対しては「オピオイド」という医療用の麻薬を使います。

「麻薬を使うと中毒になる」、「麻薬を使うと寿命が短くなる」、あるいは「麻薬を使う=末期」と思う患者さんが多いのですが、これらはすべて誤解です。

適切に使えば、中毒になることはほとんどなく、寿命が短くなることもありません。また、がんの早期でも痛みの強さに応じて麻薬を使うこともあるのです。

「痛み苦しみながら死んでいく」というがんのイメージも、今や現実からかけ離れたものなのです。

「望まないこと」を考えると現実になる

少しスピリチュアルな話に感じるかもしれませんが、「望まないこと」ばかりを考えていると、それが現実になることが脳科学的にも証明されています。

脳には、入ってくる情報をふるいわけて意識を向ける優先順位を決定する、網様体賦活系(もうようたいふかつけい)、通称RAS(Reticular Activating System)と呼ばれる情報処理のシステムがあります。

『自動的に夢がかなっていく ブレイン・プログラミング』(サンマーク出版)によると、「望まないこと」ばかりを考えていると、RASはその「望まないこと」を探し続けることになるそうです。

その結果、まさに最悪の事態に陥ってしまうというわけです。

最良のシナリオを心に思い描く

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逆に、「望むこと」だけを考えると、RASは「望むこと」が現実になるまで全力で探し続けるのです。

例をあげてみましょう。

ある高級スポーツカーが欲しくなったとします。

すると、路上を走っているとき、必ずそのスポーツカーが目につくようになります。

とはいえ、急にそのスポーツカーが増えたわけではありません。

「このスポーツカーを手に入れたい」と望むことで、RASが意識を全面的にそのスポーツカーだけに向かわせ、それ以外の車を無視するからなのです。

 

だから、もし最悪のシナリオが思い浮かんだら、逆に「心から望む最良のシナリオ」を描きましょう。

たとえば、 

「がんが治って長生きし、孫の成長を見届ける」

「がんを克服して、毎年、家族と海外旅行に出かける」

「がんを根治して、今まで以上に仕事をバリバリこなしている」

「5年生存率が10%と言われたが、その10%に入って闘病記を執筆する」

といったことです。

このとき、未来の自分をイメージとしてリアルに感じることが大切です。

 

先ほど紹介した本の著者の1人、アラン・ピーズは、47歳のときに進行性の前立腺がんと診断されます。手術でがんがすべて取りきれず、医師から「余命は約3年で、生き残る人はわずか3%」と宣告されます。

しかし、彼は「先生、私はその3%のグループに入ることにします!」と宣言し、RASにがんが治った自分を書き込みます。

その結果、彼はがんを克服し、現在まで(16年間以上も)生き延びることができたのです。

たとえ進行がんで、統計学的には生存率が低いとしても、「必ず生き残る」と脳をプログラミングすることで現実化することを、自ら証明してみせたわけです。

 

がんになってもつねに前を向き、希望をもって毎日を過ごすべきです。

最悪のシナリオではなく、心から望む最良のシナリオを心に描き続けましょう

 

  • この記事を書いた人

佐藤 典宏

医師(産業医科大学 第1外科 講師)、医学博士。消化器外科医として診療のかたわら癌の基礎的な研究もしています。 標準治療だけでなく、代替医療や最新のがん情報についてエビデンスをまじえて紹介します。がん患者さんやご家族のかたに少しでもお役に立てれば幸いです。

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