【医師が徹底調査!】がん治療をサポートするフコイダンの5つの効果とは?

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フコイダンとは、褐藻類(かっそうるい)といわれるコンブ、ワカメ(メカブ)、モズクに含まれる特有のヌメリ成分(食物繊維)の一種です。あの「ネバネバ成分」ですね。

以前からがんの治療に効果があるとの噂があり、「抗がんサプリメント」としてネットでも話題になってきました。

おそらく多くのがん患者さんはフコイダンのことを聞いたことがあると思いますし、実際に試してみた方も多いと思います。

さて「がんに効く」といわれているフコダインですが、実際にはどうなのでしょうか?

今日は、このフコダインのがんに対する効果について調べてみました。

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がん治療をサポートするフコイダンの5つの効果

医学論文の文献検索サイトPubMed(パブメド)で、Fucoidan(フコイダン)とCancer(がん)の2つのキーワードを入力すると、200以上の論文がヒットしました。

つまり、多くの研究者がフコイダンとがんとの関係について研究している証拠です。しかし、そのほとんどは細胞や動物を使った実験で、人における臨床試験はほとんど無いのが現状です。

これらの論文を調べたところ、フコイダンは以下の5つの作用によってがんの治療効果を高める可能性があることがわかりました。

1.がん細胞に対する抗腫瘍(アポトーシス導入)作用

フコイダンは、様々な種類のがん細胞(乳がん、大腸がん、肺がん、前立腺がん、膀胱がん、肝臓がん、白血病細胞など)に対して増殖を抑制し、またアポトーシス(プログラムされた積極的な死)の経路を活性化してがん細胞を死に導くとされています。

さらに、動物実験ではフコイダンはがんの増殖を抑制し、転移を減少させることが示されています。

一例を紹介します。マウスを使った肺がんモデルでの実験です。この実験では、フコイダンをエサに混ぜて与えたところ、下図のようながんの増殖抑制効果がみられました。

フコイダン肺がんマウス実験

Oncotarget. 2014 Sep 15;5(17):7870-85.より引用(一部改変)

2.血管新生を抑制する作用

がんが大きく成長するためには、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)などの物質を分泌し、新しく血管をつくる必要があります。これを血管新生(アンジオジェネシス)といいます。

フコイダンは、がん細胞によって誘発されるこの血管新生を抑えることが報告されています。この結果、フコイダンを与えたマウスでは、様々ながん(肺癌など)の増殖が抑制されることが証明されています。

3.免疫力を高める作用

フコイダンは、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)の数を増やし、また同時にその活性を高めることが確認されています。NK細胞は、人間の免疫システムをつかさどる重要な免疫細胞です。体内にウイルスや病原体が入り込んだり、がん細胞など異常な細胞が発生した際に、最初に攻撃を始めるのがこのNK細胞です。

またフコイダンは、がん細胞を殺傷する役目のキラーT細胞(細胞傷害性T細胞)とよばれるリンパ球を増加させるとの報告もあります。

4.抗がん剤の効果を高める作用

通常の抗がん剤と同時にフコイダンを投与することで、治療の効果を高めると報告されています。

例えば、フコイダンは、HER2陽性乳がん等に対して使われている分子標的薬(チロシンキナーゼ阻害剤)であるラパチニブ(タイケルブ)のがん増殖抑制効果を相乗的に高めることが報告されています(Evid Based Complement Alternat Med. 2014;2014:865375. doi: 10.1155/2014/865375.)。

5.がんや抗がん剤治療にともなう筋肉の萎縮を改善する作用

フコイダンは、がんや抗がん剤治療が原因の筋肉の萎縮を改善することが動物実験で示されています。

筋肉の萎縮(サルコペニア、いわゆる筋肉やせ)はがんの予後を悪くする原因ですので、フコイダンで筋肉の萎縮を予防することはがんの治療にもよい影響を与えると考えられます。

人におけるフコイダンの効果(臨床試験)

細胞や動物実験に比べ、人におけるフコイダンの研究は少ないのが現状です。

大腸がん患者を対象に、フコイダンが通常の抗がん剤治療の効果を高めるか、また抗がん剤の副作用を減らすことができるかについての日本からの論文を紹介します。

Ikeguchi, M., Yamamoto, M., Arai, Y., Maeta, Y., Ashida, K., Katano, K., Miki, Y., Kimura, T. Fucoidan reduces the toxicities of chemotherapy for patients with unresectable advanced or recurrent colorectal cancer. Oncology letters 2, 319-322, 2011

20名の切除不能の進行または再発大腸がん患者のうち、通常の抗がん剤治療(FOLFOXまたはFOLFIRIという標準的な抗がん剤組み合わせ)だけのグループと、フコイダンを併用したグループとに分けて、副作用と治療成績(生存期間)について検討しています。

ちなみにフコイダンは沖縄もずくから抽出したものを用い、患者は1日におよそ4グラムのフコイダンを含む液体を化学療法開始の日から6ヶ月間内服しました。

結果を示します。

● フコイダンを併用したグループでは、抗がん剤の副作用である疲労感が60%から10%へと減少していた。しかし、下痢、神経障害、骨髄抑制などの副作用はフコイダンでは軽減しなかった。

● フコイダンを併用したグループでは、抗がん剤だけの治療グループと比べて長く治療を続けることができた(平均19.9サイクル vs 10.8サイクル、P=0.016)

● 統計的には有意な差はなかったが、フコイダンを併用したグループの方が、抗がん剤だけのグループに比べて生存期間が長い傾向にあった

● 両グループともに重大な副作用はみられなかった。

これらの結果より、フコイダンには抗がん剤治療の副作用(疲労感)を軽減する効果と、生存率を向上させる効果が期待されるとしています

しかしながら、この研究では症例数が少なすぎる(各グループ10名)ことより、今後、さらに多くの患者さんを対象とした大規模なフコイダンの臨床研究が必要だと考えられます。

追記

最近、転移性大腸がん患者さんを対象とした二重盲検ランダム化比較試験において、低分子フコイダンの治療効果について調査した研究結果が報告されました。詳しくは以下のページをどうぞ!

フコイダンを含む食品は?

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フコイダンは、昆布、わかめ、メカブ、モズクなどの海藻に多く含まれます。

とくに、北海道・函館周辺の海域に生息する「ガゴメ昆布」には通常の真昆布と比較すると約3倍ものフコイダンが含まれています。またモズクではオキナワモズクにフコイダンが多く含まれています。

これらの食品からフコイダンをとりましょう。ただ、このような海藻類を毎日の食事で摂るのは意外と難しいかもしれません。そのような場合は、サプリメントで摂取するという方法もあります。

フコイダンがたっぷり入ったサプリメントがいいですね。

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