2017年7月23日 / 最終更新日時 : 2019年5月31日 佐藤 典宏 QOL(生活の質) 進行がんに伴うカヘキシア(悪液質)に効果が期待される栄養素・サプリメント5つ 進行がん患者にみられるカヘキシア(悪液質)とは、骨格筋の持続性の喪失を特徴とした栄養障害であり、食事がとれなくなることに加え、癌による代謝の異常や全身の炎症が原因と考えられています。 カヘキシアはがん患者のQOLを著しく […]
2017年7月3日 / 最終更新日時 : 2020年8月12日 佐藤 典宏 がん情報 何故がん患者さんは死ぬのか?がん末期の状況と実際の死因を医師が解説 がんが進行すると、最終的には命を落とすことになります。しかし、何故がん患者さんは死ぬのでしょうか?直接的な死因は何なのでしょうか? 今回は、がん患者さんはいつ、どのようにして命を落とすのかについて考察します。 がんで死亡 […]
2017年6月13日 / 最終更新日時 : 2019年6月7日 佐藤 典宏 がん情報 オラパリブは転移性乳がん(BRCA遺伝子変異陽性)の生存率を改善 転移を認める乳がんに対する治療には限界があり、新たな治療薬の開発・導入に期待が集まっています。 オラパリブ(アストラゼネカ)は新しい経口分子標的薬であり、DNAの修復酵素であるPARP(ポリADP-リボースポリメラーゼ) […]
2017年6月12日 / 最終更新日時 : 2020年8月6日 佐藤 典宏 がん情報 腫瘍マーカーの種類とがんの診断・治療・経過観察における役割について 腫瘍マーカーとは、ごく簡単にいうと、血液中の特殊なタンパク質などの濃度で、がんの存在や広がり(あるいは再発)などが予測できる検査のことです。がんの種類によってAFP、CEA、CA19-9、CA125、SCC、PSAなどい […]
2017年6月6日 / 最終更新日時 : 2018年5月16日 佐藤 典宏 がん情報 がん患者さんを襲う緊急事態オンコロジカル・エマージェンシーとは? オンコロジカル・エマージェンシーとは、がん(悪性腫瘍)そのものが原因でおこったり、がんの治療の結果、命をおびやかす急性の病態のことをいいます。 なかには死亡につながる重篤なものが含まれるため、これらの初期症状に気付き、で […]
2017年5月26日 / 最終更新日時 : 2018年11月7日 佐藤 典宏 がんの本 がん治療の病院選びで悩んだときに参考になる本3冊 がんと診断されたら、どの病院で治療を受けますか? 治療を受ける病院を選ぶことは、がん患者さんにとって最初の大仕事といえます。なぜならば、病院によって治療の内容や質、さらには治療成績(予後)が変ってくる可能性があるからです […]
2017年5月23日 / 最終更新日時 : 2018年5月16日 佐藤 典宏 がん情報 アテゾリズマブ(抗PD-L1抗体)がトリプルネガティブ乳がん患者の生存期間を延長 トリプルネガティブ乳がんに対しては、ホルモン療法やハーセプチンなどのHER2標的の分子標的薬の効果が期待できないため、通常の抗がん剤治療が中心となります。しかし、抗がん剤が効きにくいタイプもあり、新たな治療 […]
2017年5月10日 / 最終更新日時 : 2018年5月16日 佐藤 典宏 がん情報 膵臓がんに対するゲムシタビン(ジェムザール)とS-1(ティーエスワン)の併用療法の効果 切除手術ができない転移性膵臓がんや局所進行膵臓がんに対しては、抗がん剤治療が中心となります。長らくゲムシタビン(ジェムザール)の単独投与が行われていましたが、生存期間は1年未満のままでした。 最近ではいくつかの新しい抗が […]
2017年5月9日 / 最終更新日時 : 2017年5月17日 佐藤 典宏 がん情報 脳転移(転移性脳腫瘍)でもあきらめない!10年生存例の解析 脳転移(転移性脳腫瘍)とは、肺がんや乳がんなど、脳以外の部位にできたがんが脳に転移した状態をいいます。 一般的に脳転移が認められた場合、がんの終末像(いわゆる末期の状態)とされ、治癒する可能性はほとんどないと考えられてい […]
2017年4月14日 / 最終更新日時 : 2018年8月9日 佐藤 典宏 がん情報 無症状の膵臓がんは予後がいいのか?研究報告と尾道方式がもたらした重要なヒント 膵臓がんは、早期には症状が乏しいことより、多くの患者さんは切除不能の進行した状態で診断されます。 ただ最近では、症状のない段階で膵臓がんと診断される患者さんが増えているように思います。これは、1つには膵臓がんの危険因子( […]
2017年4月1日 / 最終更新日時 : 2024年11月16日 佐藤 典宏 がん情報 すべてのがん患者さんへ、まず最初に読んでほしい5記事を紹介! はじめまして、佐藤 典宏(さとう のりひろ)と申します。 当ブログをご訪問いただき、ありがとうございます。 わたくしは、福岡県北九州市の大学病院で外科医として働いています。日々、多くのがん患者さんのお世話をさせていただい […]
2017年4月1日 / 最終更新日時 : 2018年11月7日 佐藤 典宏 がん情報 たばこの喫煙は膵臓がんの死亡率上昇と関連:大規模前向き研究から 受動喫煙防止策により、飲食店などでの全面禁煙化がすすんでますね。たばこの健康被害は甚大ですから、国民の健康にとっては喜ばしいことです。私も以前たばこを吸ってましたが、もうやめて20年くらいになります。 さて、喫煙は膵臓が […]
2017年3月27日 / 最終更新日時 : 2019年8月20日 佐藤 典宏 がん情報 【医師が解説】新しい抗がん剤、分子標的治療薬ってどんなくすり?その効果は? がんの治療は日々進歩しています。 特に、ここ数十年でがんの分子レベルでの異常(タンパク質や遺伝子の変化)についての研究は飛躍的に進歩しました。そして、がん細胞に特異的にみられる分子異常を標的とした新しい抗がん剤が開発され […]
2017年3月26日 / 最終更新日時 : 2019年6月17日 佐藤 典宏 がん情報 要注意!がん患者にみられる腸閉塞(イレウス)の原因、症状、治療法について みなさんは、腸閉塞(ちょうへいそく)という病名を聞いたことがありますか?時々、芸能人が腸閉塞になったというニュースが報道されますね。 つい先日も、チューリップの財津和夫さん(69歳)が当初、腸閉塞と診断されていたところ、 […]
2017年3月23日 / 最終更新日時 : 2018年5月16日 佐藤 典宏 がん情報 膵臓がんの肺への転移は比較的予後がいい?オリゴメタ(少数転移)の可能性 膵臓がんが血流にのって遠隔転移(遠くの臓器への転移)をおこした場合、一般的には全身に広がった末期がん(あるいは終末期)とみなされ、場合によっては緩和医療のみで抗がん剤や手術など積極的な治療は行わないこともあります。 膵臓 […]
2017年3月15日 / 最終更新日時 : 2018年11月20日 佐藤 典宏 がん情報 消化器がんに対する腹腔鏡(ふくくうきょう)手術のメリット、デメリットとは? がんに対する治療の基本は、手術、抗がん剤(化学療法)、放射線治療のいわゆる三大療法ですが、なかでも手術による切除が最も根治性(完全に治癒する可能性)の高い治療法です。 しかし、従来の大きな切開(傷)による開腹手術は、体に […]
2017年3月1日 / 最終更新日時 : 2024年10月7日 佐藤 典宏 がん情報 タマネギに驚きの抗がん成分:オニオンA(ONA)は卵巣がんの発育を抑制する 卵巣がんは、女性のがんの中でも非常に予後の悪いがんです。 特に、進行した卵巣がんの場合、がんが腹膜へ転移(播種:はしゅ)したり、腹水がたまることが多いのですが、手術で完全に切除することが困難となり、また抗がん剤もあまり効 […]
2017年2月25日 / 最終更新日時 : 2018年11月7日 佐藤 典宏 がん情報 術前化学療法(GS療法)がボーダーライン膵臓がんの生存期間を延長:日本からの報告 膵臓がんは、たとえ切除手術ができたとしても、再発・転移することが非常に多い難治がんです。特にがんが重要な血管に接していて、切除ができるかどうか微妙な場合(ボーダーライン膵臓がんといいます)には、手術をしてもがんが残ったり […]
2017年2月24日 / 最終更新日時 : 2018年5月16日 佐藤 典宏 がん情報 免疫チェックポイント阻害剤ペムブロリズマブ(キイトルーダ)が膀胱がんなど(尿路上皮がん)にも有効 新たな免疫チェックポイント阻害剤である抗PD-1抗体ペムブロリズマブ(キイトルーダ)の勢いが止まりません。 2016年9月に悪性黒色腫に対する適応で承認され、同年12月には非小細胞肺がんに対する適応で承認されました。 さ […]
2017年2月20日 / 最終更新日時 : 2018年11月7日 佐藤 典宏 がん情報 スタチン(高コレステロール血症薬)が膵臓がん患者の死亡率を低下:最新の報告より スタチンとは、高脂血症(高コレステロール血症)の治療薬で、現在では様々な種類が使われています。 このスタチンは、本来のコレステロールを低下させる作用とは別に、がんに対する作用について一躍注目を集めました。 これまでに多く […]
2017年2月8日 / 最終更新日時 : 2018年5月16日 佐藤 典宏 がん情報 ヒアルロン酸はがんを進行させる?新しい治療のターゲット ヒアルロン酸はからだのあちこちに存在する成分で、お肌のハリやうるおいを保つために必要な成分であるため、化粧品やサプリメントなどに使われています。 また、膝の痛みをやわらげる治療として、ヒアルロン酸注射が行われています。 […]
2017年1月24日 / 最終更新日時 : 2018年5月16日 佐藤 典宏 がん情報 再発性の頭頸部(とうけいぶ)がんに対するニボルマブの効果:第III相臨床試験 免疫チェックポイント阻害剤であるニボルマブ(抗PD-1抗体)の快進撃が止まりません。今回は、難治性といわれる再発性頭頸部(とうけいぶ)がんに対するニボルマブの治療効果についてです。 通常のプラチナ製剤による抗がん剤治療後 […]
2017年1月11日 / 最終更新日時 : 2019年6月27日 佐藤 典宏 がん情報 膵臓がん腹膜転移に対する新たな治療戦略(パクリタキセル+S1):日本からの研究結果 膵臓がんは非常に予後の悪い癌であり、5年生存率は依然として10%以下です。特に、膵臓がんは診断時にすでに転移していることが多く、外科的に切除ができないことが最大の問題となります。 膵臓がんの転移にはいろいろなパターンがあ […]
2016年12月23日 / 最終更新日時 : 2018年5月16日 佐藤 典宏 がん情報 高血糖(糖尿病)が大腸がん患者の生存率を低下させる理由:新たな研究報告 大腸がんは世界的に増加傾向にあります。 特に日本では近年大腸がん患者が急速に増加しており、最近の全国集計によると罹患数は男女合わせて第1位(2012年)、がん死亡数では第2位(2014年)になりました。 日本では同時に生 […]
2016年12月20日 / 最終更新日時 : 2019年6月29日 佐藤 典宏 がん情報 膵臓がんに新しい分子標的薬レファメチニブ(Refametinib)の効果期待:第I/II相臨床試験 膵臓がんはきわめて予後が悪い難治がんであり、転移を認める進行膵臓がんの平均の生存期間は未だに6~8ヶ月程度です。一刻も早く効果の高い抗がん剤の開発が必要です。 膵臓がんでは90%以上にKRAS遺伝子の変異がみられ、MAP […]
2016年12月15日 / 最終更新日時 : 2018年5月16日 佐藤 典宏 がん情報 がん治療を納得して受けるために!セカンドオピニオンのタイミングと注意点 がんの治療でもっとも大切なことは、自分のがんの状態や治療についての情報をしっかり集めること、そして主治医や家族と十分に話し合った上で、最終的に自分で選択した治療を納得して受けることです。 がんの診断や主治医が提案した治療 […]
2016年12月14日 / 最終更新日時 : 2018年5月16日 佐藤 典宏 がん情報 糖尿病は乳がん患者の予後(生存率)を悪化させるのか?最新のメタアナリシスより 糖尿病は世界的に増加傾向にありますが、日本においても増加の一途をたどっています。 糖尿病は、様々ながん発症のリスクとなることが報告されています。また、一部のがん(乳がんなど)では、糖尿病の既往があると、がんの予後(治療成 […]
2016年12月12日 / 最終更新日時 : 2018年5月16日 佐藤 典宏 がん情報 トリプルネガティブ乳がんに対する免疫チェックポイント阻害剤キイトルーダの効果 トリプルネガティブ乳がんは、エストロゲン、プロゲステロンという女性ホルモンの受容体と、HER2(ハーツー)という細胞の表面にあるがんを促進するタンパク質の受容体がすべて陰性の(発現していない)乳がんのことをいいます。 乳 […]
2016年12月10日 / 最終更新日時 : 2018年5月16日 佐藤 典宏 がん情報 炎症が膵臓がんの生存期間を決める:新たな予後因子CRP/アルブミン比率 昔から炎症とがん(悪性腫瘍)との間には深い関係があることが示されてきました。つまり、慢性の炎症はがんの原因となり、またがんを進行させることがわかっています。 最近、炎症の程度が、がん患者の生存期間を予測するマーカーとなる […]
2016年12月7日 / 最終更新日時 : 2018年5月16日 佐藤 典宏 がん情報 ゲムシタビンによる膵臓がん術後の再発防止にはナチュラルキラー(NK)細胞が関与:研究報告 膵臓がんの治療では、たとえ完全に腫瘍を取りのぞく手術(治癒切除)ができたとしても、局所(もともとのがんがあった部位)に再発したり、遠くの臓器に転移(遠隔転移)することが多いのが問題となっています。 このため、大半の膵臓が […]
2016年12月6日 / 最終更新日時 : 2019年12月2日 佐藤 典宏 がん情報 再発卵巣がん治療の革命?新規PARP阻害剤ニラパリブが生存期間を大きく延長 卵巣がんは初期症状が非常に乏しいため、患者の約80%がステージ3以上の進行がんの状態で発見されます。 切除可能な早期の卵巣がんの治療成績は良好ですが、再発・転移した卵巣がんの治療成績は決して満足できるものではありません。 […]
2016年12月4日 / 最終更新日時 : 2018年5月16日 佐藤 典宏 がん情報 「切除不能膵癌に対して免疫療法は推奨されるか?」膵癌診療ガイドライン2016年版より 膵臓がん患者の5年生存率(治療開始から5年後に生存している人の割合)は依然として10%以下であり、消化器がんの中では最悪の成績です。 特に、はなれた臓器に転移があったり、重要な血管を巻き込んでいる切除不能の膵臓がんに対す […]
2016年12月1日 / 最終更新日時 : 2018年11月20日 佐藤 典宏 がん情報 ガイドライン解説!「膵癌の発見(早期診断)はどのようにしたらよいか?」膵癌診療ガイドラインより 膵臓がんは年々増えており、日本における死亡者数は2013年には年間3万人を突破しました。 膵臓がん患者の5年生存率(治療開始から5年後に生存している人の割合)は10%以下であり、消化器がんの中では最悪の成績です。 この理 […]
2016年11月30日 / 最終更新日時 : 2018年5月16日 佐藤 典宏 がん情報 転移性膵臓がんに対するベストの1次+2次化学療法の生存期間は13.5ヶ月! 転移性膵臓がんに対してはさまざまな抗がん剤による治療が試されてきましたが、有効なものがほとんどなく、最も効果が高いとされるゲムシタビンを使っても生存期間(中央値)はわずか5~6ヶ月でした。 しかし、海外からの大規模臨床試 […]
2016年11月29日 / 最終更新日時 : 2018年11月7日 佐藤 典宏 がん情報 がん免疫療法オプジーボ(ニボルマブ)の安全性と有効性まとめ:27の臨床試験の総合評価 免疫チェックポイント阻害剤ニボルマブ(オプジーボ、抗PD-1抗体)の快進撃がとまりません。 現在、日本におけるオプジーボの適応疾患は、メラノーマ、非小細胞肺がん、および腎細胞がんに広がり、さらにホジキンリンパ腫および頭頸 […]