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マヌカハニーは乳がんに効くのか?アポトーシス誘導とインターロイキン6阻害

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最近、日本においても、がんに対する代替補完治療の効果・有用性が見直されつつあります。

とくに抗癌作用をもつ自然食品やサプリメントに注目が集まっています。

今回は、みなさんが普段からとっている蜂蜜(ハチミツ)についてです。

ハチミツががんに効くことは以前より知られていました。とくに、マヌカという植物の花から採れる貴重なハチミツであるマヌカハニー(Manuka Honey)は、さまざまながん細胞の増殖を抑制することが報告されています。

かの有名な済陽高穂(わたようたかほ)先生の「今あるガンが消えていく食事」のなかでも、がんを克服する食事療法として、はちみつ(マヌカハニー)の摂取が推奨されています。

一方で、マヌカハニーがどのようなメカニズムでがんの増殖・成長を抑えるのかについては未だ明らかではありません。

今回、マヌカハニーが乳がん細胞の増殖を抑制し、細胞死(アポトーシス)へと導くメカニズムについての研究論文を紹介します。

マヌカハニーとは

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マヌカハニーとは、マヌカ(ギョリュウバイ)という植物の花から採れるハチミツで、おもにニュージーランドで生産されています。

もともとは、その豊富な栄養素(ビタミン、ミネラル、酵素など)と強力な抗菌力から、殺菌・消毒作用や傷の治りを早める作用(創傷治癒)、胃腸の調子を整える作用、口内炎など炎症を抑える作用、さらに美容効果があるとして重宝されていました。

じっさいに、ニュージーランドではマヌカハニーは医薬品として使用されています。

マヌカハニーの作用のひとつに、潰瘍を治癒する作用があります。

ラットを用いた実験によると、マヌカハニーの投与炎症性サイトカイン(TNF-α、インターロイキン-1β、インターロイキン-6)を抑えることで胃の粘膜を保護し、(胃潰瘍の薬であるオメプラゾールと同じくらい)胃潰瘍を有意に改善することが示されています(Oxid Med Cell Longev. 2016;2016:3643824)。

また、マヌカハニーにはがん細胞の増殖を抑制する作用があることが実験より明らかとなっています。

例えば、マヌカハニーは乳がん、皮膚がん(メラノーマ)、大腸がん細胞の増殖を抑制することや、動物実験では皮膚がんに対する抗がん剤(パクリタキセル)の効果を高めることが示されています。

今回、最新の研究結果から、マヌカハニーが乳がん細胞の増殖抑制および細胞死を誘導するメカニズムが明らかとなりました。

マヌカハニーの乳がん細胞に対する抗腫瘍効果とそのメカニズム

The IL-6/STAT3 Signaling Pathway Is an Early Target of Manuka Honey-Induced Suppression of Human Breast Cancer Cells. Front Oncol. 2017 Aug 14;7:167. doi: 10.3389/fonc.2017.00167. eCollection 2017.

2つの代表的な乳がん細胞株(MDA-MB-231、MCF-7)を用いて、マヌカハニーによる治療が、細胞増殖、細胞死(アポトーシス)、コロニー形成能、および細胞遊走能(運動する能力)・浸潤能(まわりの組織へ入り込む能力)におよぼす効果について解析しました。

さらに、乳がんで活性化されており、腫瘍免疫(がんに対する免疫の反応)に関与するサイトカイン(インターロイキン6)とそのシグナル経路(STAT3)に対するマヌカハニーの影響についても調べました。

結果を示します。

■ マヌカハニーは、乳がん細胞の増殖を抑制した。

■ マヌカハニーは、ミトコンドリアに関連した酵素カズパーゼの活性化をうながし、アポトーシス(プログラムされた細胞死)を誘導した。

■ マヌカハニーは、乳がん細胞のコロニー形成を阻害した(下図)。

マヌカハニー乳がんコロニー形成

■ マヌカハニーは、乳がん細胞の遊走、浸潤を阻害した

 マヌカハニーは、乳がん細胞による血管新生を阻害した。

 マヌカハニーは、乳がん細胞におけるインターロイキン6/STAT3の活性を阻害した。

インターロイキン6(IL-6)は、もともとはB細胞に作用して抗体産生を誘導するB細胞刺激因子として発見されました。

最近の研究では、IL-6は免疫系細胞のみならず、乳がんや前立腺がんを始めとする種々のがん細胞の増殖にも深く関わっていることが報告されています。

一方、STAT3はIL-6のシグナル伝達分子であり、IL-6によって活性化されたSTAT3はがん細胞のアポトーシス阻害遺伝子の発現を亢進させ、細胞死への抵抗性を獲得することが実験より明らかとなっています。

したがって、IL-6/STAT3シグナル経路は自然免疫の制御因子であるばかりでなく、がんの悪性化に重要な役割をはたしていると考えられます。

マヌカハニーは、この乳がんで活性化されているIL-6/STAT3シグナル伝達経路をブロックすることにより、細胞をアポトーシスに導き、細胞増殖や遊走・浸潤に対する抑制作用を発揮していることが示唆されました。

 健康食品としてのマヌカハニー

マヌカハニーは、栄養価が高い高級なハチミツとして日本でも販売されていましたが、最近ではその人気も高まっています。

マヌカハニーを選ぶ際は、産地(ニュージーランド産のもの)に加え、その抗菌活性力の指標であるUMF(ユニーク・マヌカ・ファクター)値あるいはMGO値などがしっかりと明記された信頼のおけるものを選びましょう。

MGO値とは、抗菌作用を発揮する成分であるメチルグリオキサールが、1kg中に含まれるている量(mg)で表され、活性の強さを示します。

ちなみに、UMF値であれば10+以上MGO値では100+以上のグレードの高いものを選びましょう。

 おすすめのストロングマヌカハニー

20年以上にわたり養蜂業を専門にしてきた日本の老舗(TCN社)が、ニュージーランドで生産した、MGO値1100+(あるいはMGO値860+)という高い活性をもつストロングマヌカハニーがこちらです↓

というわけで、実際に試してみました!

MGO値860+(活性強度31+)のストロングマヌカハニーなんと24,900円です(グレードが高い=高価です)

最高級(MGO値1100+)のグレードは高すぎて手がでませんでした。

とはいえ、こちらのストロングマヌカハニーも十分すぎるくらい活性が高いです。

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500g入りで、ずっしり重いです!

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MGO値860+の表示があります。

P1010006蓋をあけてみると、普通のハチミツよりも色が濃く、どろっとしています。香りは上品な(?)ハチミツの香りです。

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味は・・・・え、美味しいじゃないですか(笑)食べにくいという意見もありますが、ぜんぜんそんなことはありません。

とにかく濃厚で、とてもよい香りがします。

もちろんそのまま食べてもよいのですが、パンに塗ったり、シリアルにかけたり、ヨーグルトにかけて食べるのがおすすめです。

もう少し安くなるといいのですが・・・

ぜひ毎日の健康維持のためにはじめたいですね!

ストロングマヌカハニー

  


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  • この記事を書いた人

佐藤 典宏

医師(産業医科大学 第1外科 講師)、医学博士。消化器外科医として診療のかたわら癌の基礎的な研究もしています。 標準治療だけでなく、代替医療や最新のがん情報についてエビデンスをまじえて紹介します。がん患者さんやご家族のかたに少しでもお役に立てれば幸いです。

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