2018年12月22日 / 最終更新日時 : 2019年6月16日 佐藤 典宏 抗癌剤・分子標的薬 膵臓がん手術後のFOLFIRINOX(フォルフィリノックス)療法で生存期間が50ヶ月超え 膵臓がん(膵癌)は、切除手術だけでは再発するリスクが非常に高いため、これを予防するために術後の補助化学療法(追加の抗がん剤治療)を行うことが一般的です。 欧米では、術後にゲムシタビン(ジェムザール)が長く使われてきました […]
2018年12月7日 / 最終更新日時 : 2018年12月7日 佐藤 典宏 がん遺伝子検査 トリプルネガティブ乳がんのリスクを高める生まれながらの遺伝子変異を発見 トリプルネガティブ乳がんは、乳がん全体のおよそ10~15%にみられ、比較的若い女性に多いことが特徴です。 エストロゲン受容体、プロゲステロン受容体、およびがん細胞の増殖に関わるHER2(ハーツー)のすべてが陰性(ネガティ […]
2018年11月22日 / 最終更新日時 : 2019年7月10日 佐藤 典宏 膵臓がん 膵消化酵素補充療法(PERT)の重要性:すい臓がん患者の生存期間を延長 すい臓がん患者では、病状が進行するにしたがい、栄養状態の悪化および体重減少に悩まされることになります。 例えば、60~80%の進行膵臓がん患者は、カヘキシア(悪液質:あくえきしつ)という、代謝障害を伴う重度の骨格筋の萎縮 […]
2018年11月9日 / 最終更新日時 : 2018年11月9日 佐藤 典宏 QOL(生活の質) 標準治療、非標準治療の枠組みを超えた「いいとこどり」のがん治療 がんと診断され、主治医から治療法の説明を受けた患者さんは、短時間のあいだに「とても難しい選択」を強いられることになります。 主治医から「どれがいいですか?」と聞かれても、即答できる人はほとんどいないでしょう。   […]
2018年10月30日 / 最終更新日時 : 2018年10月30日 佐藤 典宏 がん遺伝子検査 膵臓がん患者の約5%に生まれつきの遺伝子変異(生殖細胞変異)を確認 膵臓がんの原因として、複数のがん関連遺伝子に変異が蓄積することが指摘されています。 たとえば、がん遺伝子(アクセル)であるKRAS(ケーラス)遺伝子の変異は膵臓がんで最も多い遺伝子異常であり、初期の前がん病変からみられ、 […]
2018年10月18日 / 最終更新日時 : 2018年10月18日 佐藤 典宏 がんの予防 胃がんの最大の原因 ピロリ菌感染について医師が解説:検査と除菌治療で大丈夫? 最近、中尾翔太さん(享年22歳)、山本KID徳郁さん(享年41歳)と、若くして「胃がん」で亡くなった有名人の報道が相次ぎました。 胃がんは全体的には高齢者に多い病気ですが、50歳未満の若い人にも発症します。 とくに予後( […]
2018年10月11日 / 最終更新日時 : 2018年10月11日 佐藤 典宏 副作用 がん患者さんのお腹が膨らむ原因は?気をつける症状と自分でできる対策 がん患者さんでは、さまざまな原因でお腹が膨らむ(張る)ことがあります。 この状態を、医学的には腹部膨満(ふくぶぼうまん)といいます。 一時的なこともありますが、徐々に悪化し、お腹がパンパンに腫れてしまうケースもあります。 […]
2018年10月2日 / 最終更新日時 : 2019年6月26日 佐藤 典宏 免疫治療 免疫チェックポイント阻害薬はがん患者全員に効く夢の薬か?医師が解説 Q:免疫チェックポイント阻害薬は、がん患者全員に効果があるのか? A:免疫チェックポイント阻害薬は、10~30%のがん患者に効果が期待される。 2018年10月1日、京都大高等研究院の本庶佑(ほんじょ・たすく)特別教授は […]
2018年9月25日 / 最終更新日時 : 2018年9月27日 佐藤 典宏 がんの予防 大腸がんを予防するための生活習慣!早めの夕食、食後の散歩、適度な睡眠時間 皆さんは、何時頃に夕食を食べ、何時頃に寝ていますか? 夕食後に散歩していますか? また、睡眠時間はどのくらいですか? 要約:大腸がんと生活習慣との関係を調査した論文によると、1.夕食から寝るまでの時間が短い(3時間未満) […]
2018年9月20日 / 最終更新日時 : 2019年9月17日 佐藤 典宏 再発・転移 膵臓がん:手術後すぐに再発する人しない人の違いとは?957例の解析より 要約:膵臓がん(膵癌)が手術後1年以内に再発する人は、術前に① 重い持病(併存疾患)があり、② 腫瘍サイズが3cmより大きく、③ 術前の腫瘍マーカー(CA19-9)が高い(>210 U/ml)ことが多かった。 膵臓がんの […]
2018年9月15日 / 最終更新日時 : 2019年12月27日 佐藤 典宏 QOL(生活の質) エビデンスに基づいた「がん患者さんのための補完代替医療」米国ガイドラインより がんの告知を受け、治療を続ける患者さんの多くは、不安や精神的ストレスなど精神的な問題をかかえています。 また、抗がん剤などの治療にともなう副作用は、患者さんの生活の質をいちじるしく低下させます。 このような問題を解決する […]
2018年9月13日 / 最終更新日時 : 2018年9月13日 佐藤 典宏 がん情報 がんの再発はどんな検査で診断するのか?消化器がんの場合 がんの治療で最も問題となるのは、やはり「再発」です。 「再発するか・しないか」によって、がん患者さんの運命が決まるといっても過言ではないでしょう。がんが再発すると治療が難しくなり、完治する可能性は低くなります。 せっかく […]
2018年9月11日 / 最終更新日時 : 2018年9月11日 佐藤 典宏 手術 腹腔鏡手術は開腹手術より危険で死亡リスクが高い?迷っている患者さんへ がん治療の選択肢の一つとして、手術は多くの患者さんに提示されます。 医療の進歩によって手術の安全性は高くなってきました。しかしながら、手術にともなう合併症や死亡リスクをゼロにすることはできません。 近年、急速に普及してき […]
2018年9月6日 / 最終更新日時 : 2019年6月17日 佐藤 典宏 サプリメント 大腸がんでも長生き!エビデンスにもとづいた「免疫力を高める」5つの生活習慣とは? 大腸がん患者は増加の一途をたどっています。 日本における2017年のがん罹患者数予測(男女計)では、大腸がん患者は15万人ちかくまで増えており、胃がんや肺がんをおさえて第1位となっています。 分子標的薬など最近の治療の進 […]
2018年8月31日 / 最終更新日時 : 2019年2月3日 佐藤 典宏 運動 【運動不足解消】サルコペニアを防ぐための便利な健康グッズ2点使ってみた感想 年齢とともに筋肉量は減少します。 筋肉量の減少は30代から始まり、70~80歳では30%以上も減少するといわれています。 筋肉量が減り、筋力や歩行などの身体機能が低下する状態を「サルコペニア」と呼びます。 このサルコペニ […]
2018年8月29日 / 最終更新日時 : 2018年9月15日 佐藤 典宏 がんの本 がんの治療をうける人にお勧めの本(その2):免疫・代替補完・緩和医療編 前回に引き続き、(治療別)がん患者さんにお勧めの本を紹介します。 今回は、免疫療法、代替補完療法(統合医療)、そして緩和医療についてです。 がん患者さんにおすすめの本 1.免疫療法をうける患者さんへ これで分かる!「がん […]
2018年8月28日 / 最終更新日時 : 2018年11月7日 佐藤 典宏 がんの本 がんの治療をうける人にお勧めの本(その1):手術・抗がん剤・放射線治療編 「がんは情報戦」とも言えます。 がんに対する標準治療、最新のがん治療、あるいは治療による副作用の対処法など、知っている人と知らない人では治療の成績(つまり生存期間)が変わってくる可能性があります。 多くの人はインターネッ […]
2018年8月24日 / 最終更新日時 : 2020年7月14日 佐藤 典宏 がんの予防 膵臓がんの予防にビタミンは有効か?最新のメタ解析より 「ビタミンなどのサプリメントは、がんの予防に有効か?」 この話題に関しては、長く議論され続けていますが、賛否両論あり、いまだに一定の見解は得られていません。 とくに、「予後がきわめて悪い”膵臓がん”の発症率とビタミン摂取 […]
2018年8月23日 / 最終更新日時 : 2018年8月23日 佐藤 典宏 サプリメント 筋トレ後のホエイプロテイン摂取で筋肉量増加:サルコペニア予防に有効な可能性 がん患者さんにとって、筋肉を維持することはとても大切です。 一般的に、年齢とともに筋肉量と筋力は低下していきますが、骨格筋量と筋力・身体機能が異常に低下した状態をサルコペニアと呼びます、 このサルコペニアは、加齢によるも […]
2018年8月21日 / 最終更新日時 : 2019年12月11日 佐藤 典宏 がん研究 アサイー(アサイーベリー)はがんを抑制する:最新の研究結果まとめ がん患者さんには、適量のフルーツ(果実)をおすすめしています。 フルーツには、酵素が含まれていることより消化を助け、また抗酸化作用や抗炎症作用を有するものがあり、がんの予防や治療に効果が期待されています。 なかでも、アサ […]
2018年8月17日 / 最終更新日時 : 2018年8月17日 佐藤 典宏 がん情報 大腸がんの原因は口の中にいる歯周病菌(フソバクテリウム)? 最近、がんと細菌(とくに歯周病菌)との関係がクローズアップされてきました。 例えば、フソバクテリウム(Fusobacterium)という細菌は、おもに口の中に存在する常在菌(嫌気性のグラム陰性菌)で、もともと歯周病の原因 […]
2018年8月7日 / 最終更新日時 : 2018年8月7日 佐藤 典宏 がん遺伝子検査 遺伝子検査によって治癒可能なオリゴメタを診断!大腸がん肝転移の解析より 最近、オリゴメタという言葉をよく耳にします。 オリゴメタ(oligometastasis: オリゴメタスターシス)とは、がんが遠くの臓器に転移しているものの、少数にとどまっており、その転移を切除すれば治癒がえられる可能性 […]
2018年8月2日 / 最終更新日時 : 2020年11月20日 佐藤 典宏 がんの本 身近な人が癌になった時どうしますか?がん患者さんの家族・親戚・友人におすすめの本5冊 がんは、患者さんだけでなく、家族をふくめ、まわりの人にも大きな影響を与えます。 とくに、がん患者さんの家族は色々な悩みや問題を抱えることになります。 たとえば「がんを患った家族にどう接したらいいのかわからない」、「家族と […]
2018年7月30日 / 最終更新日時 : 2021年3月24日 佐藤 典宏 乳がん リンゴや四季柑に含まれるポリフェノール、フロレチンの抗がん作用:最新の研究結果 リンゴなどのフルーツをたくさん食べる人は、がんの発症率が低いことが明らかとなっています。 また、以前の記事で紹介したように、乳がんの再発を防ぐための食べ物のひとつに、リンゴがあります。 関連記事:【医師が解説】覚えて […]
2018年7月28日 / 最終更新日時 : 2020年8月2日 佐藤 典宏 生活習慣 がん患者さんの熱中症対策:エアコン、経口補水液(オーエスワン)、冷却グッズ 梅雨が明けたとたん、ほんとうに暑いですね。 みなさんいかがお過ごしでしょうか? 私の住む福岡でも、連日、最高気温が35度を超えており、今までに経験したことのないような暑さです。 今後、熱中症のため病院に救急搬送される人が […]
2018年7月27日 / 最終更新日時 : 2018年7月27日 佐藤 典宏 免疫治療 胃がん肝転移をあきらめない!ニボルマブ(オプジーボ)による癌の消失(完全奏効) 手術および化学療法(とくに分子標的薬)の進歩によって、進行胃がんの治療成績(予後)は向上しつつあります。 しかしながら、転移や再発を認める手術ができない(切除不能)胃がんの生存率は、いまだ厳しい状況です。 免疫にかかった […]
2018年7月25日 / 最終更新日時 : 2024年10月7日 佐藤 典宏 サプリメント ビタミンDのサプリメントで肺がん術後の生存率が改善:ランダム化比較試験 一般的には、「サプリメントではがんは治らない」あるいは、「がんに効くサプリメントはない」といわれています。 一方で、多くの実験データや研究により「一部のサプリメントにはがんの発生や進行を抑える効果がある」こ […]
2018年7月17日 / 最終更新日時 : 2019年6月22日 佐藤 典宏 がんの予防 乳がんを予防するために最も効果的なフルーツと野菜は?最新の研究結果 乳がんは、女性における罹患率1位のがんです。 2017年の部位別がん予測罹患数によると、乳がんは89,100人であり、女性における全てのがんのおよそ20%を占めています(がん研究振興財団「がんの統計 ’17」 […]
2018年7月9日 / 最終更新日時 : 2020年1月15日 佐藤 典宏 がんの予防 胃がんで死なないために:危険因子、症状、早期診断法、治療、予後(生存率)まとめ また一人、若くして胃がんで亡くなった芸能人のニュースが報道されました。 EXILE一族のダンス&ボーカルグループ「FANTASTICS」のパフォーマー、中尾翔太(なかお・しょうた)さん(22)が、7月6日午前7時23分、 […]
2018年7月5日 / 最終更新日時 : 2021年10月29日 佐藤 典宏 がんの予防 慢性疾患は癌のリスクを高める!がん予防対策としての持病コントロールの重要性 みなさんは、なにか持病(慢性疾患)をお持ちですか? 以前から、ある種の慢性の病気があると、がんにかかりやすいことがわかっていました。 たとえば、糖尿病の患者では、がんによる死亡率が25%高くなるという報告や、高血圧がある […]
2018年7月2日 / 最終更新日時 : 2018年7月9日 佐藤 典宏 大腸がん コーヒーは大腸がんの再発を予防し、死亡率を低下:海外からの2つの研究結果より がんの手術後の患者さんに、「コーヒーは飲んでいいですか?」と聞かれることがあります。 術後の生活指導のパンフレットなどには、「コーヒーなどの刺激物は控えるように」と書かれているものもあります。また、「なるべく飲まないよう […]
2018年6月23日 / 最終更新日時 : 2019年6月23日 佐藤 典宏 抗癌剤・分子標的薬 膵臓がんに対するFOLFIRINOX(フォルフィリノックス)の効果は?日本での成績まとめ 膵臓がん(膵癌)は、5年生存率10%以下という予後不良のがんであり、近年増加傾向(日本におけるがん死亡者数の第4位)にあります。 膵臓がん治療の最大の問題点は、およそ7~8割の患者さんが、遠隔転移や局所進行によって切除が […]
2018年6月19日 / 最終更新日時 : 2018年6月19日 佐藤 典宏 QOL(生活の質) がんの痛みは我慢しない!がん疼痛の原因と治療法(薬物療法)について がん患者さんは、さまざまな原因により、痛み(がん疼痛)を感じることがあります。 がんの痛みは生活の質の低下につながり、治療への意欲を失わせ、ひいては予後(生存期間)にも影響をあたえる可能性があります。 にもかかわらず、が […]
2018年6月16日 / 最終更新日時 : 2019年6月16日 佐藤 典宏 お知らせ 「ガンとわかったら読む本」が出版されました! 2018年6月16日、私のはじめての著書「ガンとわかったら読む本 (専門医が教えるガン克服の21カ条)」が出版されました。 皆様のご支援のおかげです。本当にありがとうございます。 ガンとわかったら読む本 (専門医が教える […]
2018年6月14日 / 最終更新日時 : 2018年12月6日 佐藤 典宏 手術 早期肺がんに対する手術は放射線治療(SBRT)に比べて死亡率が上昇:海外からの報告 早期の非小細胞肺がん(NSCLC:肺腺がん、扁平上皮がん、大細胞がん)に対しては、肺切除手術が標準治療として長く行われてきました。 一方で、高齢の患者さんや、全身状態(とくに肺の機能)が悪くて手術がきびしい患者さんでは、 […]